え…?冗談だったんだよ?①
ここで少し、昔のことを話そうか。
―――――といっても、そう昔のことじゃない…僕たちがまだ、ラーシア王国にいた頃の話。
強いて言えば、僕の創作魔法を作ったときの話と言おうか…
特に苦労も何もしてはないけど、僕はそれで気づいたから。
僕らの持っている「異世界の知識」っていうのがコチラでは誰も知らないようなもんだってことを。
――――――――あまりにもあまりすぎる、針山のように尖った灰色の山々。そしてその間を鳥以上の大きさを持つと容易にわかる影が飛び交う。
そこに渡るつり橋から見ると威圧感は満点で、いかにもすぎるダンジョンだった。
「修行の一環とはいえ勇者二人だけで魔物討伐か…」
「なに言ってんの? 雪杜。旅立ったらそれが普通なんだから」
「それもそうだけどさぁ…飛竜相手に二人って可笑しいだろ? 普通は一個中隊相当だって聞いたぞオレは!?」
ぎゃーぎゃーと騒ぐ雪杜だったが、さして緊張感はなさそうだ。
(いや、普通にあるからな!? by雪杜)
「飛竜だろうが炎蜥蜴だろうが古竜だろうがどうでもいいよ…王都から離れられるんならね」
「目が据わってます、怖いっすよ初瀬サン…!
まぁ、貴族のおっさんとかおばさんとかの相手オレの分までやっててくれてるからだってわかってますけど!」
「あ、なに? 自覚済み? なら良かった、じゃあ態度で謝意を示すよね?」
「ん、なんかちょっと雲行きが…」
僕の要求するであろうことになんとなく気付いたのか雪杜はブルリと体を震わせた。
ちっ…無駄に鋭いやつめ。
「…するよね?」
「あ、いや、ちょ…あの…!」
「するでしょ?」
「あ、なんか語尾が…いや、ありがたく思ってるんですけど、その…」
「ってか、しろ」
「ついに命令形はいりましたー…って、ちょ、ま」
「じゃあ囮係、よろしくね?」
「やっぱりかぁあああっ!?」
うん、やっぱりストレスって敵か雪杜で発散するのが一番だよね!
「やっぱり、強いわ…飛竜…」
「そうだね…ここまで苦戦したのってこっち来て初めてじゃない?」
「あー、そうかもな…」
飛竜の吐いた炎の息吹をかわし、岩の陰にもぐりこんで息を整えていた。
僕たちの攻撃が飛竜に効いていないわけではない。……むしろ、確実にダメージは負っている。
しかし、それだけともいえる。
竜族は総じてどんな攻撃にも耐性がある。
―――――まぁ、それぞれの種なんかで違うけど弱点となる属性や場所があるのだが、それはおいといて、だ。
飛竜というのは弱点になる場所は知られていても、弱点となる属性は知られていない。
…で、結局わかってるのが基本的に扱える四つの属性(地水火風、四大元素だよ)のどれでもないこと、ってぐらい。
それ以外の魔術を使える人間なんてほとんどいないから、試しようがないみたいだし、見当もつかないみたいだった。
――――――だが。
僕…いや、僕と雪杜にはなんとなーく、ではあるが…考えていることがあった。
続きが考えられなかったので閑話に逃げました。otz
長かったので二つに分けました。




