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1話 転生

⚪︎前回のあらすじ

人間不信ながらも前向きに生きようとしていた栗花落 真斗は、

不幸の連続により未練を残したまま命を落とした。


だが――それは終わりではなかった。

・・・俺はどうなったんだ。


ゆっくりと意識が戻る。

周りを見渡しても真っ暗だ。

何も聞こえないし、何も見えない。


「ここはいったいどこだろう?確か俺は、、、」

と記憶を辿り今までのことを思い出そうとする。


家に帰り、積み重なった疲労とストレス。

そのまま――。


「……死んだ、のか?」


だが不思議と、恐怖はなかった。

心は妙に静かで、澄んでいる。


「生まれ変わった。で合ってるのか?」

意識ははっきりしている。だが、辺りは真っ暗だ。

前世の記憶があるのも不思議だが……転生した、ということか?


積み重なったストレスで、俺はまともに生きられなくなっていたことを鮮明に思い出す。

だが、心がスッキリしているからなのか、嫌な気持ちにはならなかった。


「ん〜なんにしてもやることがないし、なにをしたらいいか分からないな。真っ暗だから期待はできないけど同じ境遇の人がいるかもしれないし、呼んでみるか。」

俺は精一杯大きな声で誰かいないか叫んでみた。


「おーい!誰かいないのかー!誰かいたら返事してくれー!」


少し待ってみたが返事が帰ってくることは無かった。

やまびこのように自分の声も返ってこないところを見るに洞窟とかにいるわけではなさそうだな。

なんにせよここはどこなんだろう?

と、腕を組もうとしたが1つ気付いたことがある。


「あれ?腕が、、というか体の感覚がないぞ?」


恐る恐る自分の体を触って確認してみる。

「おかしいな、生まれ変わりとか転生とか思ったんだけど、そもそも体がないぞ?」

自分の感覚で体を触ってみるが感触が全くない。

今の自分がどんな見た目でどんな様子なのかそれすら分からない。ただそこに意識があるだけの状態。


「うわ〜まじか、体が無いってこんな感じなのか。すごい違和感やなあ。」

驚いていると、かなり遠い場所にほんの僅かな光が見えた気がした。


「よく見ると奥の方でぼんやりと光ってる所あるな。なんだろうあれ?」

と意識を前に持っていくと、その光に少しずつ、また少しずつ近付いていく。

「あの光は何かに繋がっているのか?まぁ、近付いて見ないことには分からないし。あれを目的に進むことにしますかね。」


一歩、また一歩と進んでいく。するとその光もより一層強くなり、やがて目の前にまでその光に近付いた。

自然とその光に導かれるようにそっと触ってみた。


「あったかいし、なんか心地いいな。」


その光はまるでぬるま湯に浸かっている。そんな心地良さを感じさせてくれるような居心地にしてくれる。そのあまりの気持ちよさから目を閉じた。

やがて、その光は急激に大きくなり意識だけの俺は光に飲み込まれた。


・・・意識が再覚醒する。


そして、小さくとぎれのある声が聞こえた。

「お、、のス、、は、、だ。」

その声は聞き取りにくく、なんて言ってるのかよく分からなかった。だが、先ほどまでいた環境とは違い、人がいるんだな。ってことがわかった俺は重たい瞼を少しずつ開いて見た。


「ん?ここは教会?っぽいところだなぁ、すごくボロボロだけど、」

そこは古くからありそうな教会であちこちがボロボロになって今にも一部が壊れそうな感じで軋んでいる。


「歴史を感じさせるような作りだなぁ、でもこんな感じの教会ってそもそも日本にいた俺のとこには無かったしやっぱり、転生したっぽいな。」

と、小声で話していると、目の前にいたシスターみたいな服装をした女性が話しかける。


「あなたのスキルですが正直使い道は限りられますね。例えば物を持ち運んだり、何か痛みやすい物があればお仕事が見つかるかもしれませんね。」


スキルの話を聞いてすぐに思いついたのが、異世界だから魔法とか剣術みたいなことの説明かな?と想像を膨らませる。そして、最初聞いた途切れた声の正体はおそらくこの人だろう。声のトーンが同じだったため理解できた。


ただ、途切れた部分は聞こえていないため改めて聞き返そうとする。

「俺ってそんなスキルがあるんだなぁ、あとごめん!最初の方聞こえなかったんだけど、なんていう名前のスキルだったの?」

と、シスターに聞いてみた。


「これで10才になったみなさんはスキルが分かりましたね!今お伝えしたスキルを持ってこの世のために役立てくださいね!」

と、話をどんどん進めていく。


・・・あれ?なんで無視されたんだ?


そっか、スキルの覚醒って言ってたっけ、ってことは今は大事な儀式?的な何かのタイミングだから話せないってことか。なら仕方ない。

と、心の中で納得させていると、ここで違和感を覚えた。


「ところで、なんで俺の視点勝手に動いてるの?周り見渡してるけど、、」

さっき言われた通り10才くらいの子ども達が多いように見える。また、入り口付近には大人がいた。今いる子どもたちの親が見守っているんだろう。


それに独り言に対しても周りが反応しない上に、この視点だと手があるし、動くってことは足もある。だけど体の感触は感じない。


疑問だったが勝手に流れていく光景をただ見守るしかなかった。

そして、俺が向かった先は教会の入り口にいる大人たちがいる所、そして自分の両親らしき人物を見つけると早足になり、その後楽しそうなやり取りをしてそのまま家に帰るところだった。


「ん〜、結局のところよく分からなかったな。」

「俺の声は誰にも届かない。体は動いているのに俺の意思じゃない。」


これって転生失敗してるんじゃないの!?


「あ〜もぅ、せっかく異世界転生したと思ったからワクワクしてたのに!真っ暗だった時とあんまり変わらないじゃん!」

少し落ち込みながら叫んだ。

が、すぐに冷静を取り戻した。


「いや、真っ暗よりは目の前に映る光景があるだけまだマシだけどさ!」

と、ため息混じりで独り言をする。


その後、ご飯を食べたり、両親と話したり、稽古?をしたり、という光景を見つつ、似たような日々を1週間ほど見ることとなった。

そして、寝るたびに見ていた光景が無くなり目の前が真っ暗になる。

「――これは、この子の見ている世界なんだろう。」


んで、実際のところ俺がどんな存在なのかは未だよく分かってないし。今分かっていることのまとめをしようかな。

俺は転生しているっぽいが体が無いし話もできない状態。

今この動いている体は10才の子どもだろ?話している内容からして男の子っぽいな。


憶測の部分もあるが、

「俺は、この子の中に“組み込まれている”何かなんじゃないか?。意思を持った“機能”みたいな存在として。」

日々を重ねた内に出した答えだ。


光景から見て捉えた内容だが、、、


服装は同じ物を何度も着脱しているからかボロボロな状態。

主に川の水を利用して飲み水や衣服の洗濯をしている。

常に何かしらの仕事をしている。それは子どもに関しても同じで時間があれば何かやっているみたいだ。

自然に満ち溢れているからここは都市というより村って感じ。


「ずっと気になってたスキルっていうのも見れたな。」

何か唱えて焚き火をしたり、別の家庭の人は水を生み出したり、、、


大人は狩りに行くこともあるみたいだ。

なら戦闘向けに使うスキルとかもあるだろう。


「これだけの情報をみただけでも異世界って痛感するなぁ、普通ならありえないもんな。」

正直今の俺ですら小説で見たことがあっても、現実ってなると受け入れるのに少し時間が必要だと感じた。

「まぁ、しばらくこの状態が続くだろうし、情報収集からだな。」


ずっと気になっている点、、

「この子はいつになったらスキル使うんだろうな。

なんのスキルなのか結局分かんなかったし、今日もスキルを使わなかったから気になる。」


それも次の日に分かるかもしれないし、楽しみにとっておくことにした。


そうして考えるのをやめて俺も眠りについた。


・・・次の日の朝、


俺は目を覚ますと同時にこの子も起きていた。

この子が起きるタイミングで俺も目覚める仕組み?みたいだ。

朝起きてすぐに父親と稽古をする流れらしい。

この村は一人前の大人になるために稽古を重要視しているみたいだ。


「ふぅ、強くなったなぁ。父さんもつい力んじゃったよ。」

「父さんに全然勝てないー!次こそは勝ってやる!」

「おう!リベンジにこい!いつでも相手になってやる。」

互いに汗を拭って話していた。


「さて、この木刀とついでにこの樽を川の水を保存するように持っていきたいからお前のスキル。使って持ってってくれ。」

「お?やっと、この子のスキルがわかるのか?」


なんのスキルなのか分からなかったから楽しみだった。

名前を聞けばそのニュアンスで、なんとなく分かると思ったが、聞く機会が無かったため後回しになっていた。


そう思っているのも束の間、その木剣2本と樽1つが“一瞬”で消えた。


・・・え?消えたんやけど、なに?分解したん?それとも、瞬間移動系?


そうして、家に着くなりまた一瞬で目の前に木剣と樽を出して見せた。

「なんだこれ?一瞬で消したり、出したり、あれか?持ち運び系でってあのシスターさんも言ってたし、かの有名なアイテムボックス的なやつか?」

また独り言で盛り上がって話しているとやけに周りが騒がしい。


「なんだ?広場周辺が騒がしいし、なにより悲鳴まで聞こえるぞ?、、、悪いがこいつを頼む。一旦家の中に入っててくれ。俺は騒ぎになってるところに行ってくる。」

慌てて父親は広場へと向かう。


「気をつけてね!危ないことならすぐ帰ってくるんだよ!」

両親のやり取りの後、少年を母親に預け、父親は騒ぎとなっている所へ向かった。


だが、この感覚だけは前世でも知っている。


――もう戻れない出来事の、直前の空気だ。


そしてその予感は、すぐに現実になる。

最後まで見ていただきありがとうございます!

プロローグから見ていただいてる方、一話から見たよって言う方、いろんな方に見ていただき感謝感激です。


基本は月に1話、早くて2話分と伝えたのですが、今月は時間があるので、3話分投稿しようと思います。

なのでプロローグ・1話と投稿後、2話を月末に予定しています。


よろしければ評価・お気に入り登録していただけると励みになります。

次回2話もよろしくお願いします!

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