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極光のアリスト ~やられたらやり返すが信条~  作者:


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23 因果応報

 靴磨きのジンは他の靴磨きの少年に聞いたらすぐ見つかった。


 いつも同じ場所に現れる40代の男。

 俺はそいつから情報を仕入れた。


 結果として雇ったならず者達は始末しきれていなかった。


「ずさんなことだな」


 俺は口元に笑みを刻んだ。


 ◆ ◆ ◆


 俺はまた男の姿で、先に脅迫の手紙を出して女を呼び出した。

 場所は森の中の打ち捨てられた古城。



「わ、私にこんなことして許されると思ってるの!?」


 フレデリカを陥れた侯爵令嬢ノーラは椅子に縛られて喚いて(わめいて)いる。


「ノーラ・レ・ヴェロスラフ、お前こそ無実の人に罪を被せて娼婦に落として許されると思うのか?」

「うっ」


 さて、お前の共犯者も呼ぶとするか。

 裏切られたならず者達の仲間が手を貸してくれフラメルを連れて来た。


「離せ! 俺を誰だと思ってる!?」

「うるせぇ! 裏切り者のクズ野郎が! 俺たちを使い捨ての駒にしやがって!」


 フラメルは縛られたまま虚勢をはっていた。

 この様子は魔道具で画録してる。


「離せ! 下郎!」


 ドカッ!!

 ならず者はイラッときてかつての雇用主のフラメルを蹴り飛ばした。


「ぐあっ!!」

「クラメル!」


「クラメル・レ・ヴェロスラフ、裁きの時だ。お前たちの罪を正直に言えよ、そうでないと耳にムカデを入れる」

「ひぃっ!」


 木の枝を削り、箸のような物を作ってムカデを掴んで耳の側に寄せた。

 カサカサと脚を動かすムカデを見てクラメルは悲鳴を上げた。


「そっちの女から攻めるか? おい、ならず者共、そっちの貴族令嬢をビビらせてやれ」

「きゃあ!!」


 侯爵令嬢はドレスのスカートを、捲り上げられた。白い太ももとガーターベルトが見える、そして下着も。


「ああ、裏切られた分、たっぷり仕返ししないとな。殺された兄弟が浮かばれねぇ」


 ならず者は舌なめずりをした。


「いや! やめて! やめなさい! 見ないで!」

「お前とフラメルが共謀して誰を陥れたか言えよ。でないと痛くされるぞ」


 ならず者が暖炉に火をくべて、熱く熱した火かき棒をゆらゆらとクラメルの顔の前で揺らす。

 クラメルは震えながら脂汗をかいている。その様子を見てノーラが叫んだ。



「ご、ごめんなさい! どうしても、どうしてもフラメルを渡したくなかったの!」

「誰に?」

「……」


 女は唇を噛んで黙ってる。


「おい、フラメル、お前もなんか喋れ、お前はこの女に乗り換える為に誰を罠に嵌めた?」

「く……っ!」

「言えや。このクズ野郎があ!」


 ならず者が激高してフラメルの太ももに熱した火かき棒を押し当てた。


 じゅっ!


「ぎゃああああ!」

「ぎゃあは人名じゃないんだよな、フルネームで答えろ」


 俺は冷静に突っ込んだ。


「フ、フレデリカに! フレデリカ・ヒールトン・ハーペレに!」


 フラメルは口を割った。


「お前らが嘘の申告でフレデリカを罠に嵌めたな?謝罪しろ」

「はい……申し訳、ありませんでした!」

「はい! ごめんなさい!」


「本当に酷い事をするもんだ」


 俺はフラメルの乱れたシャツの襟首からムカデを入れた。


「ぎゃあああっ!! 気持ち悪い! 取ってくれ! 虫は嫌いだ! ぅあっ! 背中で動く!」

「別れます! もう別れますから許して!」


「別れる? この男をどうしても他の女に渡したくなかったんだろ? それなら一緒に地獄に落ちろよ」

「なぁ、もうこの女、犯してもいいのか?」


「いやぁ!」

「お前らが最初に考えた案じゃないか、俺らに襲われるってよ」

「いや、嫌!」


「まぁ、ここまでにしとくか」

「え〜?」


 俺がそう言うとならず者達が拍子抜けした声を出した。


「こいつらの罪を公にするから、それからこの女を売女にして、はした金で買え」

「はした金? 俺らこいつらに仲間殺されたのに金払うのか?」

「はした金でやられる方が屈辱だろうが、貴族令嬢としては」


 俺は冷徹に言った。

 侯爵令嬢は青ざめている。


「俺らにどこの娼館に通えって?」

「お前らが暗黒街で運営すれば、その女で稼げるぞ」

「ギャハハ! あんた天才かよ!」

「いやぁーーっ!! 助けてクラメル!」


 だが、クラメルはムカデに噛まれて気絶していた。


 やがて魔道具の証拠により、この二人の共謀が公になり、フレデリカは無実と証明されて社交界は大騒ぎになった。噂好きの者たちの餌食だ。


 二人の実家は、著しく名誉を傷つけられ、二人を勘当し、助ける者はいなかった。


 それからしばらくして暗黒街に新しい娼婦の舘が生まれ、元侯爵令息は男娼にされ、元侯爵令嬢は娼婦として、はした金で体を売られることとなった。


 ◆ ◆ ◆


 タウンハウスから、領地に戻る為の馬車の中。

 俺はフレデリカと同じ馬車に乗った。



「てなわけでフレデレリカ、仇はとったからな」

「あ、ありがとうございます、あの二人の命まではとらないでくださって」


 フレデリカは本当に感謝していますと頭を下げた。


 ……果たして、それが二人にとって幸運だったかは不明だ。……もっと酷い生き地獄に落とされただけかもしれないのだが、それはもう、どうでもよかった。


 ───これでフレデリカの気が済んだなら……。



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― 新着の感想 ―
あ、コッチはそっちに堕ちたのか………自業自得的な考え方ならまぁそうなるか
ちょっと痛めつけるシーンは胸が痛みますね。物語的には必要なんでしょうけど、、恨みは簡単に消えないでしょうけど、、分かり合えることは無いのでしょうか、、
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