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20.5話+ 見ていた好奇心

エニュートとの戦いを終え、村へと向かう一行。

体をスキルで癒したが、外見のみで中身はガタガタであった。

そんな終始ギリギリだった戦闘に対し、

興味を持つ者が覗いていた。

ネクスたちが戦いを始める数分ほど前ーーー


「なぁなぁなぁ、エニュート?だったか?あいつって強い部類だったか?」


「いいや、強くないね。彼も新参者だったはずだし」


「やっぱりそうか!通りで記憶に残っておらぬわけだ!」


薄暗い部屋の窓際で、水晶を出して話していた。

方や、興味津々で楽しい様子。

方や、落ち着いて分析をする様子。


背格好は子どものような見た目だが、中学生の男女と変わらない。その中には、威厳を感じるような圧を感じさせる。


「カル〜、こいつを見てみろ!」


ニコニコと笑いながら赤髪の少女は水晶を指さす。

そこには狼型の魔物と戦う少年と魔物の姿が映っていた。


「うん。確かに興味深いね。確かネクス、と言ってたね。エニュートが。」

手を顎に、研究心がくすぐられる。そんな風に感じていた。


「にしても、エニュートもずるいのだ。こんな面白そうなヤツを独り占めするなんて!」

頬を膨らませながら「ぶーぶー」と言って文句を言う。


「まぁ、彼にもなにか目的があって黙っていた可能性は、あるにしても、ろくな事じゃないだろうね。」

片目を閉じてそう答える。


カルとポルはエニュートとのやり取りの後、会議へ行ったと見せかけて戻ってきていた。

何か隠している。そう感じていたからだ。


「でさぁ〜、こいつのこと、カルはどう思うのだ?」

大した意図もなく、1人の少年に声をかける。


「そうだね。面白そう。それが答えかな。」

(強さはともかく、性格はいいと思う。なにより、人間という“器”で魔物、それも異種族で共闘している。)


「ポルはどう見る?このネクスのことを」

水晶を凝視するポルに疑問を持ちかける。

それに反応した赤髪の少女のポルは振り向きざまに答える。


「私も面白そう!だと思うのだ!」

目を輝かせながら答え、すぐに水晶に向き直る。


ちょうどその時、水晶ではエニュートが現れていた。

「あ、エニュートが戦ってる!」


「みてみて!」とカルに声をかけながらテンションが上がっていた。


「あぁ、見れば分かる。」

(それにしても勝手な行動を、戦っている以上エニュートが勝つだろうが、均衡が崩れたらどうする気だ。)


青髪の少年は少しだけ悩まされていた。

そんな様子とは裏腹にテンションが上がっている少女もいる。


「あ〜あ〜、エニュートが出たなら、ネクスってやつも終わりだなぁ。面白そうだと思ったんだけどなぁ」

そう言う視線の先では、エニュートがネクスを倒し、黒い狼型の魔物が勢いで戦っていた。


「やっぱり勝ってしまったか〜、楽しみを奪われたみたいでガッカリしたのだ。会議をサボってまで来る必要無かったのだぁ」

腰を曲げてションボリする様子に、少年は共感する。


ポルはその場から離れようとする中、

カルは違和感を感じていた。倒れていたはずのネクスの口元が動いたように見えた。


「ポル、待った。」


「どうしたのだ?もう戦いは終わりなのだ。会議放ったらかしにしたからすぐに戻るのだ!」

(カルのやつなんなのだ?私を待たせるなんて、珍しいのだ)


仕方なくその場に留まるポルに対し、

カルは水晶に近付きネクスの様子を見ていた。


(おかしい、確かにエニュートにやられた。やられたはずなのに、口元が動いている。それに、微弱なオーラが完全に消えた。しかも、明らかに様子が変だ。)


水晶の中のネクスは、

倒れた数分後には立ち直し、

傷が完全に無くなり、

微弱なオーラも無くなり、

自然と一体化していた。


水晶から見ていたカル自身も、ネクスを見ていないと分からないであろうと感じていた。


すると、カルの傍からも同じような声が聞こえた。


「なんなのだ!」

大きく驚くポルの姿があった。


「なぁなぁ、こいつはさっき倒れたはずだろ?なのに、なんでこんなピンピンしてるのだ?明らかにさっきまでと雰囲気が違うのだ!」

カルの方へと向き、問いかける。


(何が起こったんだ?傷が治る。雰囲気が変わる。それらは分かる。進化した?いや、だとしてもタイミングが...)

ポルからの受け答えもせずに考え込んでいる。


すると、水晶の中でネクスはエニュートへと歩み寄り、会話を終えたかと思った瞬間、エニュートは倒されていた。


「おー!すごい!すごいのだ!」


「早すぎる、なんだ今の攻撃、移動したのか?いいや、水晶越しで見えなかった可能性も、」

ネクスの攻撃を、両者ともまじまじと見ていた。


「なぁ、ポル、ネクスの動き、見えたか?」


「ん〜、見てたけど、完全に“消えて”すぐに“出てきた”って感じだったのだ。」

(ポルの目にも消えたように映った。なら間違いない、ワープみたいな原理で移動したんだろう。その時に攻撃をした感じだな。)


「なぁなぁ、カル〜」

考え込んでいると、横から顔を覗き込むポルが呼びかけていた。


「今からでもネクスに会ってみないか?」

満面の笑みで提案するポルに対して、返答する。


「いいや、会議を放って来てるから、まずはそっちを優先にしないとだね。終わったらポルだけでも先に会いに行くといいよ。」


「んむ〜分かったのだ。会議の後、すぐに行くぞ!」


やる気に満ち満ちたポルを先頭にやれやれと困り顔しながら2人は再び空間を開き、会議へと向かっていった。

最後まで見ていただきありがとうございます!


前作から続けて見てくださっている方、今回初めて読んでくださった方、たくさんの方に見ていただけて本当に嬉しいです!


0.5シリーズの中でも、「ここはさらに描きたい!」と思った場面については、ごく稀に“〇〇話+”として追加投稿を行う予定です。


よろしければ評価・ブックマーク等していただけると励みになります!


次回の0.5話+シリーズもよろしくお願いします!

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