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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第85話 《世界修復者》

神域が崩れていた。


白い演算空間。


神々の世界。


そこへ無数のエラーが走る。


《WARNING》


《観測外因子出力上昇》


《世界法則接続異常》


《管理権限侵食開始》


神々が後退する。


あり得ない。


神域側が押されている。


原因は一つ。


カイン。


カイン


彼の周囲だけ空間が違った。


白いノイズ。


世界法則そのものが接続を拒絶している。


アストラが震える声を漏らす。


アストラ


「……本当に」


「目覚めるの……?」


カインは静かに立っていた。


周囲では戦争が続いている。


レグルスが神群を斬る。


レグルス


ゼノが空間ごと吹き飛ばす。


ゼノ


アイリスが血を流しながら戦う。


アイリス


セリスが叫ぶ。


セリス


ルナが術式を書き換え続ける。


ルナ


AL-0が限界演算を続ける。


AL-0


みんな戦っている。


世界を守るために。


その光景を見て。


カインはゆっくり目を閉じた。


思い出す。


自分は何なのか。


PROJECT:KAIN。


外世界因子。


世界修復存在。


閉じた世界を壊す鍵。


つまり。


普通の人間じゃない。


もしかしたら最初から、人間ですらなかったのかもしれない。


その考えは。


ずっと怖かった。


だが。


セリスの言葉を思い出す。


『あなたはあなたです』


ルナの笑顔。


アイリスの信頼。


レグルスの共闘。


ゼノの悪友みたいな態度。


みんな。


“カイン”を見てくれていた。


存在理由じゃない。


役割じゃない。


ただ。


自分自身を。


カインはゆっくり目を開く。


「……人間かどうかなんて」


静かな声。


「もう、どうでもいい」


空間が止まる。


神々が動揺する。


カインは前を見る。


戦っている仲間たち。


傷ついた世界。


守りたいもの。


全部。


ここにある。


だから。


「俺は」


「この世界を守る」


その瞬間。


創世神コアが共鳴した。


ドクン。


神域全体が震える。


《最終権限解放》


《世界修復者承認》


白い光。


いや。


違う。


世界そのものが、カインへ反応していた。


神々が一斉に警告を出す。


『危険』


『観測外存在覚醒』


『管理権限喪失』


アストラが叫ぶ。


「止めなさい!!」


遅い。


カインが手を伸ばす。


世界法則。


運命。


時間。


因果。


存在。


全部へ直接触れる。


そして。


上書きした。


ゴォォォォォォォォォッ!!


神域崩壊。


白い空間へ亀裂が走る。


神々の演算式が砕け散る。


《ERROR》


《管理システム崩壊》


《法則制御不能》


《世界再構築開始》


神々が恐怖する。


初めて。


絶対存在だった側が。


完全に怯えていた。


クロノスが後退する。


『時間軸が……書き換わる……!?』


ミラが絶叫。


『因果律が消えていく!?』


アストラの銀の瞳が震える。


「そんな……」


「世界そのものを……」


カインは静かに立っていた。


周囲の空間が変質していく。


神域が白から色を取り戻し始める。


固定されていた空。


停止していた可能性。


全部。


動き出す。


創世神コアが静かに告げた。


『世界修復開始』


『閉鎖世界解放』


『可能性再起動』


その瞬間。


世界中で異変が起きた。


止まっていた風が吹く。


固定されていた海が揺れる。


空が色を変える。


世界が。


生き返り始めていた。

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