第十話 地区予選メンバー選抜 50デスマッチ後半戦
夕焼け。
校庭。
空気が変わっていた。
全員。
本気。
現在順位。
1位 呂布
2位 曹操
3位 孔明
4位 馬謖
5位 劉備
以下略。
大会に出れるのは4名のみ。
関羽は沈没していた。
「身体が重い……」
周律。
「サウナ後にラーメン三杯食べるからですよ」
関羽。
「整った後の炭水化物は神」
「人類みんなそうやって太るんです」
その横で。
馬謖が燃えていた。
「今こそ背水の陣!!」
周律。
「前回から故事成語フルスロットルですね」
馬謖。
「モルックとは兵法!!」
ドゴッ!!
12点。
ざわつく。
馬謖。
覚醒していた。
野球部エースの肩。
異常な修正能力。
投げるたびに精度が上がる。
呂布が見る。
「……強いですね」
馬謖。
「泣いてもらわないよう頑張ります!!」
孔明。
「いや本当に死なないでね?」
その頃。
中山ミツル。
現在18点。
終わっていた。
しかし。
その時。
石嶺先輩が応援する。
石嶺先輩
「中山くーん!がんばれー!」
世界停止。
中山。
停止。
だが。
今回は違った。
中山は震えながら立ち上がる。
「……今だ」
周囲。
「え?」
中山。
「今こそ」
「アピールの時……!」
投げる。
カン!!
10点。
ざわつく。
次。
7点。
さらに。
12。
周律。
「急に強い」
渡辺美由。
「愛の力だ……」
中山。
完全にゾーン入っていた。
だが。
石嶺先輩が近づいて中山の肩に触れる。
「すごーい!」
終了。
中山。
鼻血。
0点。
周律。
「感情で性能変わりすぎなんですよ」
その頃。
劉備。
静かに追い上げていた。
フォームが綺麗。
体重移動が柔らかい。
しかも。
妙に可愛い。
渡辺美由。
「なんか劉備先輩って可愛いですよね」
周律。
「わかります」
孔明。
無言。
劉備。
投げる。
カン。
8点。
また。
7点。
さらに。
11点。
安定している。
タモリが目を細める。
「……センス型か」
タモリには見えていた。
劉備の投擲。
アウフグースで鍛えた肩。
熱波のリズム。
風を読む感覚。
全部モルックへ繋がっている。
そして。
終盤。
呂布 vs 馬謖。
空気が変わる。
呂布。
48点。
馬謖。
46点。
呂布が投げる。
2点狙い。
静寂。
カン。
ぴったり。
50。
ざわつく校庭。
タモリの胸が疼いた。
「……いい試合だ」
馬謖も笑う。
「次は負けません!」
周律。
「なんか本当にスポ根漫画みたいになってきましたね」
だが。
最後。
全部持っていったのは。
曹操だった。
曹操
49点。
あと1。
普通なら難しい。
しかし。
曹操は適当に投げた。
ポフ。
倒れたスキットルが跳ねる。
別のスキットルに当たる。
さらに転がる。
奇跡的に1だけ倒れる。
50。
沈黙。
周律。
「なんで?」
孔明。
「説明不能」
本木。
「持ってるやつか……」
そして。
最終順位。
1位 呂布
2位 曹操
3位 劉備
4位 馬謖
地区大会メンバー決定。
歓声。
しかし。
曹操が言う。
「俺OBだから出れないぞ」
沈黙。
全員。
「あっ」
孔明。
停止。
劉備が笑う。
「繰り上がりだな、孔明」
孔明。
「えっ」
関羽。
「天命だ」
周律。
「便利な言葉ですね、それ」
そして。
タモリことレオナルド本木は。
静かに呟いた。
「……悪くないチームだ」




