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ヘルデンリート・フィナーレ Das Heldenlied Finale ~Mein Bester Freund~  作者: 野原 ヒロユキ
俺は新しい時代の扉を開ける Ich will die Tür der neuen Zeit aufmachen
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悪魔王サタン

「さて、すぐにでも私とお手合わせしてもらいたいのだがね」

セリオンは思った。

こいつは強い。

自分一人では勝てるかどうかわからない。

今は、サラゴンとアリオンもいる。

共闘……。

セリオンの脳裏にその文字が現れた。

「サラゴン、アリオン、いいか?」

「何だ?」

「うん?」

「こいつは俺が今まで出会ったどの敵よりも強い。そこで提案がある。俺といっしょに戦ってもらえないか?」

サラゴンとアリオンは互いに顔を見合わせた。

「もちろんだ!」

「いいぜ!」

「ありがとう」

「フッフフフフ、三人で来るかね? かまわんとも。この私を自分一人だけで戦えると思わないことだな、セリオン・シベルスクよ」

フューラーはそう言うと、黒いもろ刃の大剣を出した。

「ファッハッハッハ! これは我が剣『ゴルディウス(Gordius)』だ。では、好きな者からかかってくるがいい」

フューラーは余裕を見せた。

「行っくぜえ! 列火噴出剣れっかふんしゅつけん!」

アリオンは紅蓮の炎を剣にまとうと、ジャンプして剣を突き刺した。

炎の列がフューラーを襲う。

フューラーは泰然としていた。

「ふむ」

彼は炎の列を見つめると、黒い大剣を炎に刺した。

アリオンの炎が消滅する。

その時、セリオンとサラゴンが跳び出た。

二人はフューラーに同時攻撃を仕掛けた。

セリオンは左から、サラゴンは右から斬りつける。

「無駄だ」

「なっ!?」

「何い!?」

フューラーはセリオンの攻撃を大剣で防ぎ、サラゴンの攻撃を左手で受け止めた。

「フフフフフフ……どうした? 君たちの力はこんなものかね? もっと本気を見せてくれ」

「なめるな!」

セリオンが大剣でフューラーを斬り刻もうとする。

だが、フューラーはそれを大剣ですべてガードした。

セリオンの斬撃はまったくフューラーに当たらない。

これほどの剣技を持つ者を、セリオンは知らない。

「フフフ、少し強くいくぞ? フン!」

「うおおお!?」

セリオンが吹き飛ばされる。

「セリオン! この!」

サラゴンが長剣を振るおうとする。

だが、サラゴンの剣はフューラーにつかまれたままびくともしない。

「ハハハハハ! この私に一撃を与えようというのかね?」

フューラーはサラゴンの長剣を上に上げた。

「なっ!?」

サラゴンがぶら下がるようにフューラーに持ち上げられる。

「少し、強くいくか」

フューラーはサラゴンを大剣の柄で打ちつけた。

「ぐおおああああ!?」

サラゴンが吹っ飛ぶ。

そこにアリオンが斬りこんできた。

アリオンが紅蓮の斬撃を放つ。

「はっ! 紅蓮気斬!」

「フン!」

アリオンの斬撃がヒットした。

だが、フューラーはそれを左手のシールドで無効化した。

「フハハハハハハ! その程度か!」

フューラーが大剣を振るう。

すさまじい衝撃だった。

アリオンはそれを受け止めきれずに、後方に吹き飛ばされた。

「うわあああああ!?」

アリオンは小柄だ。

それに対してフューラーは大柄だ。

体格差はいかんともしがたい。

氷狼突ひょうろうとつ!」

セリオンが氷の突きを放った。

フューラーにジャストで入る。

だが、フューラーはそれを大剣の刃で防いだ。

セリオンは完璧なタイミングで攻撃したつもりだった。

それを防がれるとは……。

「セリオン・シベルスク……君の実力はこんなものではないはずだ。私を失望させないでくれたまえ」

「当然だ! 氷狼斬ひょうろうざん!」

セリオンが氷の斬撃を繰り出す。

フューラーはセリオンの氷によって凍り付いた。

普通ならこの一撃で、倒れている。

しかし……。

「ふんぬ!」

フューラーは力を入れてそれを砕いた。

ただ単純に力を入れただけでセリオンの技は破られた。

こんな敵は今まで見たことがない。

「なっ……俺の技が……」

「フハハハハハハハ! まだまだ力が足りんな! フン!」

フューラーは下から大剣で振りぬいた。

セリオンが大剣でガードするものの、衝撃を殺すことができない。

セリオンも後ろに飛ばされた。

「サラゴン、アリオン、無事か?」

「まあ、な。俺はまだ戦える!」

「当然だぜ!」

「三人同時に攻撃するぞ? それしか勝機はない」

「わかった!」

「ああ!」

「行くぞ!」

「どりゃああああ!」

「せい!」

セリオン、サラゴン、アリオンが一斉に跳び出た。

さすがにこの攻撃ならフューラーもガードできないだろう。

「フッ……」

フューラーは大剣に闇をまとった。

「これでも軽くいくぞ? はあっ!」

フューラーは闇の斬撃で、三人を同時に薙ぎ払った。

「なっ!?」

「うおっ!?」

「ちいいいっ!?」

三人は攻撃を切り替えてガードせざるをえなかった。

この技にはセリオンは見覚えがあった。

サタナエルの技『闇黒一刀斬あんこくいっとうざん』である。

「うおあああああああ!?」

三人はまたしても吹き飛ばされた。

着地はできなかったため、受け身を取ってダメージを緩和する。

「今のは!?」

「私はサタナエルの父だ。その私が同じ技を使えてもおかしくないと思わないかね?」

「サタナエルの父だと!? おまえはまさか……」

「フフフフ……我が名はサタン(Satan)! 悪魔の王なり!」

「おまえがサタンだったのか!」

闇の王フューラーの正体は悪魔王サタンだった。

驚愕の事実にセリオンも愕然とする。

サタンは闇を再び大剣にまとう。

「さあ、今度は少し強くいくぞ? せい!」

闇黒一刀斬が上からセリオンに振り下る。

セリオンは光輝刃を出してそれをガードする。

「くうっ!?」

セリオンは苦悶の表情を浮かべた。

セリオンはこれでも全力だ。

それに対して、サタンには明らかに余裕がある。

その時、サラゴンとアリオンが動いた。

「はああああああ! アガルタ!」

紅蓮の鳥がサタンに向かう。サタンはそれを直撃した。

「これでどうだ! 光炎剣!」

サラゴンがさらに追撃する。

二人の炎がさく裂した。

サタンが炎に包まれる。

「へっ! これならどうだ!」

「これで決まりだ!」

「それはどうかな?」

「なあっ!?」

「何だと!?」

サタンが炎の中から姿を現した。

彼のマントは焼け落ち、その屈強な肉体が現れていた。

「ふんぬ!」

サタンが闇の剣を振るう。

サラゴンは倒され、アリオンは吹き飛ばされた。

二人とも戦闘不能だ。

「サラゴン、アリオン!」

「フハハハハハ! ファーハハハハハハハハ! どうした? この程度かね? 君たちの力は?」

サタンの赤い目が輝く。

セリオンが攻めた。

セリオンは闇に対抗するために、光の斬撃を繰り出した。

光閃こうせん!」

セリオンがダッシュから、すさまじい光の斬撃を繰り出す。

「む?」

セリオンの斬撃にサタンの大剣は耐えられなかった。

半分から折れる。

「くらえ! 光子斬こうしざん!」

セリオンが光の粒子の斬撃を叩き込む。

サタンから血が吹き出た。

サタンは地面に倒れる。

「これまでだ」

セリオンが大剣の刃をサタンの顔に突き付ける。

「フフフフフ……さて、それはどうかな?」

「おまえは致命傷だ。これ以上は肉体が耐えられない」

「それは事実だが、あいにくと私はまだ動けるのでね」

「これ以上、何をするつもりだ?」

「フフフ、こうするのだよ!」

サタンの体から紫のオーラがほとばしり出た。

それは禍々しかった。

「これは!?」

「フハハハハハハハハ! これはウイルスだよ! サタン・ウイルスだ! さあ、これは世界中に拡散する! ウイルスの悪夢の始まりだ! フフフフフ、フハハハハハハハハハ、ファーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

サタンの体はウイルスと化し、消えていった。

サタン・ウイルスはツヴェーデンから全世界に拡散していった。

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