試験④~エイリー~
エリックは使える上級魔法は、炎と風系だけだった。水と雷は中級魔法であった。ほかの生徒はというとリサーチ通り、使えて中級、ほとんどが初級だ。まあ、初級魔法にも精度があるし、中には使えないものもいる。なぜ使えないのに魔法科を選んだかは謎だが。
一方、攻撃魔法の試験が終わったら各自寮に戻れるのだが、エリックは他の受験者を見ているようであった。ほかにもエリックには並ばないが中級魔法を使いこなす者も他の受験者を見ているようであった。
「さて、僕も試験を受けますか。」
正直、エリックのおかげで自分は目立たなくなるであろう。やはり中盤くらいで試験を受けるのが最適なのだ。
「はい、次。受験番号を見せてください。」
僕の番になった。僕はスマートに試験を受けよう。
「バニル君ね。じゃあ、試験開始。」
まずは中級の水系魔法だ。
「フラドゥ」
僕がそういうと的に大量の水が当たった。さて、これでは的が水浸しである。
「おお、水系の中級魔法ですね。これは高得点です。しかし、水浸しになってしまいました。今乾かしますのでちょっと待ってえください。」
「大丈夫ですよ。エクスプロージョン」
これで水は全部水蒸気に変わった。最後にこの水蒸気を処理する。風の中級魔法を使うのだ。
「ハイウィンド」
これでによる爾後処理は完璧だ。エリックは何も考えずに打ったが、魔法は打つ順番も大切だ。これが考えて魔法を使うことである。
「あ、あなたも上級魔法が使えるんですか。」
「はい。あ、あと最後に、ハイエレクトリック。」
これですべての試験終了だ。まあ、エリックは上級魔法二つで僕は一つと劣っているが、魔法の使い方は僕が勝っているであろう。
「あ、はい。試験、ご苦労様。もう、寮に戻っていいです。」
そういわれ僕は、寮に戻ろうとした。本当は他の人も見たいが、疲れたので先に戻ることにしたのだ。戻るときエリックに「あなた、何者ですか。」と言われたが、こっちが聞きたかった。まあ、「普通の7歳児ですよ。」と答えたけど。
明日もまだまだ試験だ。今日みたいに今年はいつもと違うみたいだ。気を抜いていられない。そう思い寮について、まだ午後2時だが眠ってしまった。
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目が覚めるともう夜中の2時であった。僕は気晴らしに外に出た。試験中の寮生活は、学校を出なければいつでも外に出ていいのだ。まあ、それほどセキュリティがしっかりしている。
「まあ、体を動かすか。」
こうなってしまえば、外で運動でもして朝まで時間をつぶすしかないだろう。
外に出るとやはり皆7歳児であるからか誰もいなかった。こうして外を見るのも久しい。夜空は都会だからかたくさんの星が見えない。しかし、月が5つもるのだ。
月といっても白くはない。赤色や茶色などの月だ。この星空を見ると異世界へ来たのだと感じてしまう。
「お、君。もう遅いぞ。」
空を見ていたら僕を呼ぶ声がした。その声先を見ると僕よりも年上の女の子がいた。とはいっても多分身長は130センチくらいだ。僕と10センチくらいしか変わらない。昔のアクアとの練習を思い出させる背丈の差だ。
「僕は速く寝てしまったんです。あなたは誰ですか。」
「僕はね、この学校の学生のエイリーっていうんだ。君はこの学校の受験生でしょ。」
「はい。僕はバニルといいます。」
一応挨拶しておく。僕たちがいる寮は受験時や緊急時にしか使わない旧寮だ。彼女ら学園生はこの寮とは少し距離のある新寮にいるのだ。まあ、大きな寮が二個持てるほどこの学園は重要視されているのだ。
「ほお、君がバニル君か。魔法科の子から聞いたよ。上級魔法が使えるんだって。」
試験官は学校の先生であるが、試験の手伝い、アルバイトとして生徒を起用する。もちろん重要な仕事とかはせず、水魔法の後処理だったり、魔法がうまく操れずに僕たちのほうへ向かったりしたら防壁を張ったりするのだ。エイリーさんはそういう人たちから聞いたんだろう。
「今年は上級魔法を5人も使ったんだってね。いやぁ、今まで前例がなかったのに急に5人とか将来が有望だよね。」
「ほお、5人…そうなのですか。」
魔法の試験は3つの館に分かれた。なので僕的にはエリックだけが例外だと思っていたが違うみたいである。今回の入学生はいつもと違うみたいだ。
「そうだよ、5人もいたんだってー。そうそう僕はね剣術科を受講しててね、剣術科の試験の手伝いをしたんだよ。そしたら中級の力系の魔法を使ってそれだけでもすごかったんだけどね、技術で同級生の子を打ち負かしたんだよ。」
剣術科の手伝いは受験者と相手して、受験者の剣をあしらうことだ。もちろん負けたりしたら学園の沽券にかかるので、手練れの学園生を起用するのだ。
「それはすごいですね。」
「本当にそうだよね。でも君もすごいんだよ。私がその子と戦っても、ギリギリ勝てるくらいだよ」
ということは彼女はその同級生より強いのであろう。それより気になることがある。
「しかし、どうしてここに来たんですか。」
「それは、その子を消すため。…なんてね、そんなことは剣士はしないさ。ただ、その子に感化されてトレーニングしてるんだよ。」
エイリーさんからは敵意は感じない。まあ、僕が感じ取れないだけかもしれないが。ただ、彼女が言っていることは正しいだろう。汗が出ているし、殺しに使う道具も持っていないように見える。まあ、木刀は持っている。
「そうなんですね。木刀持ってますが、素振りでもするんですか。」
「そうだよ。君いろいろ鋭いね。」
鋭いのは昔からだ。昔というのは前世から。何か小さなことでも気になってしまう。まあ、それが僕の性だからしょうがない。
「実は僕も体を動かそうと思ったんです。一緒に戦いませんか。」
「うーん、いいんだけど…。僕は攻撃系の魔法は使えないんだよね。」
「いいえ、僕も木刀で戦いたいんですよ。」
実は僕も外で素振りをするために木刀を持ってきたのだ。持ってきてよかったと思う。
「ということは君の脚にあるふくらみは木刀なんだね。僕は君のちんちんだと思っていたよ。」
「はぁ…そうですか。」
おい、こんな長いわけないでしょ。まず、こんな美少女顔の子がこんなこと言うなんてねー。まあ、今のは聞かなかったことにしよう。まだ、彼女も子供だしね。
「そうか、君も剣を使うことができるんだね。よし、やろう。大丈夫。手加減はしてあげる。」
「そうしてもらわないと死んじゃいますよ。僕は本気でやれることはやりますよ。」
そういい、僕は木刀を抜いた。彼女もそれを見て木刀を突き出した。彼女の構えはエリカさんのようにすごく研ぎ澄まされている。
「じゃあ、君が動いたら初めにしようか。力系の魔法使えるなら使っていいよ。」
エイリーさんは力系の魔法なら使っていいと言われた。ならば本気を出すしかない。
「リーインフォース」
「おお、中級魔法が使えるんだ。うんうん、そう来なくっちゃ。」
エイリーは僕が身体強化をしているのに、彼女自身の体は身体強化しなかった。
「いきますよ。」
そういって僕は彼女に刀を振った。
【次回】未定22時




