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異世界冒険記  作者: 九重九十九
新異世界編
53/69

今更だけどかなり重要な情報

 施設の偉そうな人と交渉して、なんとかそちら側にくわえてもらえた鈴木たち。

 その後、案内された部屋は研究施設をずーっと歩かされたところだった。


「ここは元々客人用の部屋なのですが、今日のところはここを使ってください」

 案内人の白衣を着た研究者はそう言って、「では」と去っていった。


 客人用の部屋の前には鈴木と天汰だけが残された。


「……じゃあ、入ろうか」

 天汰が言うと、


「一応、コレを張っててほしい」

 鈴木は自分の肩をトントンと叩いた。


「肩? ああ、うん。この施設に入ってからずっと張りっぱなしだから大丈夫」

 鈴木のジェスチャーを理解して答える、一応、罠の可能性も考えて慎重に扉を開ける。


「――普通の部屋だな」

「ほんと? 待ち伏せや爆発とかはない?」

 鈴木の言うような露骨なものはなく、普通のビジネスホテル風の部屋だった。


「お前、俺を先に部屋に入れさせたな、確かめるために」

「ん~? なんのことですかぁ?」

「腹立つけど」

 そんな軽口を言いながら部屋に入る。


 本当に罠ではないようで、爆弾が設置してあるとか、天井が落ちてきたりなどもしなかった。

(信用されているとみていいのか、いや、まだ判断できないな)

 時間がなくて準備ができなかったのかもしれないし、ここではなく後で仕掛ける予定なのかもしれない。いろんな考えを捨てずにいるが、そろそろ鈴木の頭はこんがらがってきている。


「とりあえず……」

 ベッド裏、トイレ、天井についている換気口の中と、思いつくだけのところを調べてみたが、罠や盗聴器などは見つからなかった。


「まあ、この部屋は安全とみてもいいんじゃないかな」

 天汰が探し疲れもあって、これ以上探したくなさそうに言う。


「いざとなれば俺の肩代わりがあるし」

「天汰がそういうなら」

 と、鈴木はベッドに腰掛ける。


「さしあたっては、次にすること、というか、本来ならこの世界に来たときに最初にしておくべきことをやってなかった」

「何、なんか忘れてたの?」


「つーか、本当は君に気付いてほしかったんだけどね」

「うーん、わからん」


「いいよ」

 鈴木はインフォンを取り出す。

「せっかくソーマと連絡が取れるんだ、天汰の装備品のこと、聞いておこう」


 向こうから連絡が入れたということは、こちら側からも連絡が飛ばせるということだ。

 鈴木はソーマにメッセージを送る。


『』


「はい送信」

「空メかよ!」

 天汰は叫ぶが、


「いやだって、ここの設備で通信傍受されるかもしれないし、もし送れなかった時のために内容をベラベラ書いてるやつを送るのはちょっとねぇ」

 なんて言うと、インフォンが震える。

「お、返ってきた」


『なんで文字が入ってないの? もしかして使い方が分からない感じのヤツ? バカでも君たちの世界の人間ならなんとなくで分かりそうなものだけど』


「お、コレ俺バカにされているヤツじゃね?」

 鈴木はピクリとこめかみに力が入る。


「あー、思えば最初にアイツの方からこっちのインフォンに連絡入れてるんだったよなあ、通信傍受とか、どうせその時にされてるかもしれないんだ」

 もしくは、何らかの対策をしているのかもしれないし、それは鈴木にはわからない。

 けど、鈴木は実は煽られると視野が狭くなるタイプだ。


「もういい、細かいこと考えるのも面倒になってきた。聞きたいことだけ聞く」

 天汰が聞いてわかるほど不機嫌な声だった。鈴木はインフォンの画面を乱暴に叩く。


『肩代わりのアーマーの詳細な効果を教えろ』


 送る。


「すーさんにとって、ソーマさんって苦手な相手?」

 何気なしに天汰は聞く。


「ああ、相当な」

 自覚している分だけマシなのだろうと鈴木は思う。

(こんな精神状態じゃアイツと騙し合いしても勝てそうな気がしない。もっと精神力を鍛えないかんか)

なんて思っているとインフォンが震える。


『ああ、ハイハイ。詳細な効果が分からなくて大胆な行動が取れないところだね。わかった、細かい説明をするよ。


 まず、基本的にそのアーマーはそうだねぇ、君らに分かりやすくいうなら「防御力」と「限界値」が設定されていてね防御力は分かりやすいと思うけど、そのアーマーの防御力以下の攻撃は全然効かないよ。拳銃で目玉を撃たれたとしても、弾は目にぶつかった時点で攻撃力を失う。まあ慣性は残るから仰け反ったりはするけどね。


 防御力以上の攻撃をくらうことで、「痛み」として超えた分のダメージが出る。痛みはあるけど、怪我なんかはしないね。


 次に、限界値だけど、防御力以上の攻撃で痛みのダメージをもらうといったけど、そのさらに上をゆく攻撃をもらった時、一時的にアーマーの防御性能がなくなっちゃうんだ。

 これは後でいう肩代わり機能も失われるね。


 ここまででわかってほしいことは

 1防御力以下の攻撃はノーペナルティーで受けられる。

 2限界値までの攻撃は痛みは出てくるけど、肉体的には何も問題はない。

 3限界値を超える攻撃をもらうとアーマーの機能が一時停止する。


 次に、肩代わり機能について、これは天汰くんの感覚になる部分が多いのだけれども、天汰くんが守ろう、守らなきゃと思う人物、物が負うダメージを天汰くんが引き受けるというもの。

 防御力、限界値は変わらないからその点は大丈夫。


 ただし、広範囲攻撃は同じ瞬間に同じ威力の攻撃を肩代わりした人数分同時に受けるので、簡単に防御力、限界値を超えてしまう。その点だけ注意。


 あと、そのアーマーは相手の攻撃力に対して効果を発するものだから、毒ガスだったり窒息だったりは流石に防げないね。

 ボクからアーマーについて言えるのはこれくらいだね、他に何か聞きたいことはある?』


「うわなっが!」

 おそらくは、前もってこの質問の答えを書いて保存していたのだろう。流石にこの文字数をあの一瞬で打つのは困難なはず。だからどうしたという訳でもないが。


「見して、うわ、ええとなになに、ああ、なるほどね。あ、これ何人まで肩代わりできるのとか書いてないし」

「多分何人でもいけるんだろう、お前が守りたいと思えるなら。あと、やっぱり物に対しても肩代わりは有効みたいだな。つーか、本来なら渡したときに全部説明するべきなんだが、あの飄々としたクソ野郎ほんとアホだな」

 鈴木のはもはやただの悪口だ。


「あとそれから聞くのはこの世界のことだ」


『この世界の情報を教えろ』


 鈴木は素早く打つとメッセージを送る。今度もまたすぐに返事が返ってくる。


『それはできない。ボクもできる限りのサポートはするけれど、こればっかりはルール違反だ。目的はちゃんと与えるからあとは頑張ってくれ』


「現に今サポートできてねぇじゃねーかぁ!」

 画面に向かって叫ぶ。


「すーさんうるさい」

「スマン」


「でもまあ、俺の防具について、必要な情報はそろったんじゃない?」

「そうだな、ぶっちゃけ俺らの武器は現状お前のアーマーだけだからな。防具なのに武器、意味ゎヵんなぃ」


「ニュアンスで伝わるかわセーフ」

「それより天汰、問題は山積みだがその中で今一番の問題がある。わかるか」


「うん、流石に俺でもわかるよ」

 この部屋には、ベッドが一つしかない。お互い野郎と一緒のベッドに寝る気なんて更々ない。


「……じゃんけんでいいか」

 鈴木の提案に天汰は頷く。


「ただし、一発勝負だよ」

「ふざけんな、三回勝負にしろ」


「それだと読み合いうまいすーさんの方が有利じゃん。出たとこ勝負の一発勝負、じゃなきゃガチ戦闘で決めてもいいんだけど?」

 天汰は指をポキポキならす。


「今回は一回勝負でいいだろう」

「俺が言うのもアレだけどさー、いや、いいんだけどね」

 何かもの言いたげだったが、諦めたようだ。


「じゃあ、いくよ」

 天汰の掛け声にタイミングを合わせる。


「「じゃーんけーんぽん!」」

 長かった一日が終わる。

新世界に来てから更新が遅くなってるけど、気にしたら負け

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