先生の強さは
明日は共通テスト。受験生諸君頑張れよ!!
ユージ君との戦闘から一週間が経過した。僕はあの後、取れるだけの単位をとるために授業を調べておとといから授業を受けている。一応、全単位が取れたら今年中に卒業試験が受けられる。
「バニル、遅いぞ。」
今日は初めての技術魔法Aの授業だ。担当は担任のガリア先生だ。少し遅れてしまったのでユージ君に怒られた。元から荒っぽく見えるし、今回は僕が100%悪い。
「よし、全員揃いましたね。では、まずはバニル君と私が魔法で撃ち合って対決します。模擬魔法対抗戦と思ってバニル君は戦ってください。」
始まると同時に急に指名されてしまった。まあ、先生もこの授業で僕の力を見せるといってきたしここは乗るしかない。
「わかりました。」
「一応、どんな攻撃魔法を使ってもいいですが、地形を変えるような極級魔法などは禁止ですよ。もちろん先生もです。それだけ守ってくれれば本気で戦ってください。」
「はい。」
「それと皆さんはバニル君や私の対戦を見てもらいますが、一番見てほしいのは駆け引きです。バニル君がどれほど対人で魔法を使ったかはわかりませんが、皆さんよりはあるはずです。バニル君は多分みんなの使えないような魔法も使ってくるでしょうが、くれぐれも魔法ばかりに目がいかないように学んでください。いいですか。」
「「はい。」」
確かに魔法はすごい魔法を使えるのがいいが、戦いは人であったり、魔獣であったりする。そんな中で戦い方を知らずに、高難易度の魔法を打つためにそれを打つことばかり考えては負けるであろう。まあ、本当にやばい魔法は別だが。
「ではバニル君、どうしますか。勝利方法とか。」
「一応防壁の魔法が使えるので、先生が攻撃を始めたらスタートで行きたいと思います。それで、試合の結果はギブアップを宣言したらでいいんじゃないですか。」
「わかりました。それで行きましょう。ただ、あなたが命にかかわるような魔法をできるだけ打たないようにはしますが、もし攻撃が来て防御できない場合これを使ってください。」
先生がそういって渡してきたのはブレスレットに再度ボタンがついた、まるでスマートウォッチのようなものであった。
「先生、これは何ですか。」
「転移ブレスレットです。模擬戦などでも使うもしもの時の道具です。大規模攻撃などされたら一応安置まで自動転移してくれます。たまに自動で転移しないので、やばそうだったらブレスレットにバイタリティを流してください。」
「わかりました。もしもの時は使ってみます。」
「もしもの時で使うのは私かもしれないですがね。」
先生はそういって自分にもブレスレットを持った。これで準備は整った。
「皆さんは戦いの一瞬でも見逃さないようにしてください。」
「はい。」
「ではバニル君、模擬戦を始めますが準備はいいですか。」
「大丈夫です。」
「それでは攻撃するので耐えてください。」
言い終えると、先生は大きく息を吸った。今回は本気でやらないと負けるかもしれないので、僕も気合を入れる。
「ファイヤー」
先生はそう唱えて僕の方に初級魔法をうってきた。どういう意図で初級魔法かは分からないが僕も初級の防御魔法で守る。
「プチバリア」
僕がそう唱えるとバリアとファイヤーがぶつかり合った。威力は互角なはずだ。初級魔法だったらたくさん練習したので中級に近いくらいの防御ができる。しかし、
「っえ。」
バリアが破られた。理由はすぐにわかる。二重詠唱だ。僕も原理は分からないが、声に出すと威力が上がるので僕らは魔法を使うとき声を出して詠唱する。ただ、もちろん心の中で詠唱することも可能だ。それを先生は二重で行ったのだ。もちろん心と体で行っていることは違うため、難しいということがある。この国でも30人~100人くらいしかできないと僕は思っている。それを先生が行ったのだ。只者じゃない。
「リーインフォース」
すぐに身体強化で攻撃を避ける。もちろん防御魔法を使うのもいいが先生はそれも見越していると思って魔法をよけることをした。案の定、二重で出した魔法の後ろ側に上級の水魔法を仕掛けていた。いきなりこんなことするとは、先生としてどうかとも思う。
「おお、よけたか。」
「ええ。こっちもいきますよ。エクスプロージョン」
上級魔法であるがただの上級魔法ではない。後ろにはハイウィンドを隠した。実は僕も二重で魔法を使えるのだ。この学校でも多くないから先生も油断しているだろう。
「ダイヤモンドダスト」
僕の攻撃に対抗したのは、水と温度魔法を複合した上級魔法だ。こういうのを複合魔法といい、難しくはないが二つ同時に発動させるため片方がミスると威力が十分の一にまで下がる。しかし、先生のは全くぶれもなく発動した。もちろん僕の二重魔法は消えてしまった。
「まさか、二重魔法を使うとはね。じゃあ、きめに行くよ。」
先生は攻撃のやり取りをしながら宣言する。
「僕も決めに行きたいと思います。」
そういって僕は魔法を発動させようとした。もちろん魔法はジークとの対戦で使ったものだ。だが、少し違う。
「ボルケーノ」
「ウォーターフォール」
先生が出した魔法は多分上級より一個上の超級魔法だろう。超級魔法同士がぶつかり合った。威力は互角のように見える。どちらかというと、先生の超級魔法らしきもののほうが精度がいい。だが、
「うそ。」
先生は驚くような声を出した。水がマグマを貫いたのだ。理由は簡単。ウォーターフォールに複合魔法として雷の魔法を追加した。それにより、電気と電気による磁場の発生から得るクーロン力により、ウォーターフォールは通常以上の火力が出ていた。
魔法が貫き先生の方へ向かうが、先生はとっさにブレスレットのボタンを押した。すると本当に消えて魔法は後方のバックヤードに向かった。
ドーン
大きな音が響く。そしてみると、バックヤードの壁が破壊されていた。幸い貸し切りだったのでけが人はいないだろう。
「なんだよあれ。あれが上級魔法なのか。」
「僕ら中級魔法使えるけど、中級魔法の10倍以上の威力があることない。」
「私、Aクラスの上級魔法を使った子見たけど、その子の物より何倍も威力があるよ。」
「えっ、てことはあいつ超級魔法使ったのか。でもあって、この学校でも2,3人しか使えないんじゃなかったか。」
「それよりも先生は大丈夫なの。」
「うう。先生は大丈夫ですよ。」
先生はクラスメイトの後ろから声を出した。何とかブレスレットは作動したようだ。まあ、けがはないようでよかった。しかし、こりゃやりすぎたかもしれない。
「ちょっと、バニル君。君超級魔法使えるんですか。余裕ぶってる私が恥ずかしいですよ。」
「すいません。つい最近使えるようになったんですよ。」
「えっ、てことはオリジナルの超級魔法を開発したっていうのは本当にバニル君でしたか。噂にはなってましたが本当であったとは。」
たしかにこの一週間噂により僕も知らない生徒から真実を聞かれた。まあ、毎回『どうだろうね』とかいってごまかしてたけど。
「まあ、ともかく皆さん。バニル君の実力は相当であることが分かりましたよね。この戦いの具体的なポイントは何だと思いますか、ユージ君。」
「えー、、そんなのは簡単ですよ。先生の攻撃の威力が弱かったから先生は負けた。それだけじゃないんですか。」
「うーん、まあ間違ってはいません。しかし、この試合の本質はそこではなく戦略的な話です。ではアルマル君はどうですか。」
「ええっと、先生は攻撃魔法を中心に使うのである程度バニル君に読まれますが、バニル君はたくさんの魔法が作れるので読みずらい。そして、高難易度の魔法ばかり使ったのでリキャストに先生は時間がかかったので、隙も生まれた。一方バニル君は、受け手だったのでやり方はいろいろある。そういうところから劣勢になったのかと思います。」
「うーん、まあ合格でしょうか。もちろん威力が最終的に弱かったのもありますが、私はもっと優勢な状況下で攻めるべきだったのに、自分の力に過信してこう負けてしまったのが反省点です。アルマル君の回答はとても的を得ていましたよ。」
確かにアルマル君の分析は僕からしたら100点だ。というより、150点だ。他人の分析は僕も得意だが、自分の分析はあまり得意でない僕にとって彼の違憲はとても参考になった。
「というわけで、バニル君の紹介は終わりにしてここから実習に入ります。」




