15.
迸る血と悲鳴、涙に涎にーー残酷な迄の私刑に、公爵令嬢としての矜持も何も,粉砕されるだけ。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛
華奢な何ら抵抗も出来ない令嬢を拘束させた上でいたぶる鬼畜共。こんな悪魔が治める国等、滅びてしまえ。滅びてしまえ。滅びてしまえ,皆、死ね死ね死ね死ね死ね、痛い、痛い、痛いよ!!!
「ああああああぁぁぁぁぁ」
「煩い、黙れ!」
振りかぶられた足が、私のお腹に食い込み、胃液が口から吐き出され、枯れ木の様な肢体は簡単に吹き飛ばされる。
レヅィは返り血で赤く染まり、殺気を漲らせ私を見下ろします。
「耐えろ」
王子。耐えろとはレヅィですか?
それとも、私に?
既に片目は潰されているから、残った瞳からしか涙は流れません。ずっと手を下すのはレヅィ。
王子はーーリリアナではなく私を?
最早、令嬢と言うより引き裂かれたボロ布の私ですが
「お、王子、この、想いは、ほんとう……っぐぎゃっ!!」
伸ばした手は無残にも王子の足に踏み潰されました。
「あぁ、本当に気持ち悪いね、お前」
神々しく存在感を放つ、それでいて人格者の容貌の麗しの王子様から放たれたのは侮蔑の冷笑。
「レヅィールが中途半端な私刑するから、調子に乗ってしまっているよ、この醜い豚が」
「殺したくて仕方がないのに、殺せないので」
「皆様、お楽しみの時間はそれまでに」