表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
73/74

第二十五話 進路

翌日。


部室。


劉備が進路調査票を書いていた。


劉備


珍しい。


いつもはギリギリまで出さない。


孔明は少し驚く。


孔明


「もう書いてるの?」


劉備。


「うん」


孔明。


何気なく覗く。


そして止まる。



第一志望

体育大学



孔明。


「……へえ」


「意外」


劉備。


少し照れながら笑う。


「そう?」


孔明。


「もっと文学部とかかと」


周律。


後ろから。


周律


「どこに文学要素あるんですか」


劉備は少し考えてから言う。


「アウフグース好きだし」


「発汗とか」


「運動とか」


「呼吸法とか」


「ちゃんと学んでみたい」


孔明。


止まる。


呼吸法。


昨日の龍。


天空。


少しドキッとする。


劉備は続ける。


「世の中ってさ」


「みんな疲れてるじゃん」


静か。


部室。


夕日。


「だから」


「整わせたいんだよね」


「天下統一みたいに」


周律。


「スケールがデカいのか小さいのかわからない」


劉備。


笑う。


「でもさ」


「身体とか心とか」


「ちょっと楽になるだけで」


「人って優しくなれるじゃん」


孔明。


何も言えない。


少しだけ。


胸が熱くなる。


劉備は大学パンフレットを見せる。


スポーツ科学。


呼吸。


トレーナー。


メンタルケア。


心理学。


孔明。


ページをめくる。


止まる。


「……面白そう」


劉備。


「でしょ?」


孔明。


本当に少しだけ。


未来が見えた気がした。



翌日。


教室。


進路調査票。


孔明は静かに書く。



第一志望

体育大学



書いた瞬間。


後ろから声。


「え」


劉備だった。


孔明。


飛び上がる。


劉備。


ニヤニヤしてる。


「体育大学?」


「そんなに私のこと好き?」


孔明。


顔真っ赤。


脳停止。


そして。


焦って。


つい言ってしまう。


「か、勘違いしないでよね!!」


沈黙。


教室。


ざわつく。


笑いが起こる。


誰かが机に突っ伏してる。


劉備。


耐えてる。


肩震えてる。


完全に笑いを堪えてる。


孔明。


言ってから気づく。


「……あ」


終わった。


人生終わった。


だが。


劉備が盛大に吹き出した。


その瞬間。


唾。


大量。


孔明の顔に。


ベチャッ。


沈黙。


孔明。


ゆっくり拭う。


そして。


小さく呟く。


「……どんなロウリュだよ」


劉備。


さらに爆笑。


教室。


夏。


笑い声。


その瞬間だけ。


進路も。


将来も。


全部少しだけ、


どうでもよかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ