え…?冗談だったんだよ?②
「竜なら氷に弱いんじゃないんだな…」
「飛行も氷に弱かったはずだけど…それはないみたい? あ、でもアイツ火吹くらしいからそれで、じゃない? どっちかって言うと氷って言っても水属性の一部だから」
「風…は、やっぱ飛行だよな。ということは効果はいまいち…」
「火も同様だね。地は…岩だったら効くかもだけど地面は効果ないし」
「「竜と炎にはアレだけど…やっぱ、アレしかないな」」
え? 何の話してるかだって? うーん…わからないかなぁ?
要するに、十歳になったら研究所から相棒を貰って悪の組織を倒しつつその地域の(下手したら他の地域の)チャンピオンと戦って殿堂入りして最強になったり図鑑を埋めたりするゲームだよ。
アニメに漫画に映画にCMに、果ては夏場には各所でスタンプラリーができて飛行機まで飛んじゃう某有名なあれ。
因みに、僕も雪杜も小学生のうちは大ファンでした。
今も僕は妹いるし、ゲームもまだやってるからカンは鈍ってないよ。八割くらいは名前と属性いえますが何か?
「じゃあ、雪杜。発動までの時間稼ぎよろしくね」
「おう…がんばる」
雪杜が駆け出して言った後、僕は指先に魔力を込めた。
―――――構想はもうできてるとはいえ、いつもみたいに「呪文」だけってのは危ないから…僕にしては珍しく、発動の前段階である陣を描いた。
…ああ、言ってなかったけど魔術の発動には三パターンあるんだ。
一つ目は『無詠唱』
いつもの僕みたいに術名を言うだけの方法。
ごく普通に使えるけど…実はこれ暴発しやすくて危ないらしい。
二つ目は『詠唱式』
術名とそれを構成する言葉でできた呪文を詠唱する方法。
これがごく一般的なもので、魔術師って言ったら大体これを使う。
三つ目は『描書式』
術名とその術を構成する式を魔法陣として書くことで発動させる方法。
威力は他に比べて一番強いけど、発動時間も魔力も多くかかる。
これを使うのはよっぽどのひねくれ者か僕みたいな『例外』だ。
僕はまあ、使うとしたら描書式何だけど…威力とかは正直言っておまけなんだ。
詠唱式で使う詠唱って…何故だか本気で中二臭くって! 恥ずかしくていたたまれなくなるんだよ!!
「初瀬!? まだ!?」
「今できた! 雪杜、巻き込まれたくなかったら伏せといて!
―――――――『雷の槌』!」
雷ってのは雲の中の二種類の氷の粒が気流の動きによりぶつかり合って静電気が蓄積、帯電し…それが雲の外に放出される現象をいう。
要するに、氷と風の魔法の同時使用ができて、原理を知っていてばできるってことだ。
「うわぁ…マジ?」
「ホントに効くとか…ありえなくない?」
結果から言うと、読みは大当たりでした。
当たったのは一発だけなのにすぐに倒れましたよ、ええ!
「なんか…あのみんなのアイドル兼黄色い悪魔をつれて某地方の最初のジムリを瞬殺したときの気分だよ…」
「あー…なんか、わかる…」
なんだか、虚しいような嬉しいような…ひたすらにしょっぱい思いだけが残る修行の成果だった…
「―――――――副部隊長? どうなさったんですか?」
「え、ああ…ごめん。これを作ったときの事を思い出してただけだから…」
「作成秘話ですね!? 知りたいです!」
「…………あー、今は秘密」
「ええー! いいじゃないですかー!」
不満げな顔をするシエルだったけど…これだけはいえない。
だってそうじゃん?
ネタと洒落で作っただなんていえないよ! 良かった…『100万ボルト』なんかにしないで。
ネタは…わかりますよね?
これ、実話です。取り合えずだったらポケモンの名前とか全部いえます。
さーて、次はどうしようかな…




