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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第117話 《境界存在》

世界境界完全解放。


その瞬間。


宇宙が止まった。


カイン


音が消える。


光が止まる。


時間が凍る。


いや。


“全時間”が静止した。


過去。


現在。


未来。


その全部が、一つの瞬間へ固定される。


レオンが剣を振るった姿。


セリスが叫んだ瞬間。


ルナの演算。


ゼノの黒炎。


全部。


止まっていた。


観測者すら停止する。


観測者


宇宙再起動演算が停止。


世界初期化処理中断。


白黒演算宇宙そのものが凍結される。


その中心。


カインだけが動いていた。


白。


黒。


二つの光が彼の周囲を回転する。


固定世界。


無限可能性。


本来なら絶対に混ざらない二つ。


それが今。


融合を始めていた。


空間そのものが変質する。


白銀数式宇宙。


黒色可能性海。


両方がカインを中心に渦を巻く。


そして。


一つになる。


白黒宇宙融合。


観測者が警告を発する。


『理解不能』


『世界境界消失』


『固定と非固定の融合を確認』


『演算不能』


カインは静かに空を見る。


そこには。


宇宙方程式が浮かんでいた。


世界式。


存在定義。


因果構造。


全部。


今の彼には見えていた。


理解ではない。


もっと直感的。


“触れられる”。


カインは手を伸ばす。


すると。


因果線が指へ絡みつく。


だが。


彼はそれを簡単に引き千切った。


観測者が震える。


『因果律無効化確認』


次。


カインが視線を向ける。


すると。


崩壊していた時間樹が再構築される。


だが。


以前と違う。


固定された未来が存在しない。


枝が無限に揺れている。


自由化された時間。


観測者が解析を試みる。


『未来予測――』


『不可能』


『全未来不確定』


カインは笑う。


「未来なんてそんなもんだろ」


次の瞬間。


彼の周囲で宇宙そのものが書き換わる。


重力方向変更。


時間速度自由化。


存在定義改変。


世界法則が“選択可能”になっていた。


ルナが震える。


ルナ


「世界法則を……」


「固定じゃなく“自由化”してる……!?」


その通りだった。


観測者は管理した。


法則を固定した。


だが。


カインは違う。


可能性を閉じない。


世界そのものへ“自由”を与えている。


セリスが息を呑む。


セリス


「これが……」


「境界存在……」


神々を超えていた。


創世神すら超越。


今のカインは。


世界と外界。


両方へ干渉できる唯一存在。


境界そのもの。


観測者が演算を続ける。


だが。


結果は変わらない。


『世界管理権限喪失』


『固定世界維持不能』


『境界存在による法則再定義を確認』


その時。


カインがゆっくり前へ出る。


彼が歩くだけで。


崩壊していた世界が安定する。


外界侵食が静止する。


時間停止区域が解除。


存在崩壊が修復される。


世界が。


カインへ同期していた。


だが。


その瞬間。


白黒融合宇宙のさらに奥。


“何か”が動いた。


観測者が初めてノイズ混じりの声を出す。


『……検知』


『外界深層反応』


『最上位存在接近』


空間が歪む。


可能性の海が裂ける。


宇宙が軋む。


そして。


無限混沌の奥から。


それは現れた。


形がない。


概念もない。


見るたび変わる。


未来ごとに姿が違う。


存在そのものが“未確定”。


外界そのもの。


無限可能性の中心。


外界本体が。


ついに出現した。

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