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13話 引率者

敵対するスライムたちの追っ手が密かに接近していた。


話し合いには応じず、仲間たちと共に戦うことに、、、

親分を倒すと、敵対していたスライムたちは落ち着きを取り戻すが、

今後について話し合うため、再び会議の場が設けられることとなった---

俺は頭を抱えている。


なんでかって?


ーーー遡ること2週間ほど前


俺はスライムの親玉を倒し、生き残っている相手のスライムの今後について会議をしていた。


「会議を始めたのは良いが、君のことだ、受け入れるつもりなんじゃろ?」


翻訳して伝えてくれる言葉に確信を突かれる。


「あぁ、そうだな。俺はゴブリンとこっち側にいるスライム達とで協力を結べた。なら、こいつたちも仲間にできると考えている。」


それを聞いたゴブリン村長が突き詰めてくる。

「なぜそう思う?こやつらは元々傷ついておったから進んで協力してくれたが、この者達は敵であっただろ?何を信じて迎え入れろと言うんだ?」


(俺の理想はできるだけ皆が手を取り合えるような世界にしたい。だが、敵になっていた相手への信用性はないに等しいだろう。)


悩みながら口を開く。

「俺の“何でも受け入れる”なんて考えは、無謀かもしれない。この世の中だとあり得ないかもしれない。」


俺はゴブリン村長に真っ直ぐ視線を送る。

「だけど、俺の作りたい世界は手を取り合う世界だ。ここにいるスライム達は元々敵だった。だけどその理由がもし、親玉のスライムだったら?どう?」


「俺の言ってることはあくまで理想だ。だから信じられないと思うならそれまでだ。だけど、手を取り合う世界。そして安心できる世の中にしたい気持ちは本気だ。」


「だから、信じて付いてきて欲しい。」

俺は軽く頭を下げる。


そして、そこから話しかけたのはハイゴブリンの子だった。

「頭を上げてください。」


「元より、私たちはあなた様に付いて行くつもりです。こうしてここのスライム達との協力関係や話し合いでの解決。そんなこと私たちだけでは考えられません。」


「なので感謝してるんです。ここにいる村長やゴブリンたち、スライムたちもきっと同じ気持ちです。」

にっこりと微笑みながら話しかけられる。

感謝の言葉を向けられ、俺は前世で先輩に寄り添ってもらった時とは違う、何か暖かいものを胸に感じていた。


「ありがとう。そう言ってくれると助かるよ」

ふと、俺からも感謝の言葉がもれる。


そこでクロが話に入ってくる。

「あのさ、結論このスライムたちも受け入れるってことでいいんだよね?」

再確認する。

皆、満場一致で受け入れる結果となる。


「じゃあ、私から1つ話したいことがあるんだけど、」

皆の前で話を進めるクロ。

(何か気になったことでもあるのだろうか?)


「主人様にはスキルの付与があるのよ。で、できる場合とできない場合の違いについて考えたんだけど、」


「え!?もしかしてわかったのか!!」

俺はクロを掴んで必死になっていた。


前々から疑問だった。

クロには付与できたのに、ハイゴブリンの子には付与できなかった。その違いが分かるかもしれない、、、


「まぁまぁ、落ち着いて。」

俺は深呼吸して、改めて話を聞く。


「で、結論からいうんだけど2つあるわ。」

「1つ目が信頼関係の構築。2つ目が名前の有無よ」


「理由は私は元より主人様を信用しているし、名前をつけられた瞬間に感じたのだけど、主人様との強い繋がりを感じたのよね。」


俺や周りのみんなは、ぽかんとしていた。

「えっと、つまり、ある程度の信頼関係があって、名前を付けることでスキルの付与ができるようになるの?」


クロは「その通り」と言うように、何度も首を縦に振る。


「そうなのですか?では、実際にやってみましょうか。」

そう言って進んで名前を付けてもらおうとハイゴブリンの子が近づく。


「お、おぅ、わかったけど、ちょっと待ってね!今考えるから、、、」

そう言って俺は考える。

(どうしようかな、俺って名付けが安直だからなぁ、、)


「よし!決めた。君は今日から“セン”だ。」


「セン、、、それが私の名前ですね。ありがとうございます。」


「ねぇねぇ、主人様、スキルの付与やってみたら?」

俺は頷き、センも了承する。


俺はセンに触れて意識を集中させる。


「確認。個体名センにスキルの付与が可能です。」


「付与しますか?」

その言葉と同時に頭の中に今までコピーしたスキルが出てくる。

(まぁ、コピーしたのって今の所2つだけなんだけどね。)

そう思いながら今回は無しということで進めていく。


センから離れ、出来たことを伝える。

「ね?言った通りだったでしょ?褒めてもいいんだよ?」


尻尾をフリフリしながら頭を撫でて欲しそうにこちらを見つめる。

「え?うん。ありがとうな。」

頭を撫でる。

ふわふわの耳と尻尾が嬉しそうに揺れる。

(こういうところ、本当に癒されるなぁ〜)


その流れで村長とスライムの代表にも名付けを行い、スキル改善と追加で付与をする。


「ありがとうございます!」

スライム代表には“マルド”


「名前を与えられるなんて思わなんだぞ。」

ゴブリン村長には“ソンウ”


その際、2人に備わっていたスキルのコピー、そして種族の進化が起きて、

スライムからドンスライムへと進化し、

見た目が青色で透き通っていた色から赤色へと変わる。


ゴブリンからサジェスゴブリンへ進化し、

見た目がかなり若返ったような容姿となり、背の高い青年っぽい見た目となった。


(ん?サジェスゴブリンってなに?ハイゴブリンじゃないの?)


ゴブリンの方は別の進化を果たしたことに驚いていたが、センやクロに聞くと、突出している能力に応じて進化先が変わることがあるそうだ。


「ふぅ、スキルに名付け、修行して魔力が増えたとは言え疲れるなぁ、、、」

とてつもない脱力感を感じていた。


「あの、1つ気がかりがあります」

手を上げてセンが質問を投げかける。


「私たちに名付けはいいのですが、主人様?の名前はどうされるのですか?」

「あ、そうだよ!私も主人様の名前聞きたい!」

(そう言えば、俺に名前って無かったな。)


「そうだな。名前はこれから呼び合うのに必要だよな。名前、俺の名前かぁ」

両手を組み考える。


「じゃあじゃあ、新たな道を示す希望!って感じの名前がいいと思うな!」

クロが楽しそうに意見を言ってくる。


「希望かぁ、そんな大層なことをしてるつもりはないけど、希望ねぇ、希望の道関係なぁ、ホープとか、フューチャー、あとは〜なんだっけ、ネクサ、、ス?だっけかな」


「あ!それがいい!(それですね)」

2人が食いついてくる。


「ネクス!それ響きがいいと思う!ね!センさん?」


「私も同意見です。しっくりくると感じました。」

意見は同じでこれがいいらしい。


「ん〜わかった。2人がそう言うなら俺はこれからネクス。そう名乗ることにするよ。」


すると、

「では、ネクス様の名前が決まったところで、ここにいる者たち皆に名前を付けてみるのはどうでしょうか?その際にスキルのコピーもできるかもしれませんし、やってみては?」

センが申し出る。

 

「確かにそうだね!他のみんなにも名前を付けて、スキル付与もできれば、毎回翻訳を頼まなくても済むかもしれないし!」

なおクロも乗り気である。


「まぁ、こういう不思議な出会いや関わりはネクス様あってのことだからなぁ、どうせなら俺たちを引っ張っていってくれよ」

ソンウも悪ノリをしてくる。

(元々そんな性格じゃなさそうだったのに、押し付けてきてるよな)


俺は渋々この村の代表?的なポジションに着くこととなった。


そうして、話は進み俺の名付けは始まった。

ゴブリン30体

スライム50体


まさか、この数全員に名付けと付与を行うのか、、、

日々特訓をして魔力を磨いてはいるが、、、

汗が額からたらりと落ちる。


そうして俺は魔力切れを起こしながら何日もかけて行った。


ーーーそして今に至る。


「正直、親玉スライムとの戦いよりよっぽど過酷だった。」

俺は疲労と名付けを考えることで頭を痛めていた。


(そういえば、1つ気がかりなことがあった。)

それは名付けを行っていた時、

システムの声に言われたことがあった。


「条件を満たしました。付与の幅が広がりました。」

これってどういうことだろうか。


自分の胸に意識を集中させる。

「回答。個体名ネクスの申請により、スキルの付与が本体に可能となりました。」


(え?何となく自分に意識集中してみたけど、まさかこれのことか?)


「付与ができるならやってみよう。」


「承認。本体にスキルの付与を行います。」


「、、、、、、完了しました。」


「個体名ネクスにNスキル(聞き分け)を付与しました。」

(まじか。相手に付与するだけだと思っていたのに、自分にもできるようになったのか)


(これ、かなり強いんじゃないか?)


俺は驚きを隠せなかった。


俺のスキルの使いようが増えた以上、共有が必要だと思い、後日、また共有をする場を設けることとなる。

最後まで見ていただきありがとうございます!

前作から続けて見ていただいてる方、今回初の方、いろんな方に見ていただき嬉しい限りです!


よろしければ評価・お気に入り登録等していただけると励みになります。

次回14話もよろしくお願いします!

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