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第14話 真実は光よりも鋭く
情報都市ヴィロス。
報道と通信、物流と金融の要衝――王都に次ぐ権力の温床。
広場の演壇に、一人の男が立つ。
外套のフードを外し、顔を見せる。
「……私の名は、ヨルン=ヴァルト。
かつて、王家の密偵として、数多の“口を塞いだ”者の記録を持っている」
ざわつく群衆。
彼はゆっくりと束ねられた書簡を持ち上げる。
「この帳簿には、王政が行ってきた全ての裏取り引きが記されている。
貴族間の殺し合いも、魔力資源の独占も、政敵の抹殺も――」
嘘のような真実に、民衆は戸惑い、同時に怒りを覚える。
ヨルンは一枚ずつ書簡を燃やしながら、淡々と読み上げていく。
最後に、彼は言った。
「真実は誰かの盾ではない。
自分の意思で見る者の“剣”だ」
その言葉に、ヴィロス中の若者たちが立ち上がる。
口を閉ざされてきた商人、隠されてきた病者、忘れられた発明家たちが――
「自分の“声”を取り戻す」運動を始めた。
それは“報道の自由”の象徴――
情報魔王の旗だった。




