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ヘルデンリート・フィナーレ Das Heldenlied Finale ~Mein Bester Freund~  作者: 野原 ヒロユキ
俺は新しい時代の扉を開ける Ich will die Tür der neuen Zeit aufmachen
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ロッタ・スヴェルド

セリオンは路地裏で呆然としていた。

サタナエルは生きていた。

そしてサタナエルは王宮にいるという。

これは今回のミッションがサタナエルの干渉を受けている可能性があるということだ。

サタナエルはいったい何を考えているのだろう?

サタナエルは何をしたいのか?

サタナエルは言った。

こちら側に来ないかと。

サタナエルはセリオンを闇に落とすつもりだ。

サタナエルはセリオンに『パートナー』になってほしいという。

それはサタナエルがまだセリオンを友人として見ているということだ。

ただ、セリオンはサタナエルの目的がそれだけとは思わなかった。

サタナエルは闇に堕ちた。

それは間違いない。

まあいい。

いずれサタナエルと再び対決することがあるだろう。

すべてはその時に決めればいい。

セリオンはふとエスカローネを置いていってしまったことに気づいた。

「まずいな。エスカローネを置いてきた……」

その時、セリオンの携帯電話が鳴った。

セリオンはそれを取る。

それはエスカローネからだった。

「セリオン、いったい今どこにいるの?」

「ああ、俺は今路地裏にいる」

「セリオン、いったいどうしたの?」

「どうやらサタナエルは生きていて今シュヴィーデンにいるらしい。サタナエルが幻を見せてきた」

「セリオン無事?」

「ああ、大丈夫だ。これから通りに出る」

セリオンは通りに出た。するとエスカローネとばったり出くわした。

セリオンはスマートフォンをしまう。

「エスカローネ、心配かけたな」

「もう、セリオンったらいきなりいなくなっちゃうんだから!」

「すまない。急にサタナエルが出てきたものだから……」

「サタナエル? 彼は今でも生きているの?」

「ああ、そのようだ。あいつは幻を見せてきた。あいつは言った。王宮にいると」

「私は不安だわ。今回のミッションもサタナエルがかかわっているのかしら?」

「わからない。ただ、警戒すべきことが増えただけだ。じゃあ、いったん、シーベリオンに戻って……」

「ちょっと、どいて!」

「!?」

セリオンは青みがかかった長い髪の少女とぶつかった。

セリオンは半分、イラっとして。

「何だ、あの子は?」

「どけ!」

セリオンはさらに兵士たちが銃を持って走って行くのが見えた。

「何だ?」

「セリオン、何か気になるわ。追ってみましょう!」

「ああ、そうだな。行ってみよう!」




ロッタ・スヴェルド(Lotta Svärd)はスラムに逃げていた。

ロッタは衛兵に追われていた。

ロッタは指名手配されている。

ああもう、こんなはずじゃなかった!

つい、王宮が見える場所に行こうとしたのが失敗だった。

ロッタはスラムに入ると、別の方向から衛兵に見つかった。

「やばっ!?」

ロッタは急いで逃げるが、徐々に衛兵との距離は縮まっていた。

ロッタは壁に追いつめられる。

「あ、しまった!?」

兵士が銃口を向けながら、ロッタに迫ってくる。

「ロッタ・スヴェルドのロッタだな?」

「だったら、何だって言うの?」

「オルフェオ閣下からの命令だ。死んでもらう」

「くうっ!?」

悔しい! こんなところでは死ねない! 

私にはまだやるべきことがあるのに!

兵士が銃で狙いを定める。

銃が発射された。

その時、一人の青年がロッタの前に現れた。




セリオンは少女の前に立ちはだかって、大剣で銃弾をガードした。

「なっ!?」

「無事か?」

「あなた、何者?」

「俺か? 俺はセリオン・シベルスクだ」

「セリオン・シベルスク!? テンペルの英雄!?」

「まあ、そうだな。ところで、どういう状況だ?」

「あんたねえ……私はこいつらに追われてるの! 英雄なら、こんな奴らへっちゃらでしょ? さっさとやっつけて!」

「やれやれ、わがままなお嬢さんだ」

セリオンは大剣を兵士たちに向ける。

「きさま、我々の邪魔をする気か?」

「俺はこちらのお嬢さんの側に立つ」

「それでは死んでもらう!」

兵士が銃を撃った。

セリオンは跳んだ。

そして着地ざまに大剣を振るう。これで三人の兵士が斬られた。

「きさま!」

残りの三人がセリオンを銃で狙う。

セリオンはその場にたたずむ。

「無駄よ」

エスカローネが兵士の背後からハルバードの石突で打撃した。

三人の兵士たちは気絶した。

兵士たちは無力化された。

「うわっ、つよっ! あなたたち、テンペルの人間?」

「そうだ」

「そうよ」

「ふーん、そう。私はロッタ。ロッタ・スヴェルドのリーダーなの」

「ロッタ・スヴェルド?」

「あなたたちはこの国に来たばかりだから知らないでしょうけど、ロッタ・スヴェルドは有名な反政府武装勢力よ」

セリオンはロッタの外見からどこか既視感を覚えた。

この子は誰かに似ている……。

「そのロッタさんがどうしてスラムに逃げ込む?」

「あたしたちの本部がスラムにあるの。まあ、ここじゃなんだし。助けてくれたお礼をするから、ついてきて。それ相応のもてなしはするから」

「いいだろう。エスカローネもいいな?」

「ええ、いいわよ」

こうして三人は行動することになった。




ロッタはアジトにセリオンとエスカローネを連れてきた。

ロッタが連れてきたのは酒場だった。

「ロッタ様! ご無事でしたか!」

「当たり前、グスタヴ。とそう言いたいけど、途中で官憲に見つかってね……この二人に助けてもらったわ。こちら、セリオンとエスカローネって言うの」

「セリオン殿にエスカローネ殿……ロッタ様がお世話になりました」

グスタヴが頭を下げる。

「グスタヴ、アジトに行くから」

「わかりました」

「こっちに来て」

セリオンとエスカローネは指示に従う。

グスタヴがレバーを引くと、床が下がった。

地下室へと三人は移動した。

「まあ、適当に座って」

ロッタはソファーに腰を下ろす。

セリオンとエスカローネはイスに座った。

「ロッタ・スヴェルドはね、なんでシュヴィーデン政府と戦っていると思う?」

「政府に不満でもあるのか?」

「違う。オルフェオ・オクセンシェルナって奴知ってる?」

「ああ、王宮で会った」

「あいつは闇の魔導士なの」

「何ですって!?」

セリオンとえ合うカローネは顔を見合わせた。

これが真実なら重大な情報だ。

「女王は闇の魔法で操られているのよ」

「つまり、オルフェオはクリスティアーナ女王を闇の魔法で操っているというわけか?」

「そういうことよ」

「セリオン、これは重大な情報だわ」

「ああ、そうだな」

「私たちの真の目的は女王を闇の魔法から解放して、シュヴィーデンを闇の支配から解き放つことよ」

「俺たちは今後、シュヴィーデン政府と合同でミッションを予定している」

「なら、注意した方がいいわ。オルフェオが闇の魔導士ならテンペルが光の勢力であることは知っているはずだもの」

「それ名が合点が行く。そうか、俺がオルフェオと向かい合った時の違和感の正体はそれか」

セリオンはオルフェオと会った時、何か説明しがたい違和感を感じた。

それはオルフェオが闇の魔導士なら納得できる。

「それなら、みんなと話し合った方がいいな。いったん、シーベリオンに戻ろう」

「そうね。ロッタさん、貴重な情報をありがとう」

「まあ、助けてもらったのに何のお礼も返さないのも、ね」

こうしてセリオンたちはシーベリオンに戻ることにした。

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