攻略しよう
そろそろ学期、四半期開けですね。来学年、来期の目標は皆さん決まっているでしょうか。僕は…
先生は先ほど死にかけたが、何事もなかったかのように話をつづけた。
「いいですか、皆さん。このようにバニル君はこの学校で相当の実力者なんです。なのでA組にも勝てるかもしれません。」
「それはわかるんですが、バニル君みたいな子がA組にごろごろいると考えるとやっぱり勝てないような気がするんですけど。」
それもそうだ。僕のようにできる人だっているだろう。もちろん自分の力がこの学年で一番であると思うが、彼らが一番になるために努力して、僕を超えているかもしれないし、たとえ僕が一番であろうと、このクラスの他の子はAクラスより下であるだろう。
「確かに皆さんの悩みは当然です。人によってはバニル君の20倍以上力の差がある人もいるでしょう。しかし、、Aクラスの生徒についてあまり知らないですが、バニル君は規格外であり、この学年では一番、この学校全体で見ても5本の指に入ると思ってください。つまり、皆さんがバニル君をサポートし、バニル君中心の隊形を組めば勝てると思います。」
「じゃあ、僕らはバニルを助けるだけで邪魔しないよう傍観すればいいだけなのかよ。」
ユージ君は先生の言葉に突っかかる。
「いや、そういうことではありません。皆さんは助けるのです。すべてバニル君に任せるのもありでしょう。しかし、Aクラスの人はそんな甘くありません。」
「じゃあ、どうしろっていうんですか。」
「いいですか。AクラスにもBクラスの皆さんで勝てる人がいます。たとえ勝てなくても、一対一でなく一対二や一対三であれば勝てる相手はいるでしょう。皆さんは、バニル君が上級魔法を使える生徒を相手にしながら、他の人を生徒を相手にできると思いますか。」
「できるかもしれませんよ。だって、先生をあそこまですごい魔法で倒したんですから。」
そういうのは、アルマル君である。確かに、この学校の先生は100%ここの国立中学の上位成績者であり、国立高等学校にも進学している。そんな先生を僕は倒してしまったからみんなもそう思っているのだろう。ただ、
「私は難しいと思います。でも、もし仮に勝てるとしましょう。しかし、みんなそんなのでいいのですか。今後の成長はありますか。バニル君のスケジュールを知っている人もいると思いますが、バニル君はこのペースだと今年度か来年度初頭には卒業試験を受けれます。皆さん知らないと思いますが、卒業資格のない生徒は一年に一回は模擬戦をしなければなりません。多分来年の模擬戦はバニル君なしの同じメンバーで戦いますが、皆さんそんな中でAクラスに勝てますか。」
「先生、聞きたいんですけど負けたらどうなるんですか。」
「もちろんほとんどのBクラスは負けます。しかし、負け方によっては君たちの将来に傷がつくかもしれません。なのに、バニル君にすべてをまかせ、すべての手柄を与えていいのですか。」
もちろん、僕がたとえすべてやっても勝てないだろう。Aクラスだって僕を止めるために作戦を組んでくるはずだ。だから、すべて任せる判決をしたら、僕は生徒みんなを説得するだろう。
「先生の言いたいことは分かりました。で、今から僕らは具体的に何をすればいいんですか。」
「それは先生は口出しできません。みんなで作戦を組み、みんなで攻略するのがこの授業の目的であり、先生は体術であったりアドバイスをするだけです。まずは模擬戦のリーダーをきめて、作戦を考えてください。」
そういって先生はすべてを生徒に丸投げ、言い方を変えると任せた。
まあ、みんなは僕のほうを向いてくる。そりゃそうだろう。このクラスの一番の実力者だと自分でも思うし、学術委員長でもあるから、僕はクラスのリーダー的なポジションに近い。そうなると僕がすべての作戦をまとめるのも必然的になるだろう。
「みんな。まずリーダーを決めたいんだけど、誰かやりたい人はいる?」
「バニル、お前でいいだろ。」
ユージ君がそういうと、みんな同調した。ユージ君は先ほどの対決で負けたからか、やけに僕を押すようになった。やはり彼は貴族。自分で言うのもなんだが、力あるものの者の下につきたいのだろう。
「じゃあ、僕がリーダーであるのが嫌だという人は手を挙げて。」
そういうとみんな周りを見た。みんな僕に新任決を採る。
「ということで、僕がリーダーをやるわけだけど、みんなに一つだけ言いたい。僕だけじゃ100%勝てない。Aクラスは上級魔法が使える人が4人もいる。僕は多分彼らの対応で精いっぱいだ。なのでみんなには他の生徒を何とかしてもらいたいんだ。」
「で、俺らはどうすればいいんだ。」
「そう、まず5人組を作ってほしい。多分30人クラスだから、一つ4人組ができるだろうけどみんなで話し合って作ってほしい。で、5人組の中には絶対治癒と防壁バイタリティが使える人を入れて作って。」
僕がそういうとみんな作り始めた。僕は授業に出ていて気付かなかったが、グループができていて、そこから条件とした治癒と防壁のバイタリティの人が組み込まれるように交換していった。
「みんな組み終わった。で、ここからの予定なんだけど、まず組の中から隊長を一人選出してほしい。で、僕はそのあと隊長に指示するから、みんな納得できる人を選んでほしい。」
「隊長を選ぶ基準なんかあるか」
「まあ、その人の命令に従えるのが前提だけど、できれば機転が利きそうな人だね。」
「わかった。よしきめるぞ。」
ユージ君の掛け声でみんなが決め始めた。みんなが決めている間に気になるグループを紹介したい。
まずはユージ君のいるグループだ。五人組で男3女2の男女比がちょうどいい組だ。僕はその中でも、アリエスという侯爵家の三女が気になる。彼女は僕と同じく攻撃バイタリティを持っていないがBクラスにいる人物だ。侯爵ということからかもしれないが、たぶん攻撃バイタリティも僕と同じくある程度は使えるのであろう。
次に紹介するのがシアのいるグループだ。全員女の子のグループだが、5人中3人ダブルの適性を持つスーパー軍団だ。特にその中でもメルというナイト家の下級貴族長女だ。僕もあまり知らないが、効いた話では、父はもともと雑用的な戦士だったが、ある時素晴らしい戦略を進言し勝利に導いたとかでナイトの家になったらしい。彼女もその戦略を組み立てれる能力があると聞いた。
そしてほかに気になったのは、アルマル君がいるグループとアーニャという伯爵家長女のいるグループだ。アルマル君のグループは、彼がいるというのもあるが、全体的にバランスの良いので気になった。全バイタリティがそろい、攻撃バイタリティも全員中級までは使えるらしいと、先生からリーダーとしてもらった生徒調査書には書いてあった。そしてアーニャという貴族のいるグループは唯一の四人グループである。そして彼女アーニャはこのクラス唯一の4属性持ちで、治癒、防壁の他に炎と力のバイタリティもちだ。
「おいバニル。全グループ隊長決め終わったぞ。」
僕がグループの考察をしているといつの間にか終わっていた。
「よし、じゃあ、体調のみんな集まって。これから今後のスケジュールと作戦を伝えます。




