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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第26話 《英雄の学園生活》

朝。


王立魔導学園。


巨大な白亜の校門前は、普段以上の騒がしさに包まれていた。


理由は一つ。


「来るらしいぞ」


「マジで?」


「神託の……」


ひそひそ声。


ざわめき。


妙な緊張感。


そして次の瞬間。


校門前の空気が止まった。


カインが来た。


「おはようございます」


普通だった。


本当に普通。


寝癖少しついてる。


制服も若干着崩れてる。


片手にはパン。


どう見ても一般学生。


なのに。


周囲の反応だけが異常だった。


「き、来たぁ……!」


「空割った人だ……」


「神々の観測外……」


「目合わせると消されるって本当?」


どんな噂だ。


カイン本人は気づいていない。


「……?」


むしろ視線の多さに困惑している。


前を歩くだけで、人が割れた。


モーゼ状態。


生徒たちが左右へ避ける。


完全に腫れ物扱いだった。


一方で。


女子生徒グループの一部は目を輝かせている。


「見た!? 今こっち見た!」


「顔普通にかっこよくない!?」


「英雄様だよ!?」


崇拝派だった。


さらに別方向では。


「ただの成り上がりだろ」


「偶然に決まってる」


「なんであんな奴が……」


嫉妬派もいる。


学園内は完全分裂状態だった。


本人だけが置いていかれている。


カインは小さくため息を吐いた。


「学校来づらい……」


後ろからルナが笑う。


「人気者じゃん!」


「絶対違いますよね?」


ルナはケラケラ笑っていた。


今日もテンションがおかしい。


「いやぁでも神託公開はヤバかったね!」


「世界中で観測外認定とか!」


「歴史の教科書確定だよ!」


「やめてください」


カインは本気で嫌そうだった。


その横を歩くセリスは疲れ切った顔をしている。


「実際、外交問題になっています」


「うわぁ……」


「帝国が正式抗議」


「教国が神聖認定要求」


「一部貴族は暗殺計画継続」


情報が重い。


カインが真顔になる。


「学校って平和じゃないんですか?」


「あなたが来る前は」


否定できなかった。


その時。


廊下向こうから数人の男子生徒が歩いてきた。


高級制服。


貴族派閥。


そして。


カインを見るなり立ち止まる。


空気が張る。


周囲も息を呑む。


だが。


リーダー格らしい男子は、わずかに視線を逸らした。


「……行くぞ」


誰も絡まない。


というより。


怖くて近づけない。


以前なら確実に喧嘩を売っていたタイプですら、今は距離を取る。


カインは複雑そうだった。


「なんか嫌われてません?」


アイリスが後ろから即答した。


「恐れられている」


もっと重かった。


教室へ入る。


瞬間。


全員起立した。


ガタンッ!!


カインが止まる。


「えっ」


誰も座らない。


妙な緊張感。


まるで王族でも来た空気。


カインが困惑する。


「座ってください!?」


その瞬間。


一人の男子生徒が慌てて椅子へ座った。


すると周囲も連鎖的に座る。


完全に圧迫面接状態だった。


カインが頭を抱える。


「普通にしたい……」


無理だった。


授業中も異常。


教師が黒板へ術式を書く。


「では、この火炎術式の基本構成を――」


チラッ。


教師がカインを見る。


妙に緊張している。


「……カイン君はどう思う?」


「えっ俺ですか!?」


周囲が一斉注目。


カインは焦る。


「いや、その……よく分かんないです」


その瞬間。


教室空気が揺れた。


黒板術式が崩壊。


バチィッ!!


火炎魔法陣が消滅。


教師沈黙。


生徒絶句。


ルナだけ爆笑。


「やっぱ無意識干渉してる!!」


カイン青ざめる。


「すみません!!」


最近ずっと謝っている。


教師は乾いた笑みを浮かべた。


「……休憩にしましょうか」


授業終了。


早い。


昼休み。


カインは逃げるように中庭へ向かっていた。


だが。


途中で止まる。


廊下中央。


数人の学生が待っていた。


全員、腕章をつけている。


生徒会。


その中心。


銀髪の美青年が静かに言った。


「カイン・ヴェルクロフト」


周囲がざわめく。


学園支配層。


生徒会長レオン・アルヴェルト。


その本人だった。


レオンは冷静な目でカインを見る。


まるで品定め。


「生徒会室へ来てもらおう」


空気が変わる。


学園中が息を呑んでいた。


ついに。


学園最高権力が動き出す。

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