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魔王軍の軍師と将軍物語(仮)  作者: 神那 悠樹
―ambivalenza:バランスゲーム―
55/59

ふうん?で?

煌びやかな社交界。

しかしそれは欲と陰謀の渦巻く、暇を持て余した貴族たちの集まりともいえる。


そして今、最も重宝され、同時に疎まれている二人がいた。




「まぁ、白の将軍様ですわよ」

「黒の軍師様もいらっしゃいますわ」




貴婦人たちの視線の先には、白と金を基調にした軍服に身を包んだまだ若い黒髪の青年と、その隣で柔らかな、穏やかそうな笑顔をしている黒と銀を基調にした軍服を纏う隣の青年と同じような黒い髪をした青年がいた。


アスガルズ王国軍のナンバーワンとナンバーツーに座す者としてあまりに若い二人は、しかしてその特徴から注目を常に浴びていた。




「ああ…相も変らぬ麗しさですわね…」

「ええ、初瀬様の物腰の柔らかく丁寧な対応も、雪杜様の無愛想な態度の中に見え隠れする確かな優しさ…どちらも素敵ですわ!」




女性からは憧れの、男性からは嫉妬の眼差しを浴びつつも、彼ら二人は社交界の中心にいた。

そして、それを誰よりも知っているのは彼ら二人でもあった。









「うぅ…もうやだ、帰りたいよオレ…」

「うるさいよ、雪杜。聞かれたら面倒なんだから黙ってて」




穏やか、かつ優しげに見えるような笑顔を貼り付けたまま、僕は若干引きつった硬い表情を浮かべて泣き言を言う雪杜にツッコミを入れた。




「初瀬、オレがこういうの向かないって知ってんだろ!?」

「まぁね、腐れ縁だし」

「どーしてお前は嘘でもいいから【友達】だとか【親友】だとかって言えねぇのかな…」

「嘘でいいならいくらでも言ってやるけど」

「言わなくていいです! すみませんでした!」




結果はまぁ、いつもの通りだったけど。


一つため息を吐いて近くにいた給仕から飲み物を二つ受け取り、一つを雪杜に渡す。




「…そんなに嫌なら外の空気でも吸ってくればいいじゃん。帰るのはダメだけどベランダに逃げるくらいは許してあげてもいいよ」

「! わかった!」




会話と会話の隙を見計らって不自然にならない程度の早足でベランダに向かう雪杜。


その背中を飲み物を飲みながら見送り、完全に見えなくなったところで近くをうろうろしていた悪趣味なほど豪奢なドレスに身を包んだ女達の一人に声をかける。




「こんばんは、ユーリア嬢。お久しぶりです」

「まぁ…初瀬様。ご機嫌麗しゅう存じます」




彼女に集まる嫉妬や羨望の視線に一瞬勝ち誇った笑みを浮かべ、すぐに頬を赤く染めて恥らうような笑顔を浮かべて見せる彼女の名前は、ユーリア・パホモフ男爵令嬢。


……パホモフ男爵家ってのは、保守派の一員で――――――――次に、反旗を翻してきそうな貴族の一つ。


―――――エルドの子飼いって言う点や元司令官殿を謀殺しちゃった点からも、僕達―――――――特に僕なんかは保守派の連中からかなり危険視されてる。


まぁ、その危惧はある意味正解なんだけどさ…




「ユーリア嬢…一曲お誘いしてもよろしいでしょうか?」

「こちらこそ、喜んで…!」




その誇らしげな笑顔が一層深くなって、彼女に向かう嫉妬と羨望の視線がまた強くなる。


変わらぬ笑顔を貼り付けながら、僕は心の中だけでため息を吐いた。



―――――――ああ、手袋してきてホントによかったな。



何とか今年中に間に合った…!!


うーん、雪杜側の子出すつもりだったんだけどなぁ…

次で出します。


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