で?覚悟はできた?
「第七部隊と第一部隊で演習!?」
その知らせは第七部隊の協調性のない面々をなんとか叩き伏せ、初瀬が思い描くような動きになってきた矢先のことだった。
「ええ、総司令官「殿」が…」
「……どうせ、僕たちを無様に負かせて「これだから人間は」って馬鹿にしたいって魂胆でしょ? 助かったよ、シエル。
――――――――小隊長格以上の者は訓練終了後僕の執務室に来るように!」
書類を片付けながら訓練中の兵士達に指令を飛ばす。
…………にしても、書類の量多いな…明らかに僕のものじゃないってのも、嫌がらせ目的な間違いも入ってるし。
そういうのは某赤ペン先生みたいに赤のペンで訂正して問答無用で送り返してるけどね。
それでもやっぱり多いわけでして。
………死ねばいいのに。エルドが執務嫌がるのわかった気がするよ…
「あ"ー、疲れた」
「お帰り、雪杜」
雪杜は僕の机の上にある書類の山を見て顔をひきつらせた。
……心配しなくても部隊長以外決済できない最低限の書類しか渡さないよ。
こういうの苦手って知ってるし、わかってるし。
この山の四割(下手したら六割)は嫌がらせだし。
「訓練の最中、呼び出しかけたろ? なんだったんだ?」
「僕の手伝いをしてくれてたシエルがちょっと面白い情報をくれたからね」
今は部屋にいないシエルが持ってきたその書類を手にとって僕はクスリと笑う。
……ホントいい度胸だよね、あのアホ総司令官。
何で部隊長の雪杜とかその副官の僕じゃなくて、生まれは貴族らしいけど一隊長でしかないシエルにそういう大事な話通すかなぁ…
この書類もそうだけど…わかってる? 僕と雪杜のことだけじゃなくって、自分がどこに所属してるのかってコト。
「アホ…じゃなくて、総司令官「殿」率いる第一部隊と僕たち第七部隊の演習だよ」
「あの…それって、集会のときに言えばいいことじゃないですかぃ?」
いつの間にか集まっていた隊長格の内の一人…レインバルト・カーリズが恐る恐る聞く。
ああ、それ? …全く、何でそんな恐る恐る聞くんだろ?(副部隊長の背後に漂うオーラが真っ黒で恐ろしすぎるからです! 気付かない部隊長がおかしいんです! by第七部隊隊長格三人)
「……君達にちょっと確認したいことがあったからね」
僕はゆっくり書類から目を離し、三人を見た。
ん? 顔が青ざめてるよ? まだ話し始めたばっかりなのに…(だから副部隊長のry)
「着任のとき僕、言ったよね? 『覚悟しとけ』って。
この演習でバカ司令官と第一部隊完膚なきまでにボコボコにするつもりだから、さ…」
いったん言葉を切って、にっこりと笑って見せる。
「僕の手足となって、雪杜が軍部掌握するために動く覚悟、もうできたよね?」
―――――――後にこの三人は語る。
「魔王よりも魔王らしいってどういうことだ」と。
だがそのうちの一人は、その後に続けてこうも言った。
「かっこいいです! 私もいつかあんなふうなことができるようになりたいなぁ…」と。
「やめろ、シエル、それだけはやめてくれ!」
「……お前は、そのままでいい…」
「そうだ! お前は初瀬みたいになんなくっていいから!」
―――――…まぁ、それは残りの二人+一人の必死の説得により撤回されたが。
「ねぇ、君達…? ずいぶん楽しそうな話してるね? 僕も混ぜてよ」
「「「…まずい!」」」
「雪杜、ギルベルト、レインバルト…取り合えず、氷漬けになってみる?」
…通りがかった当の本人にお仕置きを食らったそうだ。
「やっぱり、かっこいいよなぁ…副部隊長」
感想待ってます!




