第8話 ダンジョン調査隊
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結局ロンドは高級そうな裏口の料金を5割増しとすることにした。
裏口取り付け3000ジェニー、裏口リフォーム4000ジェニーだ。
裏口の撤去は高級なものも普通のものも関係ないのでリフォームは取り付け代3000ジェニーに撤去代1000ジェニーを足した金額だ。
カフェの幟旗にヒントをもらい、行商の時は『裏口取り付け、リフォーム2000ジェニーから』と書いた自分の身長よりも高い旗を背負っている。
カフェで旗屋さんを紹介してもらって、すぐに言ったところ、午前中の2時間ほどで作ってくれた。経費は2000ジェニーだった。ちょうどカフェの女店主からもらった代金がそのまま旗代となった。
町を観光しながら行商して、午後に二軒のリフォーム依頼を受けることが出来た。
一日で8850ジェニーの黒字だ。正直に嬉しく思うロンドだった。
翌日、翌々日と、ドンガとハイネの家に下宿しながら、ギルドよ町の流しで得た裏口の仕事は合わせて10件になった。
裏口リフォーム8件、裏口作成2件、内高級な裏口が3件、ギルドを介したものはリフォームの2件、30700ジェニーの利益が出た。
そして3日後の朝、ロンドはギルドの前でダンジョン調査に参加するメンバーと顔合わせしている。
「そろったみたいね。副ギルド長のサラサよ。風の魔法を得意にしている銀の冒険者でもあるわ」
長い銀髪を後ろで一束ねにした長身の美人だ。
「ドンガだ。銅の冒険者だ。主に剣を使うが槍やナイフも得意だ」
まさかの大家さんの参加に、ロンドはちょっと心強さを感じる。
「おう、坊主、またあったな。ダルトンだ。銅の冒険者だ。格闘が得意だが普段は剣を使っている」
3人目はギルド登録の時に後ろに並んでいた壮年の男性だった。
「ロンドです。皆さんご存じと思いますが裏口という戦闘では役に立たないスキルを授かっています」
「ああ、問題ない。我々3人でダンジョンに入る。ロンドは入り口まで案内してくれればいい。それでは自己紹介も終わったことだし出発だ」
サラサは何でもないというふうに言うと歩き始めた。
ダンジョンまでの道のりはギルドの荷馬車をサラサが操り、残りの3人は荷台に乗って移動だ。
街道から離れて草原を移動する必要が出るまで荷馬車で移動し、草原は荷車を置いて馬にサラサが乗り、残りのメンバーは徒歩でダンジョンに向かう。
ロンドの記憶だけが頼りだ。
途中の草原で一角ウサギなどの弱い魔物が出たが、戦闘職3人の敵ではなかった。
ギルドを出発して2時間ほどたったとき、それが目視できる位置まで来た。
「あれです。あの黒く見える崖の部分に入り口があったんです」
ロンドは遠くに見える崖の下部に向けて指を指す。
「確かにないかあるな」
他のメンバーもダンジョンから漏れる独特の空気を感じたようだ。
慎重に歩みを進め、30分ほどで入り口に到着した。
「確かにこれはダンジョンだな」
黒く見える洞窟の入り口を前にして、リーダー役のサラサが言う。
「はい。中は思ったより広く、奥に行くほど狭くなっていました。
魔物はほとんど確認できず、通路が二股に分かれたところまでは何も現れませんでした。
その先で金属ゴーレムに襲われて、命からがら逃げ帰ったんです」
ロンドは3日前にギルドでした説明を繰り返す。
「わかった。我々はこれからダンジョンの規模と危険度を確認するため第一層と思われる部分を半日かけて調査する。
一緒に付いてくれば少年のレベリングになると思うがどうする」
「いえ、僕は明らかに足手まといです。金属ゴーレムに手も足も出ませんでした。
入り口で皆さんの帰りを待ちます」
サラサの提案はレベルの低い冒険者にとってはとてもありがたいものなのだが、金属ゴーレムに挟まれて死にかけた経験から即答でお断りするロンドであった。
「ベテラン二人に銀の冒険者である副ギルド長までいるんだから一層目くらいは大抵大丈夫だぞ、ガハハ」
ドンガもレベリングに賛成のようだがロンドは首を縦に振らなかった。
「そうか。それなら少年には入り口に待機してもらって、通信の魔道具を渡しておく。
我々の会話やダンジョン内の音を聞いてもらって、必要そうなことは記録してくれ」
そう言ってサラサはロンドに魔道具と筆記具を渡してくる。
「わかりました。入り口で待ちながら記録をします」
ロンドは素直に紙と木炭を受け取り、通信の魔道具が付いたペンダントを首からかける。
魔力を込めれば会話が出来るタイプだ。
「もう一つは私が持っておく。ダンジョン入ったらすぐに起動するから、そちらの魔道具にも魔力を込めてくれ」
サラサはそう言うと、3人で洞窟へと踏み入った。
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