23話 特訓?
⚪︎前回のあらすじ
ネクスが目を覚まし、村を回ると、新たに加わった仲間と話す機会を得る。
そんな中、自身の進化によってもたらせる変化や恩恵について知ることになる。
また、ネクスたちは自身の課題に向けて動こうとしていた。
(俺は困っていた)
森の中、ネクスは悩まされていた。
目の前には、
クロとセン、なぜかスムがおり、
付け加えて、
もふもふが特徴で額に魔鉱石がある魔物1匹、
狼型の魔物が5匹、
(なんか、毎回こういう時だけ、俺に押付けてないですかね)
内心不貞腐れていた。
---遡ること数分前、
「でさ、この子たちが新しい仲間ね!」
クロが進んで、仲間になった6匹を改めて紹介する。
ベッドに潜り込んだ兄妹2匹、
もふもふが特徴の1匹、
クロと同じように黒い毛並みが3匹、
聞くと、ほとんどの記憶が無い状態で、名前と周りとの関係性くらいしか思い出せないことを聞く。
「さて、これからどうするかねぇ、個人的にはエニュート戦での反省も踏まえて特訓したいし、自分の能力を確かめておく必要もあるからなぁ、」
新たに加えた6匹を含め、今後に向けて考えていた。
1番はこのままでは守りたい存在を守れない自分を鍛えることに路線を当てていた。
「ねぇ〜ネクス様、私たちで良かったら相手になろっか?」
兄妹の妹の方が提案をしてくる。
(その点はありがたいけど、ここに来たばっかりで、不安だろうし、何より、まだ万全じゃないだろうし)
「その気持ちは凄く嬉しいけどさ、君たちはここに来たばっかりで右も左も分からないだろ?慣れてから手伝ってくれると助かるな。」
ネクスなりの気遣いだったが、そこにセンが加わる。
「ネクス様、確かに彼らは来てまもないですが、体調は万全ですし、実力も申し分ないかと思われます。」
目を瞑り、横から失礼と表情で伝えながら、話を進める。
「俺たちは来たばっかりって言うのはあるけど、お世話になってるのは事実、できることがあるなら、手伝わせてくれ」
クロと同じ毛並みの1匹が、そう前に出る。
「まぁ、そこまで言うなら、悪いけど、お願いしようか。」
彼らの心配もあるし、村の魔物たちと上手くやれているのかなどもあったが、渋々了承することになった。
「そういえば、ネクス様、この子たちにも名前とか、付けてあげたらどう?」
「え?」
名付けの提案をされて、呆然としてしまった。
「えっと、名前?って、関係値が形成されてなければ、俺は別にいいのかなって思ってるんだけどな、、」
ネクスに悪気は無く、名付けをすることによってこの魔物たちが不遇に思わないか、そう思った返答だ。
「ネクス様は、私たちとは関係結びたくありませんか?」
兄妹の兄がそう聞いてくる。
「いや、そういう訳じゃないんだけど、名付けをすることで、不遇に思うかもしれないなって思ってさ、もちろん、君たちが良いよって言ってくれたら付けるけど、」
勘違いされていそうだったため、ネクスはおどおどしながら、やり取りを続ける。
「なら、大丈夫だよ!僕たち、ネクス様のこと、気に入ってるから!何より良いにお、、、近くにいると安心するし!」
もふもふの魔物も同意見らしい。
(何か、本音がまた別にありそうな気もしないでもないな。気にしないでおこう。)
「君たちはそれでいいのか?」
全員満場一致で、名付けを希望するらしい。
「よし、分かった。じゃあ、改めて名付けをするよ!」
(と、言ったものの、名付け、、、名付けかぁ、)
---そして、今
ネクスは絶賛困っているのであった。
(ある意味、スライムとゴブリンの名付けを行った事で、引き出しがかなり減ったんだよな)
(いや、これも特訓なのか!?今後、仲間が増えて名前が無いと不便だ!みたいなことになった時の為の?)
何故か、ネクスは追い詰められていた。
そうして、数十分、中々名前が決まらないでいたネクスだったが、ようやく決めることが出来て、名付けを行うのであった。
クロと同じ種族らしい、3匹は
両目がクロたちと違って、灰色なのが“ウグレ”
気分で行動を決めるのが“ウイ”
相手と話すのに少し躊躇のある方が“ウセ”
白い狼型の兄妹2匹の方は、
兄がリュウ、妹はツキ
ふわふわが特徴で、
額に濃い青色の魔鉱石が見える方に“ラピス”
と、それぞれに名付けを行った。
結果、スキルによる改善や付与なども行えるようになり、名付けの際に全て行った。
ネクスは気付いたことがあった。
(名付けや、ある程度の信頼関係が無いといけないのだけど、強い魔物であればあるほど、俺に対する負担がデカイな)
ゴブリンとスライムたちの名付けとスキル改善を行っており、その時に1日10匹が限界だった。
神化し、スキルの進化もあって、上限がさらに増えていた。が、目の前の魔物6匹に名付け、スキル関係のことをしただけで、既に体力が限界に近い状態になっていた。
「ネクス様、大丈夫?なんか疲れてるけど、」
クロが横から声をかけてくる。
ネクスはたった6匹の対応により、額に汗を流し、魔力のほとんどが無くなっていた。
「あ、あぁ、大丈夫。ちょっと疲れただけ。少し休んでから特訓を始めようか。」
木陰まで移動し、ネクスは休むことになった。
いつの間にか、隣にスムが来ており、一緒に木陰でゆっくりしているのには触れないでおくネクスだった。
この間、目の前にいる魔物たちがどれだけ強いのか把握をするために、模擬戦をすることとなる。
「手合わせお願いします。センさん。」
シャドウウルフのウグレがセンに申し込んでいた。
「はい。前より強くなったこの力を、馴染ませたいのでお手柔らかにお願いしますね。」
そう言って、構える。
(あれ?確か、センって、槍を持って戦ってたのに、使わないんだなぁ)
エニュート戦で見せた槍での戦闘スタイルが素手に変わっており、ネクスは違和感を感じていた。
そうして始まる1戦目。
「では、ご挨拶程度に!」
ウグレが、腕を前に出して、空を切る。
それが爪の形となり、衝撃波となって、センに近付く。
「かまいたち」
視認しにくく、どんどん近付くそれは、真っ直ぐに目標に向かって進む。
「そんな技があるんですね。」
センは、右手を前に突き出し、手のひらを開いて“かまいたち”を受け止める。
受け止めた、と同時に技は消えた。
「え?俺のかまいたち、どうなったの?」
ウグレは自分の技が消えてしまい、焦っていた。
「ん〜そうですね。簡単に言うと、解析して、分解したって感じですね。強い技ほど時間がかかりますが、」
センは観察眼が突出しているため、新しく手に入ったスキルや恩恵に、それが関係するものがあるのだろうと、見ていたネクスは考えていた。
「では、次は私から行きますね。」
そう言うと、センは、先程ウグレが使った技と同じような動きをする。
手を開き、勢いよく空を切る。すると、その勢いが衝撃波となって、ウグレに向かって行く。
「な!?」
ウグレは意表を突かれてしまったが、間一髪で避けることに成功する。
「解析出来た技のコピーどうですか?」
ちょっと、嬉しそうな表情を浮かべながらセンは聞いていた。が、少し残念そうな表情にもなっていた。
「真似は出来ても、威力は半分程度、それに、コピーは1つまでしか出来ないので、別の技をコピーすると上書きされるのが難点ですが」
木陰で休むネクスも、見ていて驚いたが、それと同時に興味も深まっていた。
(相手の意表を突くには持ってこいだな、スキルの進化が可能になったら、それこそ、ヤバいんじゃないかな)
スキル関係でネクスは熱くなっていた。
その拍子にあることを思い出す。
(そういえば、俺の法則改変に、新しく、解析鑑定っていうスキルが発現したんだよなぁ、これで、みんなの能力が分かるなら今のうちにやってみるか)
事前に、クロでスキルを試していた。
解析鑑定で分かるのは、主に3つだった。
相手のある程度の力量や一部のスキル。種族。状態異常。
それらを、いつものスキルの声が教えてくれる。
他にも、植物や無機物に対してもできるようだが、後回しにしている。
そして、スキルを用いて周りを見渡すネクスは、まず、ウグレ、ウイ、ウセを簡単に見ていく。
(なるほどね、やっぱりクロと同じシャドウウルフって種族らしいな。それに各々スキル量、多いねぇ)
自力でスキル取得も可能なこの異世界で、1匹辺り、4つ持っているのは努力を惜しまないんだな。と評価していた。
ネクスは次に白い狼型の兄妹を見ることにする。
(なるほど、ホワイトウルフ。分かりやすいな。で、、、お?妹の方は回復系?が多いな。凄いな。俺は無いから羨ましいな)
頭の中でブツブツと独り言をしながら今いるメンバーの把握をしていくネクスだった。
木陰で休むネクスの隣で寝ているスムとは反対側で、何故か幸せそうな表情を浮かべながらぴったりくっつく、ラピスを横目にスキルを使う。
(えっと〜、ラピスが、、、水狼=(夢幻兆し)、え?なにこの種族名)
見た事ない種族に戸惑う中、
ネクスはある程度回復を終え、
目の前で戦う、センとウグレの次に、
ネクスはラピスに戦いを申し込むのであった。
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