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ヘルデンリート・フィナーレ Das Heldenlied Finale ~Mein Bester Freund~  作者: 野原 ヒロユキ
俺は新しい時代の扉を開ける Ich will die Tür der neuen Zeit aufmachen
12/19

シュヴィーデン王国へ

飛空艇シーベリオン(Siyberion)。

テンペルが保有する、空飛ぶ船。

スルトは船の前で、メンバーの到着を待っていた。

今回のシュヴィーデン行きに参加するのは、セリオン、エスカローネ、アンシャル、スルト、サラゴン、アリオン、シエル、ノエルである。

「集まったか」

「スルト、出発の準備はOKだ」

セリオンが代表して報告する。

「わかった。我々はこれより、シュヴィーデン王国に向かう。今回はあくまでミッションのために行くのであって、観光をしに行くわけではない」

スルトの言葉に全員が引き締める。

ここにいる者でスルトの言葉を誤解する者はいない。

スルトはこれは軍事活動だと言っているのだ。

「ミッションこそ最も重視しなければならないものだ。ただし、今回の旅は王宮での晩餐会なども予定している。外国だからと羽目を外すことがないようにな。ただし、シュヴィーデンに行っただけでは味気ない。したがって、自由行動の時間も設けられている。シュヴィーデン王国の首都はシュトックホルムだ。羽を伸ばせるときは自由にしてよろしい。では、飛空艇に乗り込むぞ!」

「「「は!」」」

セリオンたちは飛空艇に乗り込んだ。

艦長席にはスルトが座る。

アンシャルは副長席に座った。

サラゴンが舵を持ち、シエルとノエルがオペレーターの席に座す。

セリオンやエスカローネ、アリオンには定位置はない。

飛空艇はそうしてツヴェーデンを発った。




飛空艇は順調にシュヴィーデンに到着した。

シーベリオンは湖に着水する。

セリオンたちは窓からシュトックホルム(Stockholm)の風景を見ることができた。

透明な湖がきれいだった。

「きれーい……」

エスカローネが息をのんだ。

セリオンもエスカローネと同じ気持ちだった。

白鳥が窓枠を横切っていく。

シーベリオンはゆっくりと湖を進んでいく。

「すっごい! こんな風景なんて初めて! おに―ちゃーん! 見て見て!」

シエルがはしゃぐ。

「白鳥だー! わああああ!」

ノエルも興奮しているようだ。

「ふーん、きれいだけど、俺にはよくわからないなあ。まっ、おいしいものが食べられれば俺はそれでいいんだけど」

アリオンが興味なさそうに言う。

アリオンは旅はグルメだと思っているふしがある。

セリオンはこの美しい光景に圧倒された。

ここが湖畔の都シュトックホルム。

それはまるで芸術のようにきれいで、新鮮だった。

「! スルト総長! シュヴィーデン当局から連絡が来ています」

シエルが真剣な表情で応対する。

「私たちの船の入港許可を申請するようですー」

「うむ、つないでくれ」

「未確認の飛空艇に連絡します。こちらはシュヴィーデン港湾局。入国の目的を確認します」

「我々はシュヴィーデン王国から招待されたテンペルの者だ」

「テンペル? シベリア人の? はい、確認いたしました。入港許可が出ています。飛空艇シーベリオンと認識しました。間違ってはいませんね?」

「そのシーベリオンで合っている」

「それでは湖をそのままお進みください。それではあなたがたの滞在が良きものになることを願っています。シュヴィーデンにようこそ!」

「かたじけない。感謝する」

「それでは本艦は湖をそのまま進みますぞ?」

サラゴンがスルトを見る。

スルトは首を縦に振った。

こうして、セリオンたちのシュヴィーデン滞在が始まった。




セリオンたちはブリッジから降りた。

セリオンたちはシュヴィーデン側の要人から迎え入れられた。

「ようこそ、シュヴィーデンへ! 私たちはあなたがたを歓迎したします!」

シュヴィーデンの面々が敬礼をする。

出迎えに現れたのは近衛騎士団だろうか。

ひときわ、目立つ金髪の青年がいた。

彼は騎士団の前に立っていた。

「私は宰相のオルフェオ・オクセンシェルナ(Orfeo Oxensjerna)です。今回の招待を企画したのは私です。スルト総長、初めまして」

「初めまして、宰相閣下。お会いできてうれしい。私はスルト・ボルグだ。テンペルの総長を務めている」

スルトとオルフェオがあいさつし、握手する。

「私はアンシャル・シベルスクです。初めまして。お会いできてうれしいです」

アンシャルもオルフェオとあいさつをする。

セリオンはそれをじっと眺めていた。

ふと、セリオンは何かを感じた。

「何だ?」

セリオンは周囲を見渡す。

なんだろう? どこか悪意のようなものをセリオンは感じた。

それが何かは分からないが、セリオンには明確に感じられるものだった。

「あなたがセリオン・シベルスク殿? その名はシュヴィーデンにも轟いております。初めまして」

オルフェオが手を出す。

「いったいどういううわさかは知らないが、うわさには責任を持てないぞ? 初めまして」

「フフフフ、セリオン殿は冗談がお好きのようだ」

セリオンはオルフェオと握手した。

オルフェオはセリオンの後ろにいたエスカローネに視線を向ける。

「美しいフラウ、よろしければお名前をうかがっても?」

「はい、エスカローネ・シベルスカと申します。セリオンの恋人です」

「なんと。セリオン殿はこれほどの美女を恋人にしておられるとは。わたくし、嫉妬してしまいそうだ。初めまして。できればあなたとお近づきになれたらいいのですが」

「……」

「オルフェオ閣下! そろそろ時間が来ています! 歓迎式典に臨みましょう!」

オルフェオの部下らしい女性が間に入る。

「ふむ……もうそんな時間か。わかった。それでは皆様、シュヴィーデンは遠路はるばるやって来た皆様を歓迎します。どうぞ、このままお進みください」

オルフェオが一礼した。

スルトが先頭に立って、進んでいく。

「あの宰相! エスカローネに色目を使った!」

セリオンが怒りをぶちまけた。

セリオンとしては自分の恋人にアプローチされるのはおもしろくない。

「これ以上、言い寄られなければいいんだけれど……」

エスカローネも不安なようだ。

エスカローネはあまりあの手のナルシスティックなやからは苦手だ。

エスカローネからすれば話が合わないのだろうが。

一方的に話されるのが嫌なのだ。

かくして、シュヴィーデン側の式典が行われた。

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