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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第41話 《神代迷宮アーカディア》

王都から南西へ七日。


世界中央大陸。


誰も近づかない死地。


その場所を見た瞬間。


遠征隊の誰もが言葉を失った。


「……なんだ、あれは」


巨大だった。


あまりにも。


大地そのものが裂けている。


直径数十キロ。


果ての見えない超巨大縦穴。


周囲には崩壊した神代文明遺跡。


黒い塔。


砕けた浮遊構造物。


空間が歪んでいる。


時々。


空にノイズみたいな光が走った。


世界が壊れかけているみたいだった。


その中心。


奈落の底へ続く巨大ゲート。


神代迷宮アーカディア。


世界最大。


そして。


世界最悪のダンジョン。


遠征軍は完全に沈黙していた。


各国精鋭。


S級冒険者。


王国騎士。


帝国軍。


教国聖騎士。


魔導連盟術者。


誰もが緊張している。


理由は単純。


生還率が低すぎる。


セリスが静かに説明を始めた。


「神代迷宮アーカディア」


「確認されているだけで、三千年以上存在しています」


ルナが興奮混じりに続ける。


「神代文明ですら未踏破!」


「深度不明!」


「階層数不明!」


「内部法則変動確認!」


「空間歪曲あり!」


誰も喜んでない。


ルナだけテンションが違う。


ヴァレリアが腕を組む。


「つまり」


「入ったら何が起きるか分からんってことか」


「はい!」


ルナ笑顔。


怖い。


AL-0のホログラムが浮かぶ。


『補足説明』


『迷宮内部では階層ごとに法則変動が発生』


『重力変化』


『時間流速変動』


『空間断裂』


『存在情報侵食』


『概念消滅現象』


説明が怖すぎる。


S級冒険者の一人が青ざめた。


「概念消滅ってなんだよ……」


『存在そのものが消滅します』


即答。


空気が重い。


グラディオが低く言う。


「……神の領域か」


その時。


遠征隊後方がざわついた。


「あいつが……」


「本当に来たのか」


「観測外……」


視線。


全部カインへ向いている。


カインは居心地悪そうだった。


「なんでそんな見られてるんです?」


理由しかない。


神託事件。


学園崩壊。


神代施設完全認証。


もはや世界中で知られている。


特に冒険者たちは敏感だった。


強者の気配。


だが。


カインだけは違う。


“何も感じない”。


それが逆に怖い。


S級冒険者の巨漢が汗を流す。


「……化け物の気配すらしねぇ」


隣の女冒険者も頷く。


「底が見えないどころじゃない」


「存在感が空白」


ヴァレリアは面白そうにカインを見る。


「随分人気者だな」


「やめてくださいよ……」


本人は本気で嫌そうだった。


その時。


大地が震えた。


ゴゴゴゴゴ……


全員即座に警戒。


迷宮入口。


巨大ゲート表面へ光が走る。


神代文字発光。


AL-0が静かに告げる。


『反応確認』


『迷宮外壁システム起動』


空気が張り詰める。


誰も動けない。


神代迷宮。


数千年間。


完全封鎖状態。


神代文明すら開けられなかった入口。


それが。


ゆっくり。


カインの方を向いた。


「……え?」


カイン固まる。


次の瞬間。


轟音。


――ゴォォォォォォォ!!


巨大ゲート起動。


数千年分の砂塵が吹き荒れる。


神代文字が次々点灯。


空中魔法陣展開。


迷宮全体が震え始めた。


遠征隊絶句。


ルナは半泣き。


「開いた……」


「本当に……!」


AL-0が淡々と告げる。


『最上位認証確認』


『創世迷宮アーカディア』


『管理モード変更』


そして。


巨大ゲート中央へ、文字が浮かぶ。


《WELCOME》


全員凍結。


神代迷宮が。


カインを歓迎していた。

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