2.私は雨が嫌いだ
寝落ちしていたのか、椅子に座ったまま机に顔を伏せて寝ていた。
日が暮れた頃に、体を伸ばしながら、
「あ〜、寝てた……お腹空いた」
時計を見た後に、部屋を出て、リビングに行く。
スマホをいじっていたリオの母親らしき人に、リオが話しかける。
「ご飯」
スマホを机に置き、ソファーから立ち上がって、
「ご飯にしよっか……」
「じゃあ、お風呂入ってくる」
リオはご飯ができるまでの時間にお風呂に行き、シャワーを浴び、髪を乾かすと、約30分ほど経っていた。
リオがリビングに戻った頃には、テーブルにはスープ、サラダ、お米、牛乳が並んでいた。
リオは何も言わず、お盆をキッチンから取ってきて、食事を乗せて部屋に戻る。
机にお盆を乗せて椅子に座ると、机の側のラジオの電源を入れ、有線イヤホンを耳につける。
ラジオのダイヤルを回して電波を合わせると……
『……を反省義務違反で起訴されていた女性について、本日、実刑判決が言い渡されました。
……続いて速報です!
沿岸部にて魚の密猟が発覚。
被害数は三。容疑者は即日拘束されています。』
ラジオのニュースを聴き、リオがイラついた様子で、
「気持ち悪いニュースだな、ご飯食べようとしてる時にこんなのやるなよ」
食べたんだろうな……食べた?……気持ち悪いな、吐き気がする。
考えれば考えるほど、リオは食欲が失せていき、箸を置き、ラジオの電源を切る。
「ニュースなんて聞かなきゃよかった」
リオが疲れた声で言葉を紡ぎながら、疲れた表情で引き出しからライターとタバコの箱を取り出す。
窓から顔を出し、タバコを1本取り出し、ライターで火をつけて4分ほど吸い……
「ハァ〜」
ため息をつき、タバコをさっき飲んでいたウイスキーのグラスに入れて火を消す。
箸をまた持ち、ご飯を食べる。
全て食べ終わり、洗面所で歯を磨いた後、ベッドに転がっていたスマホとワイヤレスイヤホンを手に取り、イヤホンをつけてベッドに横になる。
部屋を暗くして、しばらくスマホを見た後、寝落ちした。
次の日……
リオは目を擦りながら、ベッドから起き上がり、すぐに何の変哲もない石ころを持つ。
膝をついて目を瞑り、10秒ほど石を握りしめた。
その後、何事もなかったようにベッドに座り、スマホをいじる。
数分して、ベッドから立ち上がって昨日の夜ご飯の食器を乗せたお盆を持ち、キッチンに洗い物を置く。
冷蔵庫から昨日買ったプリンを取り出して、キッチンで立って食べる……
空の容器を捨てて、リビングに行く……
リビングは電気がついておらず、もちろん誰もいなかった。
「まだ、起きてないのか」
そう独り言を呟いた。
おそらくリオの母親がまだ起きていないと言っているのだろう。
リオはなんとなくカーテンを開けると、部屋に日光が差し込み、一気に明るくなる。
リオはソファーになんとなく座り、手をグー、パーと開いたり閉じたりすると……大画面のバーチャルスクリーンが目の前に現れた。
リオが指を曲げたりすると、映像と音声が流れた。
キャスター「魚密猟者逮捕の容疑で、
39歳、住所不定のセレン容疑者が昨日逮捕されました。
この非常に残酷で冒涜的な事件についてどう思いますか?」
コメンテーター「ここ最近であった事件の中でも、最も常識が欠如した事件ですね。
犯行後、食べたという行為も考えられないほど非道な行為ですね」
それを聴いてリオは……
「昨日のやつか……ハァ、本当最近は物騒だな、本当にこんな立て続けに毎日事件なんて」
リオは独り言を呟いた。
リオがすぐにニュースを見て飽きたのか、手をまたグー、パーとすると、すぐにバーチャルモニターが消えた。
それからリオがスマホをしばらくいじっていると、空が曇り、部屋の中は暗くなる。
外は今にも雨が降りそうな天気だ。
リオはスマホにも飽きて、外を見ていると、雨が降り始めた。




