お米??
お風呂を出て部屋に向かう途中ダグラス君が僕が貸してもらっている部屋の前にいた。
「バニル君、今日は助かったよ。」
「僕もたまたまあそこにいただけですよ。無事で何よりです。」
「そうなの。…それで折り入ってのお話があるんだよ。」
ダグラス君はそういうと真剣な顔をした。重要な話なのであるだろう。
「まあ、詳しいことは学園で話したいんだけど、学校で妹が貴族派に狙われるかもしれないんだ。でね、妹は貴族科に行く予定じゃないか。貴族科と魔法科の自由自習科目はほぼ同じでしょ。」
基本的な授業はクラスで行うが、国立学校では特別カリキュラムとして3講座分の自由に選ぶ科目がある。学科によって選べる科目は違うが、貴族科と魔法科はほぼ一緒なのらしい。
貴族科は、貴族の礼儀作法や政治学のほかに、戦術を考えたりもする。とにかく貴族科のカリキュラムは、いろいろなことを学ぶのだ。
「それでね、君と同じ学科に妹をいかせて守ってもらいたいんだよ。」
「言いたいことはわかりましたが、ユリアさんが僕と同じ学科でいいのですか。それにダグラス君が一緒にいたほうがいいのでは。確か剣術科も貴族科と大して特別カリキュラムに差がないような気がしますが。」
「妹は君と同じ学科でいいというはずだよ。あと、確かに僕は剣術科で貴族科と選べる科目はほぼ一緒だよ。しかし、僕はいろいろやらなければいけないことがあるんだよ。お願いを聞いてくれる?」
ダグラスはそういって質問してきた。正直怪しい。剣術科のダグラス君でも面倒見れるのに僕にお願いしてきたのだ。それに、ユリアさんに僕と同じ授業を選ばせるのはどうなのかとも思う。しかし、こっちは子爵の身分。断る理由もないし、何か裏があるなら突き詰めるだけだ。
「わかりました。やりましょう。」
「そうかい。それなら、護衛をしやすいようこちらも手配するから。それとバニル君。僕たちは友達なんだからもっとフラットに話そう。」
「わかったよ。」
「では、よろしくね。」
彼はそういって手を振り部屋に戻った。僕も部屋に戻る。
「はあ。なんか面倒なことになりそうだ。」
僕はそういってベッドについた。
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「うーん。」
目が覚めると窓が明るかった。あの後すぐに寝てしまったらしい。しかし、もう朝になってしまったか。
「バニル様、よろしいでしょうか。」
目を覚ましてすぐドアから呼び声が聞こえた。」
「はい、どうぞ。」
ドアを開けるといたのはオリアさんであった。
「バニル様、朝ご飯ができました。」
「わかりました。今向かいます。」
そういって、昨日のダイニングに向かった。
向かうとやはり僕が最後であったらしい。メイドのジークさんももう席についているようであった。
「すいません、今日も遅れてしまって。」
「何、私らも今着いたところだ。」
ラジルさんは僕の非礼を許した。僕が座るとすぐに食事が運ばれる。昨日の夜の食事もすごかったが、今日の食事もまたおいしそうだ。僕が食べたこともない食材でいっぱいである。
「そうそう、バニル君は今日家に帰るのか。」
「そうですね。朝食をいただき次第帰ろうかと思います。」
「そうか。まあ、学校では二人と仲良くしてくれ。」
ラジルさんはそういって食事を始めた。僕も食事にありつく。やはり昨日と同じくうまい。おいしいのだが後味に残る上品さ。食欲をすするうまみが出てくるのだ。なにより、今日並べられた中でびっくりしたのは。
「これは、久しぶりだ。」
僕が見たのはお米であった。主食はパンしかないと思っていたがお米もあるらしい。もちろん日本米のような見た目ではなく、見た目はタイ米だ。だが食べてみるとお米だ。それもとてもおいしい。久しぶりに食べたからかもしれないが、コシヒカリ南魚沼産の高級米のように感じる。
「バニルさん。トエルが好きなんですか。」
僕が食べるとユリアさんが声をかける。好きかと言われるとわからない。ただ、久しぶりに食べて感動しているのだ。
「これはトエルっていうんですか。」
「そうですよ。この国では作られていないものですからね。この貿易街でしか食べれないものですよ。」
ユリアさんはトエルのついてしっかり教えてくれた。お米はこの世界線にはないと思ったが、この国が作ってないだけであるらしい。やはり、世界は広いと思った。




