さあ?どうなるんだろうね?
「――――――――我が剣としての働き、期待しているぞ」
玉座に腰掛け、ひざまずく僕たちにエルドが鷹揚に言葉を発する。
「はっ! この命に代えましても!」
返事だけはよく頭を下げる、バカ司令官殿。
コレでもうちょっとでもいいから使えるヤツだったらなんか変わってたのかもしれないね…
まぁ、ないものねだりはしたってしょうがない。
「お前達の武勲にも期待しているぞ…初瀬、雪杜」
「は、陛下のご期待に沿えるよう力を尽くす所存にございます」
雪杜が(このところやっと噛まずにに言えるようになった)口上を述べている間ずっとバカ司令官がこっちをにらんできてる。
ちょ、一応ここ謁見の間だから! しかも謁見中で所詮はたかがエルドでも王の御前だから!!
見得のために振り向いてまで睨み付けてくるな、バカ! 普通だったら不敬罪もいい所だよ…!
そしてそれを見逃すことができない立場であり性格の方が約一名。
『この……っ!』
『お、おいっ! 落ち着けって、ローデ!』
『離しなさい、ユーリ! 陛下の恩前であのような…ッ!』
『落ち着けって! まだ大っぴらにできないってことはお前だってわかってんだろ、ああもう、初瀬! お前からもなんか言ってくれ!』
さっきの内緒話…もとい、パルロッターレの会話で誰だかわかったでしょ? ローデヴェイグさんです。
あ、因みにローデヴェイグさんとユーリさんは幼馴染なんだよ? しかも二人とも結構いいところのご子息。貴族でもいい人っているんだって驚いたなぁ…
『大丈夫ですよ、ローデヴェイグさん』
『初瀬君か…だが!』
『少なくとも僕が知ってる中じゃこの程度序の口だし』
『ちょ、初瀬!? 何火に油を注ぐような真似してんだよ!?』
『まぁまぁ、落ち着いて。だから、僕もちょっと…腹に据えかねてるんです』
ほんの僅かに視線を上げ、こちらを憎々しげに睨み付けるバカ司令官と呆れ顔を若干隠し切れてない雪杜を視界に入れ、この会話が察知されていないことを確認してからほんのちょっとだけ魔術の質を換える。
ん? エルドとセイザークさんにはいいのかって?
別にいいよ…二人には教えるつもりだし、って言うか、伝えたくないのはこの二人にだけだし。
『だから、シュビール卿の事は僕に一任してくれませんか? もういい加減目障りですし…頃合だ』
一瞬の沈黙。僕の声に応えたのは今まで会話に加わっていたものではない声だった。
『ついに、ですか』
『アウレリウス宰相……お聞きでしたか』
『初瀬君の魔力が変換されたのに気付きましたから…陛下は気付いていらっしゃらない程度ですけど』
『宰相だからわかる程度、ってか…全然気付けなかったからなぁ、俺』
―――――まぁ、魔術チートの自覚がある僕的には、あんまりほいほい気付かれたくないんだけどね…
『いいでしょう…ただし、あまり目立たずに』
『―――――了解です。ありがとうございます、セイザークさん』
『構いませんよ。
―――――――御武運をお祈りしていますね』
『……はい』
―――――――あまり、目立たずに…ね。
「『黒の剣』よ、今こそその役目に従い、我が敵を打ち倒すのだ!」
「「「はっ!」」」
これからどうなるか?
……さぁ、ね。僕が知るわけないじゃないか。
でも。
思い通りに動かすための準備は済んでるつもりだよ




