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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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第103話 《全国家連合》

世界は、もう一つだった。


国家も。


種族も。


宗教も。


全部。


そんなものを争っている余裕は、もう残されていなかった。


赤い空の下。


王都中央。


崩壊しかけた世界会議場へ、各勢力代表が集結する。


最後の会議。


人類存続を賭けた連合結成。


巨大ホールの中央には、世界地図が投影されていた。


だが。


半分以上が黒く染まっている。


外界侵食領域。


もう大陸各地が崩壊していた。


海上都市消滅。


北方凍土反転。


西部山脈空間断裂。


被害は止まらない。


沈黙の中。


最初に口を開いたのはセリスだった。


セリス


「各国間の対立は、ここで終了します」


「今この瞬間から」


「世界は一つです」


誰も反論しない。


もう理解している。


負ければ終わり。


全員まとめて消える。


帝国代表席。


ヴァレリアが腕を組んだまま笑う。


ヴァレリア


「やっと本題かよ」


「最初からそうしとけばよかったんだ」


相変わらず強気。


だが。


その鎧には無数の傷が刻まれていた。


彼女もずっと最前線で戦っていた。


教国側。


かつてカイン抹殺を掲げていた神官たちが、重苦しく頭を下げる。


「……謝罪します」


「我々は真実を見誤っていた」


神を盲信し。


観測外存在を敵視した。


だが。


今や。


世界を支えているのはカインだった。


魔導連盟。


獣王国。


各国首脳も全員沈黙している。


その時。


会議場後方の巨大扉が開いた。


轟音。


黒い魔力。


兵士たちが即座に武器を構える。


だが。


次の瞬間、全員が凍りついた。


魔王。


ゼノ


ゼノが堂々と歩いてくる。


その背後。


魔族軍勢。


かつて人類と戦争していた存在たち。


空気が張り詰める。


しかし。


ゼノは平然と中央まで来ると、椅子へ座った。


「で?」


「席ここでいいか?」


場が静まり返る。


ヴァレリアが吹き出した。


「お前ほんと空気読まねぇな」


ゼノは鼻で笑う。


「読んでたら魔王なんてやってねぇよ」


だが。


次の言葉で空気が変わる。


ゼノは真顔になった。


「魔王軍は正式に人類側へつく」


沈黙。


歴史が変わる瞬間だった。


人類と魔族。


長年敵対してきた種族。


その壁が今、消える。


レオンが静かに頷く。


レオン


「歓迎する」


勇者と魔王。


本来なら絶対に並ばない存在。


それが今。


同じ場所に立っている。


ルナが呆然と呟く。


ルナ


「歴史の教科書が壊れる……」


AL-0が空中へ戦況投影を展開する。


AL-0


世界各地。


侵食進行率。


避難状況。


崩壊予測。


全部真っ赤だった。


『現行世界維持率』


『32.4%』


低すぎる。


もう時間がない。


その時。


カインが会議場へ入ってくる。


カイン


瞬間。


空気が静止した。


神々。


王族。


魔王。


勇者。


全員が自然と彼を見る。


世界の中心。


今やそれがカインだった。


彼が立つだけで、空間ノイズが安定する。


侵食が後退する。


存在そのものが“世界修復装置”。


ヴァレリアが苦笑する。


「もう笑うしかねぇな、それ」


ゼノも肩を竦める。


「今さら驚かん」


レオンは静かに言った。


「始めよう」


「人類最後の戦争を」


その瞬間。


世界地図が赤く点滅した。


警報。


AL-0が即座に反応する。


『緊急警告』


『全世界同時侵食爆発を確認』


全員の顔色が変わる。


次の瞬間。


世界各地の映像が映し出された。


都市崩壊。


空間断裂。


外界存在大量出現。


世界が。


同時に壊れ始めた。

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