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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第37話 《神代中枢》

地下最深部。


開かれた巨大扉の先。


そこに広がっていた光景を見て、誰も言葉を失った。


「……なんだ、これ」


レオンが呟く。


無理もない。


空間そのものが異常だった。


地下とは思えないほど広い。


いや。


広すぎる。


天井が見えない。


黒い金属柱が何百本も並び、空中には青白い光輪が浮かんでいる。


巨大な魔法陣。


だが現代魔法とは構造が違う。


複雑すぎる。


次元が違う。


まるで。


文明そのもののレベルが違っていた。


ルナは完全に壊れていた。


「うわぁぁぁぁぁ!!」


「神代文明!!」


「本物!!」


「やばい!!」


語彙力が死んでいる。


彼女は壁へ駆け寄る。


刻まれた古代文字。


立体術式。


浮遊する情報板。


全部が未知。


「演算式だ……!」


「待ってこれ現代理論じゃない!」


「空間層そのものを――」


途中から誰も理解できない。


教師陣も顔面蒼白だった。


「解析不能……」


「こんな技術体系……」


現代文明は、神代文明の残骸を再利用しているだけ。


そう言われてきた。


だが。


実物を見ると絶望的だった。


差がありすぎる。


現代魔法が石器に見えるレベル。


セリスが静かに周囲を見る。


「これほどの施設が、学園地下に……」


アイリスも警戒を解かない。


「嫌な感じがする」


生きているみたいだった。


この施設そのものが。


その時。


壁面へ光が走った。


――ピッ。


文字列浮上。


誰も読めない。


……はずだった。


カインだけを除いて。


「……アクセス権限確認?」


全員が振り向く。


ルナが止まる。


「今なんて?」


カインが困惑する。


「え?」


「なんか普通に読めました」


空気凍結。


教師陣絶句。


「読める……?」


「神代文字を……!?」


ルナが爆速で詰め寄った。


「なんで!?」


「いや俺に聞かれても!?」


実際その通りだった。


だが。


カインには自然に理解できてしまう。


文字を見た瞬間。


意味が頭へ流れ込む。


まるで最初から知っていたみたいに。


さらに。


施設そのものが反応していた。


カインが歩くたび。


通路灯起動。


封印解除。


術式展開。


まるで歓迎されている。


ルナが震える。


「……認識されてる」


「施設側が」


教師の一人が青ざめた。


「馬鹿な……」


「数千年前の文明だぞ……」


あり得ない。


神代文明は滅びた。


なのに。


この施設は今もカインを“認証”している。


その時。


中央空間へ到達する。


そこはさらに異常だった。


巨大球体。


直径数十メートル。


青白い光を脈動させる演算核。


周囲へ無数の光線が伸びている。


まるで文明そのものの心臓。


ルナが完全に発狂した。


「演算炉心だぁぁぁ!!」


「神代演算装置!!」


「伝説じゃなかった!!」


彼女は興奮しすぎて倒れそうだった。


一方。


カインは中央核を見て妙な感覚を覚える。


呼ばれている。


そんな感覚。


気づけば自然に近づいていた。


「カイン!」


セリスが止めようとする。


だが。


遅い。


カインが中央核へ触れた。


瞬間。


世界が震えた。


――ゴォォォォォォォォン!!


轟音。


施設全域発光。


消えていた光が一斉点灯。


浮遊術式起動。


空中魔法陣展開。


数千年間停止していた神代施設が。


今。


再起動する。


教師陣悲鳴。


「動いた!?」


「核が起動している!!」


ルナは涙目で叫ぶ。


「やばい!!」


「これ文明レベルの遺産だよ!?」


その時。


中央核表面へ文字が浮かぶ。


《中央管理システム起動》


《管理AI接続中》


《認証対象確認》


静寂。


そして次の瞬間。


空間中央へ、青白い光が集まり始めた。


人型。


女性の輪郭。


ゆっくり形成される。


誰も動けない。


神代文明。


その中枢。


数千年眠っていた存在が。


今。


目を開こうとしていた。

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