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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第74話 《神殺し》

空が裂けた。


王都北部戦線。


崩壊した都市上空。


白い亀裂から、“それ”は降りてくる。


巨大。


あまりにも巨大。


人型ですらない。


白銀の球体。


その周囲を無数の光輪が回転している。


空間が歪み。


重力が崩れ。


存在するだけで街が崩壊していく。


AL-0が即座に警告。


『高位管理存在確認』


『下級神級権限反応』


『危険度――都市消滅級』


AL-0


人々が絶望する。


神。


本物。


今までの使徒ではない。


管理AIの端末でもない。


神域側本体。


それが初めて直接降臨した。


白い神が空へ浮かぶ。


そして。


無機質な声が世界へ響いた。


『文明抵抗を確認』


『修正処理を実行』


次の瞬間。


白光。


ドォォォォォォォン!!


街区一帯が消滅した。


爆発ですらない。


存在そのものが削除された。


建物。


道路。


人間。


全部。


最初からなかったみたいに消える。


騎士団絶叫。


「化け物……!」


ヴァレリアが軍勢へ怒鳴る。


ヴァレリア


「全砲門開けェ!!」


帝国魔導艦隊。


王国砲撃陣。


魔導連盟術式。


全部投入。


数千の魔法陣が空を埋め尽くす。


連合軍総力戦。


超火力。


国家決戦級。


だが。


神は動かない。


光の嵐が直撃。


爆炎。


衝撃波。


大地崩壊。


しかし。


煙が晴れた時。


神は無傷だった。


『抵抗確認』


『意味なし』


絶望。


アイリスが飛び出す。


アイリス


超高速斬撃。


神域級剣技。


だが。


剣が届かない。


空間そのものが拒絶している。


勇者レグルスも神殺し属性を解放。


黄金斬撃。


初めて神へ傷が入る。


しかし浅い。


神は止まらない。


『修正続行』


白光集束。


今度は王都中心部へ照準。


終わる。


誰もがそう思った。


その時。


前へ出る人影。


カイン。


カイン


「……もうやめろよ」


小さな声。


神が視線を向ける。


『観測外存在確認』


『最優先削除対象』


空間固定。


重力崩壊。


因果拘束。


全部同時発動。


だが。


カインは普通に歩く。


まるで風の中を歩くみたいに。


神が初めて沈黙した。


カインは空へ飛ぶ。


誰も見えなかった。


次の瞬間には。


もう神の目の前。


「お前ら」


「人を消しすぎだ」


そして。


触れた。


ただ。


手を伸ばして。


神へ。


触れる。


――……。


静寂。


次の瞬間。


神の身体へ亀裂が走った。


バキ。


バキバキバキィィ!!


白い巨体が崩れ始める。


違う。


破壊じゃない。


もっと根本。


神の存在情報そのものが壊れている。


『ERROR』


『定義維持不能』


『存在座標崩壊』


神の身体がノイズ化。


輪郭が消える。


光輪が砕ける。


世界法則との接続が断裂。


まるで。


“存在そのものを否定された”みたいに。


神は絶叫すらできなかった。


そのまま。


白い粒子となって消滅する。


完全消失。


神。


死亡。


世界初。


神殺し。


静寂。


誰も動けない。


ヴァレリアが掠れ声で呟く。


「……嘘だろ」


レグルスも固まる。


神を。


壊した。


しかも。


一撃。


カイン本人は少し困惑していた。


「……あれ?」


「なんか消えた」


なんか消えたじゃない。


神です。


その瞬間。


世界全域。


神域側ネットワークが暴走した。


白銀空間。


無数の神々。


そこへ。


赤い警報が鳴り響く。


《WARNING》


《管理個体消失》


《原因:観測外存在》


《危険度再測定》


《致命的》


神々が。


初めて。


“死”を認識した。

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