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魔王軍の軍師と将軍物語(仮)  作者: 神那 悠樹
―soldatesca:入隊―
26/59

ねぇ、どういういコト?

「ふむ…なかなかやってるみたいだな、あいつら」

「陛下…」




エルドが初瀬や他の隊長格から上げられた報告書を読みながらいかにも楽しそうに笑った。

それを見てセイザークは顔をしかめる。




「何故彼らにあんな無茶を言ったのです?」

「おお? セイが『人間』の肩持つだなんて…! アスガルズ王国一の人間嫌いがどうしたんだよ?」




セイザークはその呼び方に不快そうに眉を寄せるが静かに訂正する。




「陛下、別に私は人間嫌いなのではありません。

ただ人間の行動の愚かさと野蛮さ、そして彼らの魔術の使い方に辟易へきえきしているだけです」

「いや、それ…結局嫌いなんだろ、人間」

「まぁ、一部例外を除けばそうですね」

「否定したくせに認めやがった!? しかもそんな『例外』なんてめったにいないだろ!」




楽しそうに、可笑しそうにきゃらきゃらと笑うエルド。

―――――執務机にセイザークが新たな書類の山を載せると一瞬にして引きつったが。




「私もいないと思っていましたよ…そんな例外中の例外」

「それが出会っちゃった、ってことか?」

「ええ」




セイザークは机の上においていたコップから水を少し飲み、初瀬の魔術を初めて見た時を思い出した。



――――――あれが人間の仕業だとは、到底思えなかった。


それほどまでに精緻な魔力と展開。展開式にいたっては魔族はどうしても感覚で使えてしまう嫌いがあるためそこだけは人間が勝っている部分(なのに威力は魔族が使うものより数段劣る)だが、その人間の魔術でも一度も見たことのない展開の工程を取っていた。


人には見慣れず、魔族にはそのような形では一度も目にした事がないがとてもよく知っている工程。



―――――それは魔族が、魔術を使うときに展開させる方法。

当人の確認を取ってみたが、魔族と出会ったのは陛下が最初…一度も魔族の魔術を見たことがない状況で作り出したらしかった。


それを聞いてセイザークはぞっとした。だが、同時に歓喜もした。




「初瀬君は…私の中でかなり飛びぬけていますから」

「あれ? 「君」? 「初瀬殿」って呼んでなかったっけ?」

「やめろと言われましたので。恥ずかしいそうです」

「そうか…まぁ、あの二人は―――――――特に初瀬は――――――『人間』よりも『魔族おれたち』に近い」

「ええ…そうですね」




人間を――――時に魔族をも越える身体能力、魔力。

これらを持った『勇者』とは、どちらの味方であるものなのだろうか。


巨大な力を持った存在というのは…時として利用され、裏切られる、ものなんだ。




「あいつを…あいつ等を気に入ってるのは、お前だけじゃないぜ…セイ」

「わかっています。だから聞いたのです。何故、と…――――」

「俺が守ることはできる。ま、まだ新米魔王で舐められてるけどそんだけの力はあるだろ。

―――――――でも、あいつらが望んだのは庇護ではなく、協力だった」




はぁ、とエルドはため息をつきながら書類に判を押す。




「守られてるだけってのはやなんだってさ…」

「だから、任務を与えたと…軍部掌握、とはよく考えましたね。軍が彼らのものになればあなたも彼らも動きやすくなる…

―――――――――しかし、危険ですよ?」

「あいつらが俺に対して反乱とかしたら、だろ。そこは平気だろ…俺が探さなかったりしたらやられそうだけど、現在進行形で方々に調査させてるし」

「……その、根拠は?」




セイザークの問いに書いていた書類を決済済みの書類の山の頂に載せ、伸びをしてエルドはにやりと微笑む。




「雪杜はかなり正直だ。…で、アイツ曲がったコトとか嫌いなんだよなー…だから、謀反だ反乱だってのには興味もわかないだろうし賄賂にだって動かされない。

―――――ホントに騎士の手本みたいなやつだからな…アレで素なのが怖い」

「…なるほど。では、初瀬君は?」

「初瀬はなんだかんだ言って雪杜を立てている。今回自ら雪杜の副官になったことからもわかるだろ…初瀬は雪杜の補佐をすることに決めてる節がある。

そー言う点でもお前と馬が合ったのかもしれないな…ま、そういうことで雪杜の得になる場合以外の勝手な真似はしないだろ」




それを聞き終わるとセイザークは微笑んでエルドの執務机にまた一山――――前のものよりも一回りほど高い――――をどさりと置いた。




「安心いたしました。気に入った相手を消すのはどうも心苦しいですから。

さぁ、陛下。がんばってくださいね」

「セイ、これはないだろ…俺が執務苦手なことわかってるくせに…」

「黙っておやりなさい、この馬鹿王。貴方が今まで城を抜け出して人間界で遊んでいたつけが回ってきたんですよ。話し相手になってやってるんだから我慢しなさい」




そうして日々は、過ぎていく。



…二年後、物語は再び動き出す。





新章突入、であります!!


べ、別にのし上がり方とかが思いつかなかったわけじゃないんだからね!

とっとと偉くなってもらわないと困るから、でもないんだからね!?

勘違いしないでよ!?


……すいません調子乗りました。



感想まてますー!

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