第25章 ―― 静寂の中で始まる秘密の授業
夜がすべてを覆い尽くしたころ、ズリはまだ目を覚ましており、眠りについた伴侶の穏やかな呼吸を見つめていた。その沈黙には、どこか厳粛なものがあった――まるで世界そのものが息を止めることを選んだかのように。彼は視線をそらし、深い眠りに身を委ねているズリカを探した。夜更けの重みをまだ知らない者の、緩んだ寝顔だった。
ガラスの上を歩くような慎重さで、ズリは起き上がった。娘に近づき、秘密のように軽く肩に触れる。
「――なあ……娘。起きて」
ズリカはゆっくりと身じろぎし、まるで眠りそのものと交渉するかのように、さらに体を縮めた。
「んん……どうしたの、パパ? みんな寝てるよ……」
「シーッ……」彼は笑いをこらえてささやいた。「大きな声は出すな。ついておいで。今夜、お前を鍛える」
ズリカの目は一瞬で開き、新しく見つかった星のように輝いた。
「鍛える? 私を? でも……訓練なんて受けたことないよ!」
ズリは低く笑った。その笑いは音よりも胸の奥で震えるものだった。
「だからこそだ。今は母さんが眠ってるし、ああいう眠り方のときは……沈黙まで聞こえてしまう。だから完全な秘密で出かける。訓練だけじゃない。約束する、楽しいぞ」
ズリカはまだ少し眠そうだったが、その考えにはすでに心を許していた。
「うん、パパ」
二人は、共に歩くことを覚えた影のように洞窟を出た。カエリュラの耳が一瞬だけ動いた――本能の警告のように。しかし眠りが勝った。疑念を許さないほど、深い眠りだった。
外では、村が月の下で休んでいた。ズリはズリカを腕に抱き、門の方へ向かった。
「さあ、行くぞ」いたずらっぽい光を目に宿して言った。
「待って、パパ……何をするの?」
「ただ、信じろ」
「ああ、もう……」
ズリカは目を閉じた。衝撃は避けられないと覚悟して。だがその代わりに感じたのは、世界が持ち上がり、そして滑らかに降りる感覚だった。目を開けたとき、すでに不可能は起きていた。鉄の門は背後にあり、二人はその向こう側に着地していた。
「すごい……」彼女は感嘆してつぶやいた。「パパ、あの門を跳び越えた……オメガなのに」
ズリは丁寧に彼女を地面に下ろした。
「ここからが本番だ。母さんには、夜は外に出ちゃいけないって言われてるけど……今夜だけ、ルールを破ろう。訓練と楽しさは一緒にあるものだ。特に、誰も見ていないときはな」
彼は娘の手を握った。
「はい、パパ」ズリカは共犯者のような笑みで答えた。
こうして二人は肩を並べ、夜の闇へと歩み、やがて姿を消した――抑えた笑い声、軽い足取り、そして月だけが見届けた秘密を携えて。
つづく。




