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おもてなし

 話が終わると、用意してもらった部屋に行った。部屋といっても一人で使うには大きな部屋だ。まるで落ち着かない。とにかくご飯に呼ばれるまでは寝ておこう。さすがに疲れたしな。



「バニル様、入ってもよろしいですか。バニル様、」


 どこからか声が聞こえる。何と寝てしまったようだ。


「はいっていいですよ。」

「失礼いたします。」


 入ってきたのはオリアさんであった。しっかり入室を確認するあたりが素晴らしい。


「お休みのところ申し訳ございません。お食事の用意ができましたが、いかがいたしましょう。」

「わかりました。いただきます。」


 そうオリアさんに伝え、夕食を食べるためダイニングに向かった。

 ダイニングに行くと全員が席に座っていた。僕が遅れてしまったらしい。


「すいません、遅れました。」

「なに、待ってはおらん。席に座りたまえ。」


 そういって席に着くと食事が運ばれてきた。食事はどれも豪華なもので、食器から高そうである。隣で一緒に食事をするジークさんは高級な料理に驚いていた。


「さあ、召し上がってくれ。」


 ラジルさんに催促されて、いただくことにした。味はとてもおいしい。肉は柔らかく、野菜は素材の味を引き出している。主食として出されるパンはふんわりとしている。カリンの作るご飯もおいしいが、この食事も違った意味でおいしい。


「どうかね、うちの腕利きに作らせた料理は。」

「とてもおいしいです。特にこのスープのうまみはすごいですね。」

「おお、わかるか。このうまみを感じれるとは、大人であるな。」


 うまみがわかるというのは本当だ。子供であるがうまみを感じることができる。下の発達が早いからであろうか。


「バニル君、このステーキはおいしいよ。貴重なモウスの肉ですからね。」


 ダグラス君に言われ食べてみる。味は牛とも違い豚とも違う。ただ、このおいしさはとても分かる。柔らかさもあり、肉の臭みなどもない。舌触りもよくおいしいとしか言いようがない。

 隣で食べているジークさんもおいしそうに食べている。これは絶品中の絶品だ。


「しかし、バニル君。君は剣も使えるのかね。」

「はい。メイドのエリカさんにならっています。」

「エリカ…、あの10大剣豪の一人エリカ殿にならっているのか。」

「じゅうだいけんごう??」


 確かにエリカさんは強く底が見えないが、うちで雇っているただのメイドであると思うが。


「バニル様、エリカさんは昔剣豪として名をはせていたのです。」

「ほお、やはりあのエリカ殿であるのか。そんなすごい人にならっているとはな。」

「本当です。今度手合わせしたいものですよ。」


 ダグラス君も興味を示す。僕と戦っても、たぶん僕ではダグラス君を倒せないであろう。まあ、戦ったことがないからわからない。


「しかし、剣もでき魔法もできるとはな。」

「バニルさんはおつよいのですね。」


 そういうユリアさん。強いかはまだわからない。井の中の蛙大海を知らずだ。


「それより気になったのですが、奥様はどこにいらっしゃるのですか。」

「ああ、私の妻についてか。妻は、カルム王国に行っている。明後日くらいには帰ってくるはずだ。すまんな、顔を見せられんくてな。」

「そんなことございません。しかし、この国は景気がいいのですね。」


 市民全員が明るく、経済的な街だ。景気がいいちうのが正しい表現である。


「そうだな。この町の税収は関税のみで賄っている。税の一部では、バイタリティの変換器の研究資金も出資しているから、とても栄えた街なのだ。」


 この町のことを話しているとあっという間にご飯を平らげてしまった。おいしい料理であった。


「バニル君、食べ終わったのだろうか。風呂が沸いている。入ってくるといい。」

「いいのですか、先に入らしていただいて。」

「ああ。客人用の風呂だ。自由に使ってくれ。」


 ご飯を食べ終わると、入浴を進めてくれる。しっかりともてなされていて、気分がいいものだ。


 お風呂は客人用がある。さすがはお金持ちの領である。しかも服を脱いで入ってみるととても大きな風呂であった。眺めも良く、外からは街の全貌が見えた。


「はあ、いい湯だな。」


 こうしていると何もしたくなくなる。何も考えたくない。しかし、明日、アリスにどう謝ろうか。

【次回】

※投稿は1年後に一気に行います。

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