第9話 特殊ダンジョン
ご無沙汰してます。よろしくお願いします。
ロンドは魔道具に魔力を込める。
『少年、聞こえるか。返事をしてくれ』
すぐに魔道具からサラサあの声が聞こえる。
「はい、聞こえます。とてもクリアに聞こえています」
『こいつはロンドが言うとおり、確かに広いな。ガハハ』
ドンガの声は少し遠く聞こえる。魔道具を持っているのがサラサだからだろうとロンドは思う。
それにしてもダンジョン内なのに大声で笑っていいのあろうかと思うロンドだったが声に出すことはない。
『今から前進する。入り口が広いホールになっていることを記録してくれ』
サラサの指示に従いメモを取る。
「了解です。入り口は広いホールと……」
『地面は凹凸がある岩肌、奥に行くほど洞窟の径が小さく練っているようだ』
「地面は岩肌、奥ほど直径が小さい……」
『魔物の存在は確認できない。変化があるまで通信を閉じるが、そちらはいつでも受信できるように魔力を通して置いてくれ』
「魔物はいないと……
了解です」
以前にロンドが探検したときと同じ内容だと思いながらメモを取る。
5分ほど経ったときに再び魔道具から声が聞こえた。
『ロンドが報告していた二股に分かれる地点に到達した。
ダンジョン内の改変はないようだ。記録してくれ』
「了解です。二股に分かれる地点まで改変なし。記録しました」
『では、ロンドが進んだ方から確かめてみよう。右だったかな』
「はい。分岐の右側に入ったと思います。
運気に入った直後に僕は金属ゴーレム二体と遭遇しました。気をつけてください」
『了解だ。通信はつないだままにする』
魔道具からはサラサたちが洞窟の地面を踏みしめる音が聞こえる。
『何も出ないようだな。ガハハ』
『気を抜くなよ、ドンガ』
『わかっているさダルトン』
『止まれ、何かいる。私の索敵スキルが反応した』
サラサの警告に男二人はおのおのの剣に手をかける。
『ロンド、適宜記録しろ』
「了解しました。右の洞窟で会敵と……」
『現れた。ロンドの報告と同じ金属ゴーレムのようだ』
『剣より打撃武器の方がよかったかな。ガハハ』
『まあ、スキルを乗せれば切れるだろ』
ドンガの言葉にダルトンはスキルを発動させたようだ。
『確かにでかいな。ガハハ』
いや笑っている場合じゃないだろと思うロンドだが笑えない状況になったときの方が危ないかと思い直す。余裕があるのはいいことだ。
『俺様の断裂スキル入り袈裟懸けを喰らえ』
ダルトンが斬りかかったようだ。
と、
ガキンと金属同士がぶつかる大きな音が聞こえる。
『なに!
無傷だと』と驚くダルトンの声が聞こえる。
『風の上級魔法をたたき込む。二人とも下がれ!
衝撃波レベル10』
サラサの叫びの後、ゴゴゴーッという嵐のような轟音、その後バリバリと何かが裂けるような音、そしてズシンという地響きが続いて聞こえた。
ソニックムーブを発生させる風邪の上級魔法が炸裂し金属ゴーレムがバラバラになったのだろうとロンドは推測する。が……
『ダンジョンの壁にぶち当たっただけだと……』
ドンガのつぶやき。笑う余裕がなくなっている。
『ひびくらい入っているだろ』
ダルトンのわずかな期待にすがるような言葉。
『いや、無傷のようだぞ』
冷静に観察し、状況を分析したのはドンガの声だ。
『ミスリルゴーレムでも破壊できる威力の魔法だ。なぜ効かない』
サラサの感情をなくしたような声が続く。
『まさか、アダマンタイト級かもしかしたらオリハルコン級の金属ゴーレム……』
ドンガの妙に大きい独り言が魔道具から聞こえてくる。
『やむを得ない。撤退だ。』
サラサの緊迫した声が響く。
『『了解』』
ドンガとダルトンの声が重なる。
『何!後ろからも!!』
『挟まれた!』
『不味いぞ、同じ奴だ』
3人の緊迫した声が聞こえる。
ドンガの笑いもなりを潜めている。
ロンドは自分と同じ状況に上位の冒険者が陥っていることに驚くとともに、銀級の上位冒険者でも対処できないモンスターだったことに妙に納得した。
『ロンド聞こえるか、今から脱出を試みるが状況は厳しい。万一の時はおまえだけでも帰還してギルドに報告してくれ』
サラサの通信内容に焦りを感じる。
「サラサさん。何とかならないんですか?」
『今から後ろの奴に上級魔法をたたき込んで好きを作る。
これでダメならじり貧だろう。
二人とも、時間を稼いでくれ。詠唱する』
サラサはロンドに返答すると同時に二人の銅級冒険者に指示を出す。
ガキンガキンと金属音が聞こえる。どうやらドンガたちが金属ゴーレムに斬りかかっているようだ。
『二人とも下がれ!
衝撃波レベル10』
風のうなる轟音とともに音が聞こえなくなる。
『ダメだ。後退しただけだ。すり抜けられるような隙間はない』
ダルトンの絶望的な声が魔道具から聞こえる。
『もう一発だ!魔力の限り撃つ!!時間を稼いでくれ』
『わかった。しかし、剣も限界に近いぞ、ガハハ』
ドンガの笑いに力はない。
何とかならないのかとロンドは焦りながら思考する。
自分は裏口スキルで脱出口を作り出せた。
しかし今から自分が突入しても、3人との間には後方の金属ゴーレムがいる。
3人と合流して裏口を作るのは不可能だ。
こうなってみると、無理にでもついて行って脱出口作成要員になるべきだった。
ロンドは葛藤する。
今の自分の能力で出来ることはないのか……
そのとき一つの可能性に気がついた。
(そうだ、裏口で外に出られたんだから、外から裏口を作れば3人のところに行けるかも知れない)
『ダメだ。奴ら手足を壁にめり込ませて魔法に耐えはじめた』
そうしている間にもますます状況は逼迫してくる。
迷っている時間はない。
ロンドは三人のところにつながれと思いを込めてスキルを発動した。
「裏口作成!!!」
ダンジョンの入り口の隣に新たな扉が出現した。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次話投稿は未定です。のんびりお待ちください。




