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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
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治療開始 8

 次の日、いつもの検温や点滴が終わった後、予定通りCTを撮ることになった。

 私には事前に伝えられておらず、当日、「今日CT撮るから」と伝えられた。一定の期間ごとに検査するものだと理解し、特別な気持ちにはならなかった。

「CTで何をチェックするんですか?」

 私は看護師さんに尋ねた。返事にわずかなが空いたが、入院した時にも撮っていたので特別な緊張はなかった。

 だが、体調のことがどこか引っ掛かっていたのであろう。だからいつもは質問しないようなことを聞いたのだ。

「内臓の状態に何か変化がないか確認するの。さくらちゃん、最近食欲がないようだし、咳もまだ収まらないでしょう。そういうことを身体の中をチェックして確認するの」

「ふうん」

 分かったような分からない感じの返事だった。実際、看護師さんの回答では理解できなかった。でも、こういうことが入院なんだな、ということを実感していた。同室の患者さんたちも時々検査や治療ということで病室から離れることがある。私の場合、これまでそういうことがなかったため、改めて入院ということを実感させられたのだ。

 私はそのまま病室に戻り、いつものように昼食を摂り、母がやってくるのを待っていた。

 だが、いつもの時間になっても姿を現さなかった。私は何か急用でもできたのかな、くらいの気持ちだった。

 そう言えば、私が入院して以来、毎日顔を出している。家のこともあるだろうし、たまには来れないということもあるよね、という気持ちでいた。

 でも、何か用があるということを私は聞いていない。

 そんなことを考えていると母がやってきた。

「ごめん、ごめん。今日は遅れちゃったね」

 謝りながら病室にやってきた。焦ってきたためか、いつもと少し様子が違うように見える。

「お母さん、何かあったの? 今日はお母さんの方が疲れているように見える。大丈夫?」

「あらあら、入院している人に心配させちゃったね。ごめんね」

 言葉こそ明るい感じだが、言い終わった時の横顔が雰囲気がいつもと違う。

「やっぱり、いつもと違う」

「そう。・・・実は昨日、田舎のおじいちゃんとおばあちゃんがみえたのよ。さくらちゃんのことが心配だからって。それで夜遅くまでいろいろ話していたの。今日、帰られたのでお見送りしてきたの。お見舞いに行くと言っていたけれど、大勢で押し掛けるとさくらちゃんが疲れるだろうと、退院したらまた来るとおっしゃっていた。私が疲れているように見えるとすると、昨晩、遅くまで起きていたせいね」

「そうか、納得。でも、おじいちゃんとおばあちゃん、会いたかったな。でも退院したらまた会えるよね。そのことが聞けたから安心した」

 ただ、この話は母が咄嗟についた嘘だった。この時、私には分からなかったが、実は病室に来る前に、主治医の先生と話をしていたのだ。


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