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諸葛亮と呼ばないで〜陰キャ高校生ダイエット部の軍師になり無双  作者: 座山食空
第二章 勝ち得たもの、失われていくもの
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第十二話 関帝廟建立

十一月下旬。


空気は冷たかった。


吐く息も白い。


そして。


僕の心も、

わりと白く燃え尽きていた。



放課後。


旧校舎裏。


僕は呼び出していた。


石嶺先輩を。


「……」


緊張。


やばい。


逃げたい。


でも。


聞かなきゃいけない気がした。


その時。


「お待たせ」


石嶺先輩が来た。


マフラー。


吐く白い息。


なんか。


冬だった。



「……どうしたの?」


「いや、その」


言葉が出ない。


心臓うるさい。


だが。


僕はなんとか聞いた。


「石嶺先輩って」


「うん?」


「本当に関羽先輩のこと好きなんですか?」


静寂。


風。


遠くの運動部の声。


石嶺先輩は少しだけ驚いて。


それから。


困ったように笑った。


「……うーん」


「……」


「わからない」


「えっ」


「なんか勢いで」


軽い。


いや重い。


どっちだ。



石嶺先輩は少し空を見る。


「私ね」


静かな声。


「今まで男の子と付き合ったことないんだ」


「……」


「だから」


少し笑う。


「知らない人とか無理で」


「……」


「関羽くんなら安心かなって」


大型犬理論だった。


その時。


僕の口が勝手に動いた。


「……じゃあ」


「?」


「じゃあ僕が告白してたら」


言ってしまった。


終わった。


人生。


だが。


石嶺先輩は。


普通に言った。


「もちろんOKだったよ?」


静寂。


「……え?」


脳停止。


「え?」


「え?」


「え?」


「えええええええええええ」



「早いもの勝ちだったの!?」


思わず叫んだ。


石嶺先輩が吹き出す。


「なにそれ」


「いやだって!」


ショックだった。


めちゃくちゃ。


僕は頭を抱えた。


「うわぁ……」


「そんな落ち込む?」


「落ち込みますよ!」


人生最大レベルで。


その時だった。


石嶺先輩が。


少し笑った。


でも。


それは。


今まで見たことない笑い方だった。


少し。


悪戯っぽくて。


ずるくて。


なにか企んでるみたいな。


「……」


僕はなぜか。


その顔から目を逸らせなかった。



翌日。


部室。


空気が重かった。


関羽先輩が震えている。


石嶺先輩が正座していた。


嫌な予感。


「……昨日」


石嶺先輩が小さく言う。


「事務所の人に言われて」


「……」


「恋愛禁止だから、やっぱり付き合えないって」


静寂。


「……」


「……」


「……」


関羽先輩が止まった。


完全に。


魂が抜けていた。


「……そうか」


小さい声。


「うん……ごめんね」


「いや」


笑う。


無理やり。


「石嶺先輩が悪いわけじゃ……」


いや、同学年だけど、、、


その笑顔が逆にきつかった。



その日から。


関羽先輩は、

少し壊れた。


夕陽を見て泣く。


焼き芋見て泣く。


サザン聞いて泣く。


「TSUNAMIが刺さる……」


「今その曲危険ですよ」



数日後。


校庭の隅。


「……何してるんですか」


僕は呆然とした。


曹操会長だった。


スコップ持ってる。


そして。


小さな塚。


「関羽の怨念が強すぎる」


「なに言ってるんですか」


「鎮めねばならん」


真顔だった。


怖い。


その横。


関羽先輩が体育座りしている。


魂抜けてる。



曹操会長は静かに言った。


「ここを」


土を盛る。


「関帝廟とする」


「やめてください」


だが。


なぜか。


数日後には。


そこへ缶コーヒーや肉まんが供えられ始めた。


女子まで来ていた。


「関羽先輩元気出してください!」


「泣かないで……!」


「大型犬系男子つらい……!」


なんなんだこの学校。



夕方。


冬の空。


僕は校庭の隅を見る。


関帝廟。


意味不明だった。


でも。


その横で。


石嶺先輩が小さく笑っていた。


そして。


ふと。


僕を見る。


「……」


「……」


なんだろう。


最近。


石嶺先輩の視線が。


少しだけ。


前と違う気がしていた。


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