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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第40話 《世界会議》

王都ルクセリア。


王城・第一大議場。


普段なら各国要人ですら簡単には入れない場所。


だが今日だけは違った。


世界規模緊急会議。


議題は一つ。


《観測者対策》


重厚な円卓。


各国旗。


張り詰めた空気。


そこに集まっていたのは、この世界の頂点たちだった。


王国代表。


帝国代表。


教国使節。


魔導連盟主席。


獣王国大使。


そして――


魔族代表。


普通なら絶対に同席しない面子。


それほど状況が異常だった。


議場中央。


セリスが静かに立つ。


「これより緊急世界会議を開始します」


王女としての顔。


疲労は隠せない。


だが気丈だった。


その背後。


カインが座っている。


完全に場違い。


しかも普通にパンを食べていた。


ヴァレリアが眉をひそめる。


「……あれが?」


帝国最強将軍。


燃えるような赤髪。


鋭い目。


軍服姿。


圧倒的威圧感。


それが彼女だった。


隣の帝国騎士たちは緊張している。


だがヴァレリア本人は笑っていた。


「面白いじゃない」


「あの空気で普通に飯食ってるぞ」


一方。


教国側。


白銀鎧の男が冷たくカインを見ていた。


聖騎士グラディオ。


神絶対主義。


教国最強戦力。


その視線には明確な敵意があった。


「……危険だな」


低い声。


「神託を乱す存在など、存在してはならない」


空気が少し冷える。


アイリスが即座に睨み返した。


「試してみるか?」


殺気。


周囲が固まる。


グラディオも一歩も引かない。


「必要ならば」


火花。


国家最強クラス同士。


空気が張り詰める。


だが。


カインだけが気づいていない。


「このパンうまいな……」


緊張感ゼロ。


ヴァレリアが吹き出した。


「ははっ」


「本当に変な奴だな」


その時。


議場中央へ光が走った。


神代術式展開。


青白いホログラム形成。


AL-0。


神代文明管理AI。


無機質な瞳が全員を見渡す。


一瞬で空気が変わった。


誰も軽口を叩けない。


文明レベルが違う。


存在感そのものが異質だった。


『会議開始を確認』


『情報開示を実行します』


空中へ映像投影。


神代文明滅亡記録。


崩壊する都市。


空を覆う光。


世界を書き換えるような現象。


そして。


白い巨大存在。


観測者。


議場が静まり返る。


魔導連盟主席が震える声を出した。


「これが……神?」


AL-0は即答する。


『現代文明翻訳における最適呼称』


『個体群名称:観測者』


『役割:世界管理』


セリスが静かに補足する。


「神々は世界を維持している存在……」


「ですが」


「同時に、“異常”を排除します」


その視線が。


ゆっくりカインへ向く。


全員理解した。


異常。


つまり。


カイン。


グラディオが鋭く立ち上がる。


「ならば結論は明白だ」


「排除すべきだ」


瞬間。


空気が凍る。


教国騎士団が動く。


アイリスの魔力が膨れ上がる。


ヴァレリアは面白そうに笑う。


「おー怖」


レオンも静かに警戒姿勢。


だが。


一番恐ろしいのは。


カイン本人が普通に困っていることだった。


「いや、俺そんな危険じゃ……」


その瞬間。


議場の結界が軋む。


ミシッ。


全員硬直。


ただ困っただけでこれ。


グラディオの額に汗が流れる。


彼は初めて理解した。


目の前の少年は、


理屈の外側。


敵対した瞬間、


国家では止められない。


その時。


AL-0が空中へ新たな映像を映す。


巨大な縦穴。


果ての見えない超深層。


神代文字。


古代都市。


そして。


中心で輝く巨大構造物。


議場全体が息を呑む。


『神代最終保管領域』


『創世迷宮アーカディア』


ルナが立ち上がる。


「まさか……!」


AL-0は続ける。


『観測者対抗手段』


『創世級遺産保管確率:89.7%』


『現文明単独攻略成功率:0.0002%』


絶望的数字。


しかし。


次の言葉で空気が変わった。


『システム外存在同行時』


一瞬。


AL-0の視線がカインへ向く。


『攻略成功率、大幅上昇』


静寂。


全員。


ゆっくりカインを見る。


カイン、嫌な予感しかしない。


「……え?」


AL-0は感情なく告げた。


『対抗手段は創世迷宮のみ』


世界の命運を懸けた迷宮攻略が。


今、始まろうとしていた。

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