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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第86話 《観測外》

白い。


どこまでも白い神域。


だが今、その空間は壊れ始めていた。


世界修復。


カインの覚醒。


固定されていた法則が解放され、神々の管理領域そのものが崩壊している。


《ERROR》


《管理権限消失》


《観測異常》


《定義不能存在拡大》


神々が動揺していた。


運命神アストラ。


時間神クロノス。


因果神ミラ。


絶対だった存在たち。


その全員が、初めて恐怖している。


原因は一人。


カイン


彼の周囲だけ、世界法則が成立していなかった。


時間が固定できない。


未来が読めない。


存在定義すらできない。


完全な異物。


その時だった。


神域のさらに上。


空間そのものが裂ける。


いや。


違う。


“世界”が開いた。


ゴォォォォォ……


全神域が震える。


神々が一斉に沈黙。


アストラの顔色が変わる。


アストラ


「……来る」


その瞬間。


時間停止。


空間固定。


因果停止。


神々すら完全停止した。


クロノスが動けない。


ミラが声を失う。


アストラですら指一本動かせない。


神域全体が、“視線”だけで支配される。


そして。


それは現れた。


巨大な“目”。


星より巨大。


宇宙より深い。


感情も生命感も存在しない。


ただ。


見ている。


世界を。


神々を。


存在そのものを。


観測者。


観測者


世界のさらに外。


神々すら管理する超越存在。


セリスが息を呑む。


セリス


だが。


彼女も動けない。


レグルスも。


ゼノも。


ルナも。


AL-0ですら演算停止。


ルナ


レグルス


ゼノ


AL-0


全てが凍る。


だが。


その中で。


ただ一人だけ。


カインだけが普通に立っていた。


「……またヤバそうなの来たな」


緊張感が薄い。


観測者の巨大な瞳が動く。


その視線がカインへ向く。


瞬間。


神域全体へ圧力が走った。


世界そのものが問いかけられている。


『なぜ存在する』


声ですらない。


認識。


世界の外から投げ込まれる絶対質問。


存在理由。


定義。


起源。


全てを問う言葉。


神々が震える。


観測者が直接問いかけるなど、本来あり得ない。


しかし。


カインは少し考えて。


面倒そうに頭を掻いた。


「なぜって言われてもな」


そして。


いつもの調子で答える。


「知らねぇよ」


沈黙。


神域が止まった。


アストラが目を見開く。


ゼノが吹き出しそうになる。


ルナが「そこでそれ言う!?」みたいな顔をしている。


観測者ですら、一瞬反応が止まった。


《ERROR》


《対象解析不能》


《存在定義失敗》


《観測不可能》


神域へ大量のエラーが走る。


観測者が初めて揺らぐ。


理解できない。


定義できない。


解析不能。


その時。


カインの周囲で、白いノイズが広がった。


世界法則拒絶。


観測そのものを拒む力。


観測者の視線が届かない。


初めて。


“観測する側”が。


観測不能へ直面した。


観測者の声がわずかに乱れる。


『……矛盾』


『理解不能』


『観測外存在』


カインは肩を竦める。


「だから最初からそう言ってるだろ」


その瞬間。


世界が軋んだ。


神域。


観測者。


神々。


全部を巻き込み。


物語は最後の領域へ踏み込む。



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