セバストス
爆弾が爆発した。時間は夜。
これはアンシャルたちが陽動のため、行ったのだ。
兵士たちは王宮裏に移動した。
アンシャルがもくろんだ通り、兵士の姿は正面からいなくなる。
あらかじめ兵士の配置はツバキとハヅキといった諜報部隊員に把握されていた。
「よし、俺たちも行こう!」
セリオンが言う。
「敵は分散されたな! これならアントニヌスのもとまで行けそうだ!」
サラゴンが賛成する。
「よっしゃ! 殴り込みだあ!」
アリオンも武器を抜く。
三人は王宮の前に現れた。
「何だ、きさまらは!?」
「何をしている!?」
「ツヴェーデン軍と知っての狼藉か!?」
兵士たちは動揺していた。
セリオンはそんな兵士たちを一刀のもとに斬り捨てる。
「ぐあっ!?」
「がああっ!?」
「ぐはっ!?」
「フン、こんなものか」
「さすがはセリオン、か」
「こんな奴ら楽勝だぜ!」
「おい、こいつはセリオン・シベルスクだ!」
「アントニヌス将軍の言うとおりにするんだ!」
「『あれ』を出せ!」
「『あれ』?」
サタニストは何か秘密のものを出そうとしているらしい。
「どうやら、サタニストには何か手があるらしいな」
「いったい何だあ?」
地面がへこんだ。
再び地面が上がる。
そこには金属製のボディーを持つ機動兵器がいた。
兵器には頭、大きな腕、ブースターを持つ浮遊兵器。
色はメタリックシルバーだ。
「はーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!」
そこに現れたのはアントニヌス将軍だった。
アントニヌス将軍は高笑いを浮かべる。
「アントニヌス将軍か?」
「そうだとも! きさまらはテンペルの者か?」
「俺はセリオン・シベルスク」
「俺の名はサラゴン・ダンスクだ」
「アリオンだ」
「ほほう……テンペルの猛者かね? だが! きさまらではこの兵器には勝てん! この兵器は『セバストス(Sebastos)』だ!」
「セバストス?」
「ツヴェーデン軍が誇る最新の技術を結集して作られた兵器だ! 終わりだ! おまえたちはここで死ぬ!」
「さあて、それはどうだろうな?」
「俺には娘がいる。ここで死ぬ気はない」
「やっちゃおうぜ!」
三人とも武器を出す。
セリオンは大剣を、サラゴンは黒い長剣を、アリオンは白い片手剣をそれぞれ帯びる。
セバストスは頭部バルカン砲を発射した。
セリオンは大剣でそれをガードする。
「はあああああ!」
アリオンがジャンプして、セバストスに斬りつけた。
アリオンの剣はセバストスに傷をつけたが、硬くてそれ以上の損害を与えられない。
「こいつ! なんて装甲だ!」
「うおらあああ!」
サラゴンも長剣でセバストスを斬る。
だが、サラゴンの一撃を持っていてもセバストスはびくともしない。
セバストスが右手で殴りつけてくる。
あんな金属のパンチなど受けたら、一撃で内臓破裂だ。
「うお!? あぶね!」
アリオンが後ろに下がる。
セバストスが左手にガトリングガンを召喚した。
ツインビームガトリングガンだ。
ビームガトリングガンが火を噴く。
「ちっ!?」
「うおっ!?」
セリオンとアリオンは散開した。
あえて左右に分かれる。
セバストスはアリオンに狙いを定めたようだ。
あんなものを受けたら、ハチの巣は確実である。
「ちいいいいいい!」
アリオンはひたすら逃げる。
セバストスの狙いは正確で、アリオンは最速で駆け抜けていた。
「悪いが、隙だらけだ」
セリオンがアリオンを助けるためにセバストスに斬りつける。
だが、セリオンの攻撃も傷をつけただけだった。
セバストスがセリオンを見る。
セバストスの目からレーザーが照射された。
セリオンは一瞬にして回避する。
「危なかった……」
「背後ががら空きだ!」
サラゴンが背後からセバストスを斬る。
セバストスはびくともしない。
セバストスの背後でビーム砲がエネルギーを溜めはじめた。
「むっ!?」
サラゴンは地面にひれ伏してビームを回避する。
どうやら、セバストスには背後にビーム砲が取り付けられているらしい。
「はああああああ! 紅蓮気斬!」
アリオンが紅蓮の闘気による斬撃を放つ。
セバストスはぐらついた。
アリオンはそのまま斬撃を繰り出そうとしたが、セバストスが胸を開閉した。
セバストスからビームキャノンが現れる。
ビームキャノンが正確にアリオンに発射された。
アリオンは地面にふせる。
アリオンの上をビームが通過していった。
「こいつ……いったいいくつ武器を持っているんだ!?」
セリオンが蒼気の斬撃でビームガトリングガンんを斬る。
ビームガトリングガンは切断されて無力化された。
セバストスが右手にビームの刃を展開した。
大型ビームソードだ。
セバストスはそれでセリオンを貫こうとする。
セリオンは蒼気の大剣でそれを受け止める。
「はあああああ! 光炎剣!」
サラゴンが技で背後のビーム砲を切断する。
その時、セバストスの背後から小さなビットが現れた。
ビットはサラゴンを狙い撃つ。
「うおおおおおおおお!?」
サラゴンがビットの射撃にさらされる。
サラゴンは必至にガードして、直撃を避ける。
「くらえ! 紅蓮煉獄斬!」
アリオンが膨大な炎でセバストスを斬りつける。
セバストスは火だるまになった。
この時セリオンは後退していた。
「どうだ!」
セバストスは炎から出てくると、すばやく移動し、アリオンをビームソードで貫こうとする。
「うわっ!?」
アリオンは大きくジャンプして、セバストス接近をかわした。
セバストスがくるりと向きを変える。
セバストスからすべての武器が火を噴いた。
頭部バルカン砲、胸部ビームキャノンだ。さらにマイクロミサイルが発射された。
セリオンは蒼気の斬撃『蒼波斬』で、ミサイルを斬り落とす。
アリオンは右によけて、ビームキャノンをやり過ごす。
セリオンは雷を収束した。
セリオンの雷電がセバストスを狂わせる。
セバストスは雷によって、ショートしたはずだ。
セリオンの技『雷鳴剣』である。
セリオンの雷攻撃は威力が高いし、機械に大ダメージを与えられるが、反動が大きいという欠点があった。
「これで終わらせる! はっ! 雷光剣!」
セリオン必殺の一撃がセバストスを吹き飛ばした。
セバストスはそのまま爆破・炎上した。
セリオンたちの勝ちだ。
「バ、バ、バ。バ、バッカなアアアアアアアアア!? セバストスが人間に敗れるだと!? ありえない!」
アントニヌス将軍が絶叫を上げる。
アントニヌス将軍は現実を受け入れられないようだ。
「さて、次はおまえだ、アントニヌス将軍。覚悟はいいか?」
「使えんな。役立たずが」
「!?」
アントニヌス将軍の首が地面に転がった。
「闇の王フューラー……」
セリオンは現れた存在の名を口にする。
その場に、黒いマントをまとったフューラーがいた。
手には黒い大剣を持っていた。




