表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王軍の軍師と将軍物語(仮)  作者: 神那 悠樹
―Incontrare:邂逅―
13/59

はぁ?赦すわけないでしょ?


「ふざけるなっ! このオレ様が…人間なんかに捕まってたまるかよぉ!」




魔力が暴発したことによって起こった突風に縄が弾けとび、僕は思わず顔を覆った。




「なろっ……! 『狂化』とか今更すんじゃねーよ、往生際の悪い……っ!」

「下等な人間を殺して何が悪いって言うんだよぉ!? 人間なんてのは精々家畜にすぎねぇじゃねぇか! なのに、魔族のこのオレ様が人間の手に落ちる!? ありえねぇんだよぉおおお!!!」




暴発した魔力の主は、殺人犯の男で。

そして、逆ギレし激昂しまくった彼の瞳は………――――――紅に、染まっていた。




「魔族……っ!? あれが!?」




げほりと咳き込みながら雪杜が復活する。


……魔族って、魔国の外には早々出てこなかったんじゃなかったっけ?




「そうと言えばそうだけど、正確には違う。あいつはもう、魔族じゃない」

「うるせぇ、うるせえうるせえうるせぇええええ! オレ様はなぁ! 不当に魔国を追われたんだよぉっ! たかが人間かちくの一匹や二匹、殺したからってどうして罪に問われなきゃならねぇんだっ!」

「…………ふざけんな、下種…!」




狂ったように叫びまくる男をにらみながらいつでも魔術で対応できるように構える。


この世界も、この国も、どうでもいいけど…そういう思想は、気に食わない。




「まぁ、僕も基本的には人嫌いだしたいていのヤツのことは見下してるけどさ。

――――言っとくけど、僕には逆ギレして当たりまくるお前のほうがよっぽど下等生物に見えるね。頭凍らひやしてやるからかかって来いよ…!」

「同感だな。しかも夜道で普通の女の人狙うって言うところが気にくわねぇ。一度死んだらその下種さもなしになるんじゃねぇ?」

「てめぇら……人間の…下等生物の分際でぇええええええ!!!」




エルドがどうしてそんなに詳しく知っていりか、だとか知りたいことはあるけれど、後でってことにしておこう。

それよりも今は、コイツをどうにかしなきゃだし。


―――――――あーあ、だから嫌だった、ってのにさ。







……戦いは、かなり厳しかった。


常時眼が紅い魔獣や魔物と違って魔族は気持ちが高ぶったり、命の危機を感じると眼が紅く染まる。

通常時の二倍から三倍…時には十倍にまで魔力が膨れ上がるその現象は『狂化』と呼ばれ、人間と魔族を見分けるもっとも容易にして危険な現象といわれている。


…………どこの緋の瞳だ、とか思ったり。



閑話休題それはともかく、『狂化』した魔族を相手取ることは非常に危険だと言える。

傷を負った危機感からのものにせよ、精神の高揚によるものにせよ、これだけは共通しているからだ。

そう、その…―――――自我すらも忘れ、限界を超える力の暴発は。


その力を恐れて、魔族の紅い眼ってのは…バケモノの証ってコトとして人間には捉えられている。




「っ、う…く、あぁ……っ!」




……どれくらい、戦った頃だったか。

男と切り結んでいた雪杜が突然地面に膝をつき、血を吐いた。




「なっ、雪杜!? …くっ、『地よ、我が前に守護を――――地の砦バスティーア・デッラ・テッレ!!』」




僕の魔術で何とか追撃を免れたけど、致命打も入っていない状況であそこまで血を吐くのは可笑しい。

雪杜が普通の人間だったら『狂化』した魔族の魔力に中てられたことを疑うけど、上手く操れはしないけど召喚された時に強大な魔力を貰っているんだ。それはない。

あと、考えられるのは……――――――




「エルド、雪杜を連れて引いて」

「初瀬一人じゃ無理だ! 初瀬、お前が引け」

「エルドは多少なりと回復術のスキルあるでしょ。僕持ってないから…そっちのがいい。それに……―――――いまから、だいぶ本気で技出すから…さ」

「……! 初瀬……お前っ! ………わかった」




僕がナイフを投げて隙を作り、その隙にエルドが雪杜を抱えて後方に下がり、回復術を使い始める。


………血が、熱いなぁ。




「ひゃはははは! 鈍感でとろくせぇ人間ってのは楽なもんなんだなぁ! 鈍感すぎて毒の巡りも遅いと来た! それともあれかぁ!? 下等生物なりの生命維持の方法か? ひゃははははは!!!!」

「黙れよ、単細胞」

「ひゃははははは……オイ…今、なんていった?」

「『黙れよ、単細胞』って言ったんだよ。

……ん? ああ、悪いな。単細胞じゃ僕の言ってることの意味がわからないか」

「てめぇ……人間の分際でオレ様を貶すだと!? ふざけるんじゃねぇええええ!!!」




ちょっと煽っただけで案の定、すぐ突撃してきた。振り下ろされた剣は勢いよく僕に近づいてくる。

でも、大丈夫。あまり体を動かすのが得意じゃない僕だけど…怪我なんてしない。というか、指一本だって僕に触れられないんじゃない?


音もなく僕に近づいていた剣先が消える。

………ホラね。案の定、だ。




「馬鹿な!? 『イージスの盾アルメ・デル・エージダ』だと…!? なぜだ!? 何で人間ごときが禁術級魔術が使えるんだよ!?」

「さぁね、知らない。

強いて言うなら……そうだな。僕がバケモノだからじゃない?」




さっき消した男の剣先を再構築して短剣に変えてから再び現す。




「選択肢をあげるよ。素直に僕に雪杜に使った毒の解毒剤を渡して僕の質問に答えて命ばかりは助かるか。それとも意地を張って強制的にイロイロと吐かされるか。

――――――――どっちがいい?」




その短剣を男の首に添えた時。

その紅から茶色に戻った目に映った僕の瞳の色は………



見慣れない、血のような色をしていた…――――――――――――

はい、若干のバトル表現は入りましたぁー!

バトル難しーです…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ