帰宅
「では、帰ろうと思います。お世話になりました。」
ご飯を食べ終わり、支度を終えて帰ることにした。まあ、ずっとここにいるのは少し居心地が悪いからである。
「そうか。いや、こちらも世話になった。そうそう、今回の謝礼にこれを渡すぞ。」
ラジルさんはそういって大きな袋を渡した。両手で抱えてやっと持てるものだ。重さは10キロ近くあるであろう。
「これは何ですか。」
「これか?大体400ウルはあると思うぞ。」
大金!!400ウルは大体日本円にすると1億8000万円だ。この世界は発展があんまりしてないからほとんどの人はこの金額を一生かけて稼ぐ金額だ。
「こんな大金、7歳の僕が貰うのはいいのでしょうか。」
「そう遠慮するな。これで学校に行く授業料とか、寮もいい部屋を借りれるだろう。」
授業料は高くはない。平均で卒業するまでに1ウルかかるかかからないかくらいだ。しかし、寮の値段は違う。国立中学は寮とご飯は別にかかる。寮には10段階くらいあって、一番安い寮だと5人部屋とか大人数で一部屋を囲むのだ。まあ、一番高い部屋だと1年で100ウル近くかかる。
「まあ、遠慮するな。これで貸し借りなしってことでな。」
「わかりました。いただきます。お世話になりました。」
そうお礼を言って、ニコラス邸を出た。外に行くとオリアさんとジークさんが待っていた。馬車もピカピカに磨かれている。
「バニル様、馬車の用意は完了しました。」
「うん、ありがとうございます。」
ジークさんにお礼を言って馬車に向かう。
「オリアさん、お世話になりました。」
「いえ、こちらこそダグラス様とユリア様のご救出ありがとうございました。」
社交辞令を終えて、馬車に乗った。馬車の中も清潔になり、床の絨毯もピカピカになっていた。さすがはお金持ちの貴族、謝礼もすごいがお客をしっかりもてなしてくれる。
「バニル様、よろしいですか。」
「はい、大丈夫ですよ。」
僕がそういうと馬車は走り出した。やっと家に帰れる。アリスに怒られるのだろうか。
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数時間してハップンベル領に戻ってきた。まあ、いつもと変わらない街の風景だ。まあ、豪華な馬車が走っていることから町の人は興味津々に見ている。
「バニル様、家に着きました。」
「わかりました。」
そういわれ、馬車を下りる。その時だった。
「お兄ちゃん、よかった。」
アリスが泣きついて僕のおなかへ飛び乗った。それよりアリスが僕のことをお兄ちゃんと呼ぶとはびっくりだ。いままで『バニル』と呼んでいたのだから。
「アリス、どうして泣いているの。」
「…っウ。」
僕は理由を尋ねたが泣いていて話せないようであった。
「手紙をニコラス卿からもらってね、アリスに『貴族のおうちにいて帰れない』って言ったら、貴族につかまったって勘違いしてね。面白いからそのまま放置してたの。」
「お母様のその冗談でアリスが僕の話を聞いてないよ。」
アリスはまだ僕たちの話を聞こえてないようだ。
「アリス、聞こえる?ア!リ!ス!」
「っわあ。お兄ちゃん、何??」
「だから、僕は貴族のおうちにお邪魔しただけで何もされてないよ。逆にお礼をされたくらいだ。」
そういうとアリスはボケーとしてた。
「えっ、そうだったの。じゃあ、どうして帰ってこなかったの。」
「だから貴族のおうちにお邪m」
「だったら、どうして断らなかったの!!」
「えっ、、それは僕たちよりも高貴な貴族で断れなくてね、だから、、、」
アリスは泣いていたのと反対に怒っていた。アリスは僕がどうして貴族の誘いを断らなかったのか聞いているようだ。
「じゃあ、アリスよりも貴族のほうが優先なの?」
「アリスや家族を守るために貴族の人といたんだよ。わかってくれる。」
「だめ、約束を守らなかった。」
アリスは僕の話を聞いてくれない。やはり貴族を優先したことに怒っているらしい。といっても、アリスは小さいからまだ僕の苦悩をわかってくれない。
「アリス。その辺にしなさい。バルちゃんが困ってるでしょ。」
「でもでも、、、」
「アリス、わかった。」
「う、ん。でも、約束は守ってね。」
アリスは僕にそういった。約束は多分一緒に寝ることであろう。
「もちろん守るぞ。しっかりとな。」
そういってアリスは落ち着いた。まだ幼いからなだめるのが大変であった。
1ウル45万円
1イル5000円
1アル10円




