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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第77話 《神域侵入》

世界は限界だった。


神々の侵攻。


時間改変。


因果固定。


現実崩壊。


各地で文明が消え始めている。


もう防衛では間に合わない。


人類側は理解していた。


神々を止めるには。


神域へ行くしかない。


王都地下。


神代文明最深部。


AL-0の管理中枢。


白い演算空間に全員が集まっていた。


巨大モニター群。


空間投影された世界地図。


そこには世界各地の崩壊状況が赤く表示されている。


『西部大陸、消滅率二十七%』


『南方国家群、時間崩壊発生』


『人類文明維持限界まで残り――』


AL-0が止まる。


その声にすら焦燥が混じっていた。


AL-0


『……残り時間は少ないです』


沈黙。


誰も軽口を叩けない。


セリスが静かに拳を握る。


セリス


「方法はあるの?」


AL-0が頷く。


空間へ新たな投影。


白い巨大構造体。


世界の外側みたいな空間。


『神域』


『世界管理中枢』


『神々本拠地』


その映像だけで空気が重くなる。


ルナが息を呑んだ。


ルナ


「……本当に実在してたんだ」


神々の世界。


現実のさらに上。


世界法則そのものを操作する領域。


普通なら到達不可能。


だが。


AL-0は静かに続けた。


『侵入経路を発見しました』


全員が顔を上げる。


モニターへ表示される。


神代文明隠し転送路。


創世文明が最後に残した対神用通路。


つまり。


神へ届く道。


アイリスが低く言う。


アイリス


「……行くしかないわね」


レグルスが剣を握る。


レグルス


「神を止める」


「それが今の勇者の役目だ」


そして。


部屋の隅。


巨大な魔力を纏った男が笑った。


魔王ゼノ。


ゼノ


「クク……」


「まさか神域へ殴り込みとはな」


「最高じゃないか」


圧倒的存在感。


だが今は敵ではない。


共闘。


世界最強クラスが一堂に集まっていた。


王女。


戦姫。


天才学者。


勇者。


魔王。


管理AI。


そして。


観測外存在。


人類側最終戦力。


その中心。


カインは少し困った顔だった。


カイン


「……なんかメンバー濃すぎない?」


今さらである。


ルナが即答。


「君が一番濃い」


正論だった。


AL-0が再び告げる。


『神域内部では世界法則そのものが敵になります』


『因果固定』


『時間停止』


『存在削除』


『通常生命体では生存不可能』


セリスが小さく息を吐く。


怖い。


当然だ。


相手は神。


世界そのもの。


だが。


隣を見る。


カインがいる。


いつも通り。


普通に立っている。


それだけで少し安心してしまう自分がいた。


セリスは苦笑する。


「……ほんと、ズルいわね」


「え?」


意味が分かってない。


その時。


転送装置が起動した。


ゴォォォォォ……


空間震動。


白いゲートが開く。


奥は見えない。


ただ。


人間が踏み込んではいけない領域だと、本能が理解できた。


AL-0が静かに言う。


『これより神域侵入を開始します』


『生還確率――』


少し止まる。


『計測不能』


誰も引かない。


レグルスが前へ出る。


アイリスが剣を抜く。


ゼノが笑う。


ルナが震えながら目を輝かせる。


セリスが覚悟を決める。


そして。


カインが言った。


「じゃ、行こう」


軽い。


だが。


その一歩で空気が変わった。


全員が続く。


世界最強メンバー。


神へ挑む最後の遠征。


人類史上最大の戦い。


そして。


全員が白いゲートへ踏み込んだ瞬間。


景色が変わる。


白。


無限の白。


重力感覚消失。


空間定義異常。


世界法則そのものが違う。


神域。


ついに。


人類が。


神の世界へ到達した。

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