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ヘルデンリート・フィナーレ Das Heldenlied Finale ~Mein Bester Freund~  作者: 野原 ヒロユキ
俺は新しい時代の扉を開ける Ich will die Tür der neuen Zeit aufmachen
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アゴスティーナ2

『シメオン』の発着準備は整っているわね?」

「はい! 最終調整は済んでいます! いつでも出撃可能です!」

アゴスティーナが腕を腰に当てて、メガパワードスーツを見上げる。

アゴスティーナはこれからシメオンに乗り込んで、ニンフの里を直接襲撃するつもりだった。

アゴスティーナの嗜虐心しぎゃくしんが震えあがる。

自然と、アゴスティーナの顔が残虐な笑みを浮かべた。

アゴスティーナはシメオンに乗り込む。

機器が次々と、起動していく。

シメオンは最強のパワードスーツだ。

この『商品』はツヴェーデン軍に高く売れる、そうアゴスティーナは考えていた。

この『商品』をテストするにはセリオン・シベルスクと戦わねばならない。

セリオン・シベルスクを倒すことができたのなら、それ以上の宣伝効果はない。

アドヴェント社にとって、莫大な利益をもたらすだろう。

「ふふふふ、セリオン・シベルスク、あたしの前で踊りなさい! 『シメオン』、アゴスティーナ、出るわよ!」

一体の大型パワードスーツがハッチから出て行った。



セリオンたちはパワードスーツを無力化していた。

セリオンは紫電剣でパワードスーツを機能停止に追い込んだ。

「このまま行けば、パワードスーツ兵は全滅できるな」

セリオンはフィリアを見た。

フィリアはまるで舞を踊るように、マジカルシュートでパワードスーツを破壊した。

パワードスーツは物理耐性はあるが、魔法耐性はない。

フィリアにとって相性がいい敵だった。

「フィリア、どうだ?」

「うん! こっちはもう大丈夫だよ!」

「さて、おまえたちには聞きたいことがある」

「フフフフフ……」

「? 何がおかしい?」

「まだ、我々は敗れたわけではない」

「何がしたいんだ?」

「あれを見ろ!」

「セリオン、あれ!」

「あれは……」

セリオンは大型パワードスーツがこちらに近づいてくるのを見た。

そのボディーは赤く塗られており、禍々しかった。

「赤い、大型パワードスーツか? いったい誰が乗っている?」

赤い、大型パワードスーツがビームサーベルを振るった。

セリオンを叩き斬ろうとしている。

セリオンは横に跳んでそれをかわした。

大型パワードスーツが着地する。

「あっはっはっはっはっはっは! よくかわしたわねえ!」

赤いパワードスーツから女の声がした。

「あなたが、セリオン・シベルスク? よく、こんなところまで来たわねえ!」

「おまえは誰だ?」

コクピットが開き、中から一人の女性が姿を現す。

「あたしはアゴスティーナ。アドヴェント社の兵器開発部門代表よ」

「おまえたちは何をしに来た?」

「あっはっはっはっは! この兵器『シメオン』の性能を確かめに来たのよ! セリオン・シベルスク! 青き狼、英雄たるあなたなら、このマシンの性能を確かめるには都合がいいわ! さあ、このあたしと戦いなさい!」

「アドヴェント社の人間は血の気が多いらしいな。いいだろう」

セリオンは大剣を構えた。

「じゃあ、死になさい!」

シメオンが左手に持ったビームライフルを構える。

ビームがライフルから放たれた。

セリオンはそれをはじく。

ビームは次々と撃ち出される。

セリオンは的確にそれをはじき返した。

やがてビームライフルは弾切れになる。

セリオンはすぐさま、大剣で斬りつけた。

シメオンに傷がつく。

シメオンの強度は相当なものだ。

おそらく戦車より硬いであろう。

「無駄よ! このまま。消し飛ばしてあげるわ!」

シメオンの腹部にエネルギーが集まった。

メガビームキャノンだ。

セリオンはそのまま横に跳んだ。

メガビームキャノンが発射される。

ビームはそのまま一軒の家に命中し、それを粉々にした。

すさまじい威力だ。

当たればセリオンの体など、消し飛ぶ。

「おーっほっほっほっほっほ! シメオンの性能はこんなものではないわ! このまま斬り殺してあげる!」

シメオンが両手にビームサーベルを出した。

そのままセリオンに十文字に振り下ろす。

セリオンは上からの一撃を回避し、横からの一撃を大剣でガードした。

「ほーっほっほっほっほっほ! シメオンと力勝負をするつもり? パワーをさらに上げるわ!」

セリオンに圧力が加わる。

機械のパワーは相当なものだ。

このままではセリオンは押し負ける。

「シメオンはまだまだ武器を持っているわよ!」

シメオンのミサイルポッドが開いた。

セリオンにマイクロミサイルが放たれる。

セリオンは一気に後退した。

それから蒼気を出して、ミサイルを迎撃する。

ミサイルはすべて破壊された。

「ビット!」

大型レーザービットがシメオンの左右に浮遊する。

ビットからレーザービームが撃ちだされた。

セリオンは大剣でそれを防ぐ。

セリオンはジャンプして、レーザービットを紫電剣で攻撃し、破壊した。

「くっ、ちょこまかと……うぜえんだよ!」

アゴスティーナの言葉遣いが汚くなった。

どうやら、この女は怒ると、口が悪くなるらしい。

シメオンがセリオンに突進してきた。

セリオンは身体強化して、シメオンを跳び越える。

シメオンはもう一基のレーザービットで攻撃を試みる。

だが、セリオンには当たらなかった。

セリオンは一気に間合いを詰めて、レーザービットを破壊した。

「てめえ! よくもやりやがったな! 絶対にぶっ殺してやるよ!」

シメオンはビームサーベルを構えて突進してきた。

セリオンはそれを器用にかわす。

シメオンは左手についた、ビームマシンガンでセリオンを攻撃した。

セリオンは走って、それをよける。

セリオンには弾一つ当たらない。

セリオンは紫電剣でシメオンを斬りつけた。

シメオンの機能が狂う。

「無駄なんだよ! そんな攻撃、効くわけねえだろ! シメオンは最強だ!」

シメオンがビームサーベルで薙ぎ払ってくる。

セリオンはそれを受け止める。

「こちらにも秘策がある。これでもくらえ! 雷鳴剣らいめいけん!」

セリオンはジャンプして、ビームサーベルをかわすと、そのまま、雷電をシメオンに降り注がせた。

「がああああああああああ!?」

シメオンのボディーに亀裂が入る。

セリオンの雷鳴剣はシメオンのボディーを貫通する。

いくらコクピットで守られているとはいえ、アゴスティーナも無事では済まない。

「終わりだ。雷光剣らいこうけん!」

セリオンは雷光の一撃をシメオンの右腕に叩きつけた。

シメオンの右腕は轟音と共に破壊された。

シメオンはほとんど戦闘能力を喪失した。

「ぐっ……ちっくしょう……これで勝ったと思うなよ! 撤退するよ!」

シメオンを初め、パワードスーツ部隊は戦艦に撤収した。

セリオンによって、里は守られた。

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