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24.5話 もふもふは正義

元々この世には居なかった存在。

無理矢理蘇生され、操られ、激痛と不快感に支配されていた。

そんな僕を助けてくれた。

その日から、君に興味が湧いたんだ。

ネクス様。

僕は君の優しさや人望、そして、その匂いがーーー

(僕は魔物だ。この土地に生まれ、この土地で育った。)


狼族の魔物は個の力が非常に高い。そのため、集団を作ることをしない。


ある1匹の魔物もまた、誇り高いプライドを持って行動する。


獲物には困らない。

水も近くにある。

危険な魔物もほとんど現れない。


魔物は、綺麗な白い体毛に覆われ、日々を満足し、何不自由なく過ごしていた。


---しかし


「見つけましたよ。あなたに用があるんですよね〜」

ふと、上空から声をかけて現れたのは、人型の魔人だった。手に輝く魔鉱石を手に、魔物に近付く。


どこからともなく現れた魔人は手に魔力を込めると、一瞬にして目の前の魔物を倒す。


意識が無くなる。

生命の鼓動も感じ無くなくなる。

手足の力も無くなる。


そこで、1匹の魔物の命が奪われた。


本来なら二度と目覚めるはずはなかった。


魔人の持ってた魔鉱石を額に当てられ、あの世へ行くはずの魔物が呼び起こされる。


そして、目覚める。


操られる。魔鉱石によって、同族すらも操り人形になる。


(そう、これは、僕が僕になった夢。その経過の1部だ。)


---目を覚ます


「いや〜、嫌な夢を見たなぁ。受けた屈辱って、引きずっちゃうもんなんだなぁ」

少し暗い表情になりながらも、朝を迎え、目を覚ます。

そこには、毛並みは薄い水色だが、体に近付くにつれ白くなるような体毛。

額には青いツヤツヤと輝く石がある魔物の姿があった。


「さーてと、んじゃ、今日も1日の始まりだね!」

家から飛び出す。


その姿は、何かに期待し、楽しみに満ち満ちた姿だった。

好きなものを与えられる。それを待ち望む子どものようにはしゃいでいた。


やがて、その魔物は、近くにあった家の中へと入り、ある女のハイゴブリンに会いに向かう。


「センさん!おはよう!ご飯食べに来たよ〜」


勢いよくバタン!と開けられたドアをそのままに、元気よく挨拶しながら入る。


「あんなことがあったのに、元気そうでなによりです。」

そんな様子を目に、慌てるでもなく、冷静に対応する。


センの家で共に食事をとる。


食べ終えた後は、諸々の片付けを行い、

センと雑談をしていた。


「でさ〜、そのネクス様?だよね?僕たちを救ってくれたのって、、、ねぇねぇ、どんな人なの?」

興味津々なその輝いた目に、センは簡単に話を進める。


「凄く優しい方ですね。私たちは元々ゴブリンでした。ですが、ネクス様のご協力もあって、こうして強くなり、共に信頼を築き上げてきました。」

表情は変わらず、淡々と話すその姿勢は、何を考えているのか、分からない状態だった。


「ふ〜ん、なるほどなるほど。」

聞いていたもふもふの魔物は何かに納得し、頷く。

その目には、何かを見通す。隠し事が出来ない。と感じる。


「この村の魔物たちは、そのネクス様のことが好きになったんだね!興味深いね〜僕も早くお話してみたいな〜」


センの右目には、

この魔物には悪意はなく、策略がある訳でもない。ただ、純粋に“ネクス”という存在に興味を持っている。そう捉えた。


すると、急に鼻をクンクンとしだす。


「あ、この匂い、あの時の、」

この出会いは運命だ!と、言わんばかりに上機嫌に態度が変わる仕草を目に、センは若干引いていた。


そうして、後ろにあるドアに振り返ったかと思うと、急に飛びつく。


ガチャっという音と同時に目の前の魔物によってそのドアは勢いよく開かれる。


すると、そのドアに手をかけたであろう少年の姿を視認した瞬間、顔をお腹に擦り付け、クンクンと匂いを嗅ぐ。


(あ〜、やっぱりこの匂いだ。僕を倒し、周りにいる同族にも手をさし伸ばしてくれた。優しい匂い...癖になりそう)


セン、ソンウ、クロを含めた4匹で話を進めていき、前回の反省を踏まえて、模擬戦という特訓を行うことになる。

その流れで、ネクスに加わった魔物たちの紹介。名付けをすることになった。


「そうだなぁ、君はもふもふしてて、青い石や目、毛先とかが特徴だし、、、ラピスっていうのはどう?」

ネクスは目の前にいる魔物の特徴を見て、名前を考えていた。


(僕の名前、考えもしなかったけど、ラピス。ラピスかぁ、)


「うん。今日から僕はラピスだね!よろしく!」


加わった魔物たちの名付けとスキル関係が終わり、特訓を開始する。

肝心のネクスは、魔力の使いすぎでダウンしていた。


(僕はと言うと、木陰で休むネクスを横に匂いを堪能しながら、幸せな空間を満喫してます。)


(僕が僕になる前までは、考えていなかった。)


プライドを持って、1匹であることに固執していた日々。

集団でいるのは弱者の考えだといていた過去の自分。


そんな過去の自分に言いたい。


魔人によって無理やり生き返らせられた存在であり、

生まれ変わったからこそ、分かったことを、


「仲間っていうのも悪くないね。」


微笑みながら呟いた。

最後まで見ていただきありがとうございます!

前作から続けて見ていただいてる方、今回初の方、いろんな方に見ていただき嬉しい限りです!


よろしければ評価・ブックマーク等していただけると励みになります。

次回0.5話シリーズもよろしくお願いします!

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