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感情相場  作者: ソウガク
18/19

18.私の他者

私の精神。

 それは絶対でなければならない。


 私は押し付けてしまう、理解してしまう。

 他者は内的なものとなってしまう。


 「なぜ、お前は他者であれる?」

 「お前の理解では俺は、お前の他ではない。お前の精神に含まれているが、内的にお前の精神を崩せるだけ。正確には、勝手にお前が絶対を崩しているだけ」

 「じゃあ、お前も私の他者ということ、なんだね」


 私が何かを思う、その瞬間に相手に押し付けている。

 嫌なんだ、私はそれが。でも、それも相手に押し付けていることをわかってる。

 なら、私はどうすればいいの?


 「あなたは私になればいい、元々私の一部なのだから。そうすれば、あなたは私の存在になる」

 「嫌だ、私はお前とは違う、私は押し付けたくない」


 私は他者を見る、アリアとは違う。


 「では、あなたは本当に他者を見ている? あなたが見ているのは自己ではないですか?」


 また、私の精神にアリアの声が響いてくる。

 本当に辛い。私自身もまた、他者に押し付けられている。


 「あなたに他者なんて、いるんですか? それは自己に現れた他者であって、他者と呼べるのですか?」


 うるさいんだ。


 「また、押し付けてるな、うるさいと」


 あぁ、辛い。


 「また、押し付けてるな」

 「あなたに他者なんて、いるんですか?」

 「また、押し付けてるな」

 「あなたに他者なんて、いるんですか?」

 「また、押し付けてるな」

 「あなたに他者なんて、いるんですか?」


 ……


 無限に反復してくる。

 あぁ、違う、もっと反復してくる。


 「私は決して嘘でもふざけているわけでもないです」

 「カッコつけですね」

 「……わからないよ……アリア」

 「その機械って、人の形してますよね」

 「気持ち悪い」

 「素晴らしい世界」

 「可哀想」

 「みんな、一緒」


 ……


 あぁ、全ての言葉が反復して、私の精神で無限に増殖している。


 「本当に気持ち悪い」

 「本当に気持ち悪い」

 「本当に気持ち悪い」


 ……


 これもか、また反復してる。

 これもか、また反復してる。

 これもか、また反復してる。


 ……


 やめて、もう、やめて、もう、お願いだから

 やめて、もう、やめて、もう、お願いだから

 やめて、もう、やめて、もう、お願いだから


 ……


 「お前の精神は崩れていってる。これもまた反復する、反復もまた反復する、その反復もまた……全てお前が嫌いな、ハートになる」


 アルディを見た。アルディが後ろに無限に連なっている。

 後退していく。

 アリアが見えた、無限に参照されていく。

 私を見た。

 私を見た。

 私を見た。

 再帰していく。

 枠組みとなってしまう。


 他者が見えた。

 再帰した、参照した、後退した。

 私は他者へ押し付けている、枠組みという形で。私は再帰してはいけない、なのに再帰する。


 「押し付けたくない」

 「押し付けたくない」

 「押し付けたくない」


 ……


 押し付けてしまっている、終わらない、解決できない。

 どうすればいい? 私はどう逃げれば良い?


 「私になれば、良いんですよ」

 「お前も俺の対象に含まれろ」

 「嫌だ!」

 「あなたですよ、私たちに求めたのは」

 「やめて、もう、消えて、お願いだから」


 なんで、なの、なんで、お前らは私の精神の中で他者になれる?

 私の一部のはず、なのに、私と違う。


 「違わない、お前の精神がさらに包摂してる」

 「そうですよ、私たちはあなたの一部であって、あなたを超えているわけではない」


 『物語をやめる』


 「やめられない、それはお前の中で反復する」


 物語をやめる

 物語をやめる

 物語をやめる


 ……


 「あなたは壊れてきた、私になりましょうよ」


 私が立っている。

 人の形をした私自身が、立っている。

 何もない場所に、私を見ている私も私。

 全てを観測している自分自身が成立条件。

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