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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第46話 《神話魔獣》

創世迷宮アーカディア。


第三層。


転送を終えた瞬間。


遠征隊全員の顔色が変わった。


空が赤い。


大地は黒。


どこまでも荒野。


空気が重い。


まるで世界そのものが腐っていた。


そして。


いる。


無数に。


「……嘘だろ」


S級冒険者が震える。


地平線。


黒い影が並んでいた。


狼。


巨大。


一体だけでも災害級。


かつて王国を恐怖へ叩き込んだ《黒狼フェンリル》。


その同格。


いや、それ以上。


何十。


何百。


群れていた。


ルナの顔から血の気が引く。


「神話級魔獣群……!」


「あり得ない……!」


普通なら国家滅亡案件。


それが群れ。


絶望だった。


次の瞬間。


遠吠え。


――グルォォォォォォ!!


空気震動。


魔力嵐。


遠征隊後方が吹き飛ぶ。


兵士たちが悲鳴を上げた。


「来るぞ!!」


群れが動く。


地響き。


超高速。


一瞬で前線到達。


騎士団が迎撃。


だが。


通じない。


「硬すぎる!?」


「魔法が抜けない!!」


フェンリル級。


普通の魔物ではない。


世界法則そのものを侵食する神話存在。


一体で軍団級。


それが大量。


前線崩壊。


ヴァレリアが前へ出る。


赤い魔力が爆発した。


「下がれ!!」


超軍事魔法展開。


空中へ巨大魔法陣。


数百の砲撃術式。


「――焼き尽くせ!!」


轟音。


大地蒸発。


爆炎奔流。


神話魔獣群へ直撃。


数体吹き飛ぶ。


だが。


止まらない。


爆炎を突き破り、黒狼たちが突進してくる。


ヴァレリアの目が険しくなる。


「化け物かよ……!」


その横。


銀閃。


アイリス。


超高速剣技。


一瞬で三体斬断。


だが。


再生。


神話魔獣の傷が閉じる。


アイリスが舌打ちする。


「再生能力まであるのか!」


さらに。


空から巨大影。


竜。


神話級飛竜。


ブレス発射。


遠征隊後方消滅。


完全地獄。


グラディオが叫ぶ。


「結界維持!!」


教国聖術師たちが必死に支える。


だが押される。


数が違いすぎる。


セリスは青ざめていた。


「このままでは……」


全滅。


誰もが理解した。


その時。


後方。


カインだけが状況を見ていた。


「まずいな……」


珍しく真面目な顔。


彼は前へ出ない。


最初に向かったのは。


避難。


吹き飛ばされた兵士を抱え、安全圏へ移動。


崩れた結界を押さえる。


落下しかけた術師を助ける。


本人は自然だった。


だが。


そのたび。


空間が歪む。


神話魔獣たちが近づけない。


世界そのものが拒絶していた。


ルナが震える。


「……避難優先で世界法則歪んでる」


怖い。


その時。


巨大フェンリルが咆哮。


超高密度魔力砲。


遠征隊中央へ。


直撃すれば終わる。


アイリスが叫ぶ。


「カイン!!」


次の瞬間。


カインが振り向いた。


「うるさい」


軽く。


本当に軽く。


手を振った。


世界が消えた。


――――。


無音。


次の瞬間。


ドゴォォォォォォォォォォォォン!!


衝撃波。


空間震断。


黒い地平線。


そこにいた神話魔獣群が。


消滅していた。


一直線に。


地平線ごと。


大地が抉れ。


空が裂け。


雲が吹き飛ぶ。


誰も声を出せない。


ヴァレリアの顔が完全に引きつっていた。


「……は?」


アイリスすら絶句。


ルナはもう笑うしかない。


「また世界削ったぁ……」


神話級魔獣群。


国家滅亡級災害。


それが。


一瞬で消えた。


カイン本人だけ困惑していた。


「……やりすぎた?」


かなり。


その時。


遠征隊後方。


魔族代表団。


リィナが小さく震えていた。


その瞳が。


初めて恐怖を宿す。


「……違う」


彼女はカインを見つめる。


まるで。


“何か”を思い出したように。


そして小さく呟いた。


「この人……本当に“外側”だ」

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