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エピソード2.俺の異世界生活がこんなに可笑しい訳がない(仮)❹

誤字脱字報告貰えると助かります。

魔の森と聞いて禍々しい雰囲気の森を意識していたのだが、パッと見た感じでは普通な森にしか見えなかった。

しかし、先程から変わった動物のような『クエックエックエックックエ』と言う鳴き声が森中から響いている。


「おー、森だ。え、てかこの鳴き声何?モンスター?」


「木が鳴いてるのよ」


「なるほどなるほど、木がね?うんうん、木がね?なるほどねー。って、木がどうやって鳴くんだよ!?」


「いちいち反応がうざいわね。魔の森の木には口が付いてるんだから鳴くに決まってるじゃない」


「まじ?口、付いてんの!?」


ティティスはため息を吐きながらある木を指差した。

俺はその木に近付き間近で確認する。


「グエッグエッグエッグエッグッ!!」


その木には確かに口のようなものが付いていて、そこから不気味な鳴き声を発していた。


「うわぁ!?」


正直ビビってしまいその場に尻餅をついてしまう。


「不気味だけど、その木自体は私達を襲ってくる事はないわ、一応ね」


「い、一応って言うと?」


腰に付いた土を払いながら意味深な事を呟くティティスの言葉を待つ。


「……魔の森で死んだ人間の死体は食べるらしいわ。それもこの不気味な木の養分になってるらしいの」


「……………」


正直めちゃくちゃ恐ろしい木に思えてきた。

死体をくちゃくちゃ言わせながら食べる木達を想像すると身震いがした。

ま、まぁ死ななければどうと言う事はない、うん、俺は選ばれた異世界転移者でチート能力者なのだから俺は大丈夫なはずだ。


「さ、無駄話をしている暇はないわ。先を急ぎ……勇者、モンスターよ!」


ーーモンスター、突如出たその単語にまだ心の準備が出来ていない俺は思いっきり動揺してしまった。


「え!?どこっ!?モンスターどこっ!?」


ブーーンと小刻みに羽を動かしながらハチとトカゲが融合したようなモンスターが一匹姿を現した。


ーーしかし既に勇者は高速でモンスターの懐にまで接近しており、剣で突き刺しモンスターの息の根を止めた。


「リザードフライね」


モンスターの死骸を見てティティスが呟き勇者は相変わらずの無表情でコクンと頷いた。

つ、つえー!勇者めちゃくちゃつえーじゃん!くそ、これじゃあ俺の出番は中々回って来なそうな感じだな。


「イチロー気を付けなさい。コイツ死ぬ前に仲間呼んだっぽいわ!」


「は?え?仲間?」


ティティスの言葉を理解するのに時間がかかっている間に、遠くの方からさっきよりも強い、ブーーンと言う振動音が響いてくる。

そこで、初めて俺は、あぁ敵が大勢で来るのか!と思考が追い付いた。


ーー遠くの方から凄い速度で先程のハチとトカゲが融合したような容姿のリザードフライが一、二、三、いや四匹俺達目掛けて襲って来る。


「コイツは雑魚だけど、毒を持ってるから、イチロー?あんた気を付けてね!?」


「な、舐めんなって!俺だってやれるっつーの!」


来る、来る来るぞ!モンスターが俺目掛けて襲って来る!暫く俺の出番は回って来ないかと思ってたが、こうも早く俺のターンが回って来るなんて。


「よ、よし!来い!リザードフライ!」


俺は剣を構えてリザードフライの群れを待ち構える、しかし俺が剣を握り締めて棒立ちしている間に勇者は凄い速度でリザードフライの喉元を剣で突き刺し、瞬時に身体を捻りもう一匹のリザードフライの胸に剣を突き刺す、一瞬で二匹のリザードフライを仕留めてしまった。

ティティスも同様で、拳に鋭い刃先が付いている鉄製のグローブでリザードフライを殴り息の根を止めていた。


「イチロー!?一匹そっちに行ったわよ!?」


「あぁ!分かってるっつーの!」


ーー最後の一匹のリザードフライが待ち構えている俺目掛けて突進してくる。

来る、まじで来るぞ!くそ!手が震えやがる!

震える手を抑えるように両手で剣を握り絞め、不安を掻き消すように大声をあげる。


「くそトカゲがぁぁぁぁ!!」


叫び声とともに剣を振り下ろしリザードフライに斬りかかる。


ーーしかし剣は虚しく宙を斬っただけだった。

突如ブーーンと言う振動音が耳元で強く響く。


「え?」


その音のする方を振り向くと、目と鼻と先にリザードフライの姿があった。


「う、うわぁぁぁぁあ!?」


俺は情けない声をあげ、剣を落とし、再び尻餅をつく。

ブーーンと言う耳障りな振動音と共にリザードフライは『シャシャシャ』と言う鳴き声をあげた、確実に仕留められる獲物を見付けて喜んでいるのかもしれない。

やばい、やばいやばい、怖い、コイツ毒あるんだったっけ?ってか刺されて大丈夫なのか?まじで嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!


ーーリザードフライはへたり込んでいる俺目掛けて襲いかかって来た。


「ひぃぃぃ!?」


両腕で頭を塞ぎ込み石のように縮こる、意味があるのかないのか分からないが、リザードフライの攻撃を少しでも和らげようと咄嗟に身体が動いていた。


「…………あれ?」


暫く待っても、リザードフライから攻撃される事はなかった。

恐る恐る頭をあげて見ると、勇者がリザードフライの頭部を剣で突き刺し息の根を止めていた。

た、助かった。

正直やばいかと思った。


「ちょっと、あんた大丈夫!?」


ティティスが駆け寄り手を差し伸べてくる。

その手を見るとすげー惨めな気分になってきた。

あんだけ啖呵を切った割にすげーカッコ悪い所を晒してしまった。

羞恥心と変なプライドで、ティティスが差し出してくれる手を無視して立ち上がろうともしたのだが、何かそれもそれで逆にダサい感じがしたので、余り釈然としないが素直に差し伸べてくれた手を握る事にした。

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