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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第27話 《生徒会》

王立魔導学園・中央棟。


最上階。


《生徒会室》。


そこは、ただの学生組織の部屋ではなかった。


王族。


公爵家。


大貴族。


未来の国家中枢を担う者たちが集う場所。


事実上の“学園支配機関”。


そして今。


その重厚な扉の前で、カインは非常に帰りたそうな顔をしていた。


「……今からでも逃げていいですか?」


「無理です」


セリスが即答する。


ルナは面白そうに笑っていた。


「いやー、生徒会が直々に呼び出しかぁ」


「完全に危険人物扱いだね!」


「笑い事じゃないですよ……」


アイリスは壁際に立ったまま腕を組んでいる。


「安心しろ」


「お前の方が怖い」


慰めになっていなかった。


その時。


生徒会室の扉が開く。


中から現れたのは、一人の少女。


長い黒髪。


鋭い紫眼。


整った美貌。


だが表情は氷みたいに冷たい。


「お待ちしていました」


淡々とした声。


副会長――シオン。


学園内でも有名な才女だった。


情報処理。


戦略。


諜報。


あらゆる分野で異常な能力を持つ。


そして今。


その冷たい瞳が、カインを観察している。


まるで未知の危険物を見るように。


「どうぞ」


促され、中へ入る。


瞬間。


空気が変わった。


広い部屋。


巨大机。


高級魔導器。


壁一面の書庫。


そして中央。


一人の青年が座っていた。


銀髪。


端正な顔立ち。


洗練された気配。


生徒会長。


レオン・アルヴェルト。


王国公爵家嫡男。


学園最強クラス。


完全無欠の天才。


――と、世間では言われている。


その隣には。


巨大な男が腕組みしていた。


筋肉。


圧。


威圧感。


会計ベルク。


見るからに脳筋だった。


ベルクはカインを見るなり鼻を鳴らす。


「……随分普通だな」


カインが困る。


「よく言われます」


「普通の奴が空割るかよ」


正論だった。


レオンが静かに口を開く。


「座ってくれ」


カインが座る。


すると。


――ミシッ。


椅子の魔導補助術式が壊れた。


生徒会沈黙。


カイン青ざめる。


「すみません!?」


まだ座っただけだった。


シオンが無表情でメモを書く。


「接触型術式崩壊。昨日より干渉範囲増加」


怖い。


レオンは冷静だった。


だが目だけ鋭い。


「単刀直入に言おう」


「君は現在、学園秩序を破壊している」


「えぇ……」


理不尽だった。


だが否定できない。


レオンは指を折りながら並べていく。


「魔力測定器を蒸発」


「学園結界歪曲」


「教師陣混乱」


「生徒間派閥分裂」


「崇拝現象発生」


「神託暴走」


「空間断裂」


途中から規模がおかしい。


カインはどんどん小さくなっていく。


「……ごめんなさい」


素直。


だが。


それが逆に怖い。


普通、人はここまでのことを起こせば傲慢になる。


なのに。


本人だけ、本気で一般人感覚。


シオンが静かに言った。


「あなた、自分の危険性を理解していますか?」


「危険なんですかね……?」


「危険です」


即答だった。


その時。


ベルクが机を叩いて立ち上がる。


「回りくどい!」


巨体が前へ出る。


「要は力見せろって話だろ?」


完全に脳筋。


シオンが小さくため息。


レオンは止めない。


むしろ観察していた。


ベルクはカインを見下ろす。


「お前、本当にそんな強いのか?」


「いや俺そんな――」


「なら試す!」


速かった。


ベルクの拳が振り下ろされる。


魔力強化済み。


床が割れるほどの重打。


だが。


拳がカインへ届く寸前。


――バチィッ!!


空間が歪んだ。


ベルクの強化術式が崩壊。


次の瞬間。


「ぐおっ!?」


ベルク自身が吹き飛んだ。


ドゴォォン!!


壁激突。


生徒会室半壊。


静寂。


カイン本人が一番驚いていた。


「えぇ!?」


ベルクが瓦礫から起き上がる。


目を見開いていた。


「……何した?」


「何もしてないです!?」


本当だった。


シオンが静かに分析する。


「接触前に術式分解」


「魔力構築そのものが維持できていない」


ルナが目を輝かせる。


「やっぱり世界法則干渉だ!」


レオンは黙ってカインを見ていた。


視線が変わっている。


警戒。


いや。


確認。


彼は理解し始めていた。


この少年は。


“強い”では済まない。


存在そのものが異常。


そして。


だからこそ。


放置はできない。


レオンはゆっくり立ち上がる。


室内空気が変わる。


学園最強クラスの圧。


ベルクとは格が違う。


「……なるほど」


銀色の瞳が細まる。


「口頭確認では不十分だ」


カインが嫌な予感を覚える。


レオンは静かに告げた。


「実力確認を行う」

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