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異世界冒険記  作者: 九重九十九
新異世界編
48/69

新世界

お待たせしました。

一応、第二部的な、そんな感じです。

「天汰! 追ってきてるぞ!」

「んなことは分かってるよ! いいから足を動かせ! 俺でも守り切れんぞ!」

「うぉお!? いま顔の横掠めた! いま顔の横掠めたって!」

「いいから走れぇええええ!!」

 鈴木、天汰のバカ二人は、軍隊所属の迷彩服着きてライフル銃持った人たちに追いかけられていた。


 何故、こんなことになっているのかというと……


 ・ ・ ・


 数時間前。

「んあ」

 浜辺にて、海の音を聞きながら鈴木は砂浜で寝ていたようだと気が付く。


「おえ、なんか超絶気分悪い」

 二日酔いなんぞしたことないが、きっとこんな気分なのだろうと思いながらとりあえず周囲の確認をする。


「あ」

 鈴木の近くに、これまた気を失っているらしき天汰がうつぶせで寝ているのを発見する。


「おい、天汰、起きろ。髪にイタズラするぞ」

「それはマジでやめろ」

 声をかけると天汰はすぐに反応した。


「生きてたか」

「あー、何とかね。なんか気分悪い」

 天汰はげんなりとした表情で起き上がる。


「で、ここどこ?」

「知らん。海だな」

「うん、それは見ればわかる」

「そうか」


「……」

「……」


「いや、なんか言ってよ。考えるのはすーさんの仕事じゃん」

「僕はそんな仕事に就いた覚えはないんだが……ん、まあ、一応考えるとしたら、多分ここは異世界だろうなぁ」

 腕を組んで鈴木は言う。


「異世界? いや、それは分かってるよ。モンスターや『アルファリエンス』なんかと戦っていたんだからここが俺たちが元いた世界ではないことはわかってるよ」

「いや、その世界じゃないかもしれないって意味で、他の世界かもしれないって意味で異世界って言ったんだ」


「……? ごめん、理解が追い付かない」

 天汰は眉をよせて難しそうな顔になる。


「えっとね。今のところ分かっている世界ってのは、『元々俺たちがいた世界』に『クラリアがいた世界』、そしてジルさんやアイリスちゃんが住んでたファンタジーな感じの、ソーマ風に言えば『ソラの世界』の三つ。あ、あとさっきの『ヤバめの女の人がいた世界』も合わせると四つか」

「うん? あの女の人がいたのは、ファンタジー世界とはまた違う世界なの?」


「その辺も今から説明するね」

「うぃす」


 鈴木は再び説明を開始する。

「そもそも一番最初、俺たちがファンタジー世界に行くことになったのは天汰のせいだけど、その時は俺たち魔法陣を描いたよな」

「ああ、そういえばそうだったね。で、全員でうおおおおって言ってた」


「懐かしいな。で、さっきというか十何分か前か、ソーマさんが突然現れて俺らを馬車ごと瞬間移動、その後また魔法陣で移動って流れだったけど、覚えている?」

「瞬間移動だったのかアレ」


「たぶんね。ペルウィーンの国壁に沿って走ってたのに、一瞬気が遠くなった後には国壁なんてどこにも見えなくなってたもん。あれは多分瞬間移動だわ、ソーマさんの能力なのか魔法なのか怪しい道具使ってるのかそこは分からんがな」

 なんせ、本当に未知の相手なのだ。想像できない。


「瞬間移動が使えるなら最初からそれであのヤバそうな人のところに行けばよかったのにそうしなかった、これは何故か。多分だけどな、別世界に行くにはあの魔法陣を使わないといけないみたいな縛りがあるんだよ。だからソーマはわざわざ瞬間移動で魔法陣を前もって描いてあるところまで俺たちを移動させてから、魔法陣を発動させてあのヤバそうな女の人の世界に連れて行った。こう考えると矛盾点はなさそうな気がする」

「なるほど」


「で、あんなヤバめな人でも俺たちを移動させるときにあの魔法陣を俺ら個人個人の下に展開させた。魔法陣イコール異世界への切符の考えでもうまず間違いないと思う」

「ほうほう、難しいけどわかった。ソーマの瞬間移動と、魔法陣による移動はまた別物で違うわけだな。ソーマは同一世界内限定の瞬間移動だけど、魔法陣は世界を移動させられる。この認識でオッケー?」

「オーケイ」


「でも一つだけまだわからないことがあるんだが」

「なんだよたまには自分で考えろよ、答えるけどさ」


「スマンな、えっとさっきのヤバめの女性がさ、俺ら一人ひとりに小さな魔法陣を展開したじゃん。あれ、その前にソーマさんがやったみたいに大きな魔法陣で全員を納めればすむ話じゃない?」

「単純にあの女がバカだったんだろう。それか、個人個人で飛ばす世界が違うのかもしれないな」


 鈴木が言うと、


「ぴんぽーん。鈴木くんの言う通り、君たち以外の人はまた別の異世界にいるよ」


 そんな陽気な感じの声が聞こえた。

 聞き覚えのあるその声は

「ソーマか!」

 鈴木は警戒態勢に入る。


「あはは、そんなに身構えないでよ。第一、君ではボクには勝てないんだからさ」

 鈴木たちの六メートル先にニコニコとお面のような笑顔のソーマがいた。


「大和と黒石は無事なんだろうな」

「今はまだ誰も死んでないよ」

 ソーマは表情を変えずに答える。


「あ? お前のねーちゃんが運命いじって死ぬことはないようにしているんじゃないのか?」

「それは『ソラの世界』での話。他の世界では姉さんの影響力は薄いからね」


「テメェ!」

「まあまあ、落ち着いて。『ソラの世界』で君たちはレベルアップしてるんだから。滅多なことではやられないと思うよ」


「お前のねーちゃん、一体何が狙いなんだ!」

「うーん、それじゃあ君たちが無事にこの世界でやるべきことをやったら教えてあげるよ」

 ソーマは飄々と言う。


「やるべきこと?」

「うん。段階ごとに分けているからね、まず最初はこの島で『舞姫』を一人手に入れること」


「まいひめ?」

「あと通信機は返してもらったからね、その代わりにこれを使うといい」

 ハッとして鈴木は自分の耳を触る。いつの間にか通信機がなくなっていた。


 ソーマに目を戻すと、そこにはもうソーマの姿はなく、代わりに地面に二つの長方形の物が落ちていた。

「クソ、逃げられた」

「すーさん、それよりも残ってるアレを調べよう」


 天汰に促されてソーマがいたところにある二つの長方形の物に近付く。

「これは……」

「スマホ?」

 それぞれ手に取る。


 側面に電源ボタンと思われるものがあったので、長押しで電源を入れてみる。

 起動時にインフォンと画面に出た。


 メールが届いていることに気が付き、それを見てみる。

『それはインフォンというもので、君たちの世界でいう携帯電話やスマホみたいなものだよ。次からはこれで指示を送るからねー。

 さてさて、この島には一つの研究施設があってね、まずはそこに育っている女の子、『舞姫』を味方につけようか? それじゃ、健闘を祈るよ』

 といった内容のメールだった。


「研究施設に女の子ねぇ……」

 とりあえず鈴木は、天汰のほうのインフォンを借りて違いがないかを調べる。


「まあ、一緒か。ほい、サンキュー天汰。あとメールが一件入ってるから目を通しておくように」

 インフォンを天汰に返す。


(さてと、まず何からするべきか。ソーマのアホはもうこれ以上関わる気はないっぽいし、自力でなんとかしていかないといけないな。サバイバルするにしても、研究施設があるのならカメラや見回りがあるだろうから速攻で俺たちがいることがバレるし、うーん)

 鈴木が考えていると天汰が声をかけてくる。


「メールみたよ、どうする? その女の子にまずは会いに行く?」

 迷っていても時間だけが過ぎていくし、その女の子に接触しない限りソーマが関わってくることもないだろう。かなりハイリスクな選択肢だが、そうするしか道はない気がする。


「そうだな、とりあえずはその女の子のところに行ってみるか。案外かわいい子かもしれん」

 鈴木が言うと、

「だといいよな。俺、ファンタジーの世界が気に入ってたからここが別の世界だと知ってかなりショックだったんだよ、かわいい女の子でもいないとやってられん」

「お、そうだな(適当)」


 ここが島というのは先ほどの会話で分かっている。大きさはどんなものかはわからないがすくなくとも目に広がる砂浜にはないのは確実だ。


 とりあえず鈴木たちは島内部のジャングルへと足を踏み入れた。

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